きょうご紹介することわざはこちらです。
Un malheur ne vient jamais seul.
不幸は決して1つでは済まない
不幸は決して1つでは済まない
きょうのことわざは、不幸が起きるときは、1つだけではない、不幸なできごとは続く、悪いことは重なる、という意味。
または、その不幸なできごとが続いているさまを言い表しています。
人生によくあることですね。
なぜかわかりませんが、確かに悪いことって続きます。忙しい時に限って、さらに面倒な問題が起きたり。
店番していても、ひまな時は、本当にひまなのに、お客さんが集中して忙しくなると、急に電話でややこしい問い合わせが入ったりします。
以前、長谷川町子の「サザエさんうちわけ話」で締め切りがせまって、あせってマンガを描いているときに限って、猫がねそべって邪魔をする、というのがありましたが、まさにそんな状態でしょうか。
日本語のことわざでは、
弱り目にたたり目。
泣き面に蜂。
などがあります。
泣き面に蜂は、泣いてむくれてる顔が、蜂にさされてさらにむくれること。
「弱り目にたたり目」は悪いことが起きて、弱っているところに、さらにたたりにあうような、災難をこうむること。
いずれも踏んだりけったりの状態ですね。
よくわかる!フランス語の文法解説
単語の意味
un 男性名詞につく不定冠詞
malheur 不幸(なできごと)、災い ⇔ bonheur
ne … jamais 決して~ない
vient < venir 来る
seul ~だけ
直訳
不幸は決してひとつだけで生じない。
類似のことわざ
À qui il arrive un malheur, il en advient un autre.
不幸が訪れる時は、ほかの不幸も起きる。
advient < advenir 起こる、生じる
Les malheurs sont souvent enchaînés l’un à l’autre.
不幸はしばしばお互いに鎖でつながれている。
enchaîner 鎖でつなぐ
enchaîner の名詞形が enchaînement (オンシェヌモン)
実際の発音は、「オンシェヌモン」と書いたほうが近いと思うのですが、アンシェヌマンがこれです。
アンシェヌマンは、単語と単語をくっつけて読むこと。
たとえば、 elle a は「エルア」ではなく、「エラ」となります。
不幸が、お互いに鎖につながれている状態を想像すると怖いですね。
英語では、
When it rains, it pours.
降ればどしゃぶり。
Trouble comes in threes.
災難は3つまとめてやってくる。
などあります。
ことわざの記事の目次を作りました。ご利用ください。
その1⇒フランス語のことわざ~目次 その1
何をやってもうまくいかない日や時期ってありますね。逆によいことが続く時も。
禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)という言葉をご存知だと思います。
いいことと悪いことはより合わせた縄のように、入れ替わり立ち代り訪れる、という意味ですが、いいことがあるから、悪いことがあるんでしょうね。
結局、いいこと、悪いことにいうのは、受け取る側の判断です。もちろん誰が見ても「災難」はありますが。
起きたことにいちいち一喜一憂しないで、目の前のことを1つずつ淡々と対処していくのが、精神衛生上、一番いいように思われます。
それでは、次回のことわざの回をお楽しみに。
ではどうしたらよいのか。17世紀の大宰相リシュリューは先見の明のないものと不幸に見舞われるものは同義語だという意味で、Le malheur se plait a la surprise. 備えあれば憂いなしと言ったとのこと。
A quelque chose malheur est bon.不幸も何かの役に立つ
Des deux maux, il faut choisir le moindre.
Souvent la peur d’un mal nous conduit dans un pire.
Qui se soucie malencontre lui vient. 取り越し苦労は不運を招く、病いは気から でも実際はむずかしいですね。
樋沼さん、こんにちは。
コメントと、ほかのことわざ、ありがとうございます。
過去に起こったことで、めげていると
先のことも心配になったりしますね。
やはり、今、目の前にあることに集中が
一番いいのかなと、思います。
「なるようになるさ」と考えるのではいいのではないかと。