フランスの子ども新聞、1jour1actuの記事からフランスの大統領官邸であるエリゼ宮(Le palais de l’Élysée)について書かれている記事を紹介します。
子どもリポーターがエリゼ宮のいろんな部屋を見て周ります。
Moi, président, je travaille… et j’habite à l’Élysée ! 私、大統領が働いて住むのはエリゼ宮です。
5月14日から、シャトー(エリゼ宮の通称)は、新しい住人を迎えます。新大統領のエマニュエル・マクロンが夫人のブリジットとともに、ここに住みます。
前任のフランソワ・オランドと同じく、エマニュエル・マクロンはこの場所で働き、眠るのです。
エリゼ宮は、大統領の任期の間、執務室であり、同時に住居となります。
パリの中心、8区にあるエリゼ宮は、ここ数年、古くて実用的でない、管理が難しいと言われています。けれども、もうすぐ築300年になるこの場所を見捨てるわけにはいきません。
ここには大統領だけでなく、800人以上の人が働いているのですから。
9歳のニノンが、この、共和国の特別な場所で、1jour1actuのために、ある午後、過ごすチャンスを得ました。
Bienvenue au palais de l’Élysée ! エリゼ宮にようこそ!
ヴェスティビュル(vestibule)と呼ばれる入り口で、ニノンは、取次係の一人と知り合いになりました。彼がニノンを案内する役です。
取次係は大統領がエリゼ宮で働いているとき、スケジュールを管理します。大臣や国家元首など、すべての訪問者を出迎えるのは、取次係です。
取次係が、ニノンをエリゼ宮のいろいろな部屋へ案内しました。
Un jardin… à l’odeur de caramel ! 庭ではカラメルの匂いが!
エリゼ宮の庭で、ニノンは庭師の一人に聞きました。「これ何ですか?このいい香りは?」
「カラメルの木ですよ。少し甘い匂いがするでしょう。不思議ですよね?」
Le secret bien gardé des argentiers 銀食器係が守っている秘密
エリゼ宮では6人の銀食器の係がレセプションで使う、銀のテーブルウエアと陶磁器製食器を管理しています。
レセプションの晩餐で、ときには250人分のテーブルを整えるのは彼らの仕事です。ニノンは今晩、自宅でテーブルウエアを置く気にはなれないでしょう。
Un chef au service de la présidence 大統領邸で働くシェフ
エリゼ宮のキッチンは地下にあります。ここは1718年からある特別な建物。古くは厩舎(きゅうしゃ)として使われていた場所です。
ギヨームがキッチンのシェフです。外国の元首のシェフの立ち会いのもと、公式のディナーのメニューを考案し提案するのは、彼の役割です。
元記事 → Visite le palais de l’Élysée ! 写真がたくさんあります。
単語メモ
mandat 任期
vestibule 玄関、玄関の広間
huissier 取次係
veiller à ~に気をつける、留意する
argentier 銀食器棚、王室の金銀調度方
couverts テーブルウエア
vaisselle de porcelaine 陶磁器製食器
sous-sol 地下
écurie 馬小屋、厩舎
entre autres とりわけ、特に
en présence de ~の前で、~の出席のもとに
エリゼ宮が出てくるニュース
こちらは2017年5月14日、大統領の就任式のために、エリゼ宮に到着したエマニュエル・マクロンのニュースです。
エリゼ宮にて前大統領のフランソワ・オランドから職務を引き継ぎました。
大統領が交替するとき何をするか⇒当選後のマクロン大統領の今後のスケジュール。
エリゼ宮にはホームページがあり、内装などを見られる動画もあります。皆、長いので、この記事では紹介しませんでしたが、興味のある方はサイトでごらんください⇒Accueil – Présidence de la République
この宮殿は、セーヌ川の右岸、サントノレ通りに面しています。
この宮殿は、1718年にエブルー伯爵という人が建てました。
その後、ポンパドール夫人や、ナポレオン1世の妻、ジョゼフィーヌなどが住んでいたこともあります。
ポンパドール夫人の話は少しだけこちらに書いています⇒マリー・アントワネットと18世紀のチョコレート
大統領の官邸になったのは1973年から。ナポレオン3世が失脚したあとです。
来年、2018年で築300年という長い歴史を持つ建物です。
l’Élyséeという美しい名前は、ギリシャ神話に出てくるエリュシオン(エーリュシオン)にちなんでいます。エリュシオンは神々に愛された人々が死語、幸せな生活を送る野原、死後の楽園です。
ニノンという女の子、ラッキーですね。なかなかふつうの人はエリゼ宮に入れませんから。
よい思い出になったことでしょう。
それにしても、800人も従業員がいるとは知りませんでした。
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