『虎と小鳥のフランス日記』のバックナンバー、今週は64話を学習しました。
この回はパリのリヨン駅が舞台です。
この駅、レトロモダンな建物が美しいせいか、映画などによく出てきますね。
まずはサンプルビデオをごらん下さい。
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
今回は、ナレーションなので、会話ではなく、書き言葉です。
■きょうのメニュー
それでは復習行ってみよう!
3つのキーフレーズ
~しなければならない
リヨン駅の説明です。
それは多くの旅行者にとって必ず通らなければならない場所ですが、同時にそれ自体訪れる価値のある場所でもあります。
C’est un endroit de passage obligé pour un grand nombre de voyageurs, mais également un lieu qui mérite d’être visité pour lui-même.
ポイントはobligé の訳し方。
obligé, obligée は「やむを得ない、しなければいけない」という意味の形容詞ですが、passage obligé を「やむを得ない通り道」とすると日本語になりません。このようなときは、動詞のように訳せば意味がとおります。
mériter de + 不定法
~するに値する
un lieu qui mérite d’être visité pour lui-même
それ自体が訪れられるのに値する場所⇒それ自体、訪れる価値のある場所
Ce livre mérite d’être lu.
この本は一読に値します。
物語っている
リヨン駅の建物の説明
その建物の構造は、今日まで現存している装飾と同様に、ベル・エポック様式を雄弁に語る例となっています。
La structure du bâtiment, tout comme les décorations qui subsistent encore de nos jours, sont des exemples parlants du style Belle Epoque.
parlant 話す、語る;表情豊かな、物言わんばかりの
des exemples parlants du style Belle Epoque
ベル・エポック様式を物語る例
exemplesが複数なので、parlantsも複数。
preuve parlante 雄弁な証拠
subsister 存続する
de nos jours 現在
~に相当する
レストラン、ル・トラン・ブルーについて。
しかし、リヨン駅の真の宝は「ル・トラン・ブルー」というレストランにあります。そこは、1901年にオープンし、1992年に完全に修復されました。
写真右上に入り口が見えます。
Cependant, le véritable joyau de la gare correspond au restaurant Le Train Bleu, inauguré en 1901 et entièrement restauré en 1992.
correspondre à ~に対応する、相当する、~に起因する
Son témoignage correspond aux faits.
彼女の証言は事実と一致しています。
joyau 宝
restauré < restaurer 修復する
リヨン駅(Gare de Lyon)とル・トラン・ブルー(Le Train Bleu)
リヨン駅
パリにあるのにリヨン駅。
その名前の由来は、この駅がパリからディジョン経由でリヨンへ向かう鉄道の起点だからだそうです。さらに、リヨン市にはリヨン駅がないそうです。
リヨンなのに、リヨン駅がないなら、いったいどんな名前なのだろうかと思って調べたら、リヨン・パールデュー駅(Gare de Lyon-Part-Dieu) とか、リヨン・ペラーシュ駅(Gare de Lyon-Perrache)がありました。
リヨン駅はパリの中心から南東の12区にあります。国鉄(SNCF)とパリ交通公団(RATP)の駅です。
パリの区についてはこちらをどうぞ⇒パリの20の行政区~第1回
現在の駅は3代目で
1代目 1849年に開業 現行の駅より少し北寄りにあった。
2代目 1855年に建設
3代目(現行)1900年の万国博覧会開催にあわせて開業。
1900年の1年前に、エッフェル塔が作られています。
1900年の万博はベル・エポックの集大成です。ベル・エポックは、Belle Époqueという名前のとおり、フランスではパリを中心に、新しい文化や芸術が花開いていた19世紀末から、20世紀はじめの時代。
1914年に第一次世界大戦が始まるまでです。
この名前はこの大戦後に、「昔はよかったわね~」という意味でつけられた名前。
そんなときにリニューアルされた駅ですので、19世紀の雰囲気が残っています。
ル・トラン・ブルー
ビデオではこの駅の構内にある「ル・トラン・ブルー」が紹介されますが、この店の内装はとても豪華です。
壁や天井にベル・エポック様式の絵画が40以上もあり、柱にも彫刻が施してあるし、シャンデリアみたいなのもついているしとにかくキラキラしているのです。
フローリングの床に、革張りのソファーが気持ちよさそう。
Le Train Bleu は「青列車」という意味です。この名前は、1886年から2007年まで、パリや、北部フランスのカレーとリビエラ間を走っていた高級夜行列車の名前がもとになっています。
この列車の寝台車が青い色だったそうです。
内装の美しいル・トラン・ブルーは、さまざまな映画のロケに使われています。今回は、2つご紹介しますね。
★まず、リュック・ベッソン監督の「ニキータ」
ボブがニキータの誕生日に彼女をこの店に招待します。ここで彼女は思わぬプレゼントをもらうのですが。
このシーン見ると、ネタばれになってしまうけど^^; これからこの映画を見る方は1分ぐらいでやめといてください。
さすがに映画なので、美しい内装をさらに美しく撮影していますね。
★もう1つは『Mr.ビーン(ミスター・ビーン) カンヌで大迷惑?!』 Mr. Bean’s Holiday
この映画にもリヨン駅とこのレストランがたっぷり出てきます。
Mr.ビーンが、教会のくじ引きで一週間のカンヌ旅行とビデオカメラを当て、フランスで珍道中を繰り広げます。
これは予告編。本編にはもっとたくさん駅やレストランが登場しますよ。
楽しそうですね。私もくじか何かでフランス旅行を当てたいものです。
フランスでロケしている映画やドラマってたくさんありますよね。
以前はそういうのを見ても、場所にあまり目が行ってませんでした。ですが、『虎と小鳥のフランス日記』でたくさんパリの景観に親しんだおかげで、「あ、ここってあそこだ」とわかることが多くなりました。
映画を見る楽しみが増えました^^
それでは次回の「虎と小鳥のフランス日記」の記事をお楽しみに。
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