フランスの子供新聞、1jour1actu に掲載された、アイスクリームの製造工程を説明する記事を紹介します。
カルカソンヌにある ラ・ベル・オードというメーカーの工場のルポです。
アイスクリームができるまで
Tous les secrets de fabrication des glaces ! アイスクリームの作り方の秘密のすべて
なぜこれが今日の話題なの?
フランス人はアイスクリームの消費量が多いからです。平均して、1人あたり、年に6リットルのアイスクリームを食べます。
特に、夏はもっとも消費が多いです。
周知の事実:夏やバカンスを思い浮かべるとき、同時にアイスクリームのことも考えます。みんなが大好きなアイスクリームがどうやってできるか知っていますか?
これを調べるために、南フランスのカルカソンヌにあるラ・ベル・オードの工場へ行ってきました。
アイスクリームはカルカソンヌの特産品です。ラ・ベル・オードの工場では、1月も7月も同じように、通年でアイスクリームを作っています。
ですが、需要が一番伸びる夏場に最もたくさん製造しています。
第1段階:殺菌 la pasteurisationH
この小さな工場では、1度に1種類の風味のアイスクリームしか作りません。この日は、マンゴとパッションフルーツのシャーベットの番でした。
アイスクリームを作るまえに、使う材料のテストをしなければなりません。シャーベットを作るために、この工場では、専門家が作ったフルーツピューレの冷凍したものを買っています。
工場の品質責任者であるベルナールは、このピューレのサンプルを食べて、よいシャーベットになるかどうか調べます。
テストの結果、大丈夫だとわかったら、最初の製造工程に入ります。殺菌です。
「シャーベットを作るために、砂糖、水、グルコースベースのシロップを作るところから始めます。
次に、シロップを加熱して、バクテリアを除きます。シロップがさめたら、シャーベットの主原料であるフルーツピューレを混ぜます」こうベルナルドは説明しました。
第2段階:熟成(エージング)la maturation
その後タンクの中でミックスを1日置きます。熟成の工程です。
「こうすると、ミックスの中で香りが広がり、より風味のあるアイスクリームになります」ベルナルドの説明です。
第3段階:冷却 la congélation
翌日、アイスクリームにする工程が始まります。サーマルショック(熱衝撃)をかけるためにミックスを機械に投入します。
ほんの数秒のうちに、ミックスの温度は急激に下がり、固まって、小さな結晶ができます。シャーベットのできあがりです。
最終段階:容器に詰める la mise en pot
最後に、まだ少し液体状のシャーベットを機械で容器に詰めます。製造ラインの最後で、行員がポットを引き上げ、急速冷凍機に入れます。
「この大きな冷凍機の中は氷点下30度です。本物の吹雪の中にいるようなものですよ」。
容器はこの中に1時間30分入っています。固まるまでにかかる時間です。
その後、温度の低い部屋に入れて出荷を待ちます。スーパーの棚、そして皆さんのフリーザーへと向かうのです。
元記事 → Tous les secrets de fabrication des glaces !
単語メモ
spécialité 特産品
s’accélérer 速まる、勢いをます
chauffer 加熱する
maturation 熟成、成熟
cuve タンク
se diffuser 拡散する、広がる
savoureuse savoureux 味のよい
congélation 凍結、冷凍
subir ~を受ける
choc thermique サーマルショック 温度を急激に変化させること。アイスクリームの場合は冷やすことです。
réceptionner 受理する
surgélateur 急速冷凍設備
rejoindre 再び一緒になる
ラ・ベル・オードの工場の動画
シャーベットを作ってはいませんが、仏文理解の助けになると思います。
カルカソンヌとは?
カルカソンヌ(Carcassonne)は、フランスの南部にあるラングドック・ルシヨン地方、オード県にある都市です。
アイスクリームメーカーの名前、La Belle Aude のオードは、オード県のオード(またはオード川のオード)だと思います。
古代ローマ時代に建設された要塞都市がもとになってできた街で、昔から交通の要所でした。
古い城壁がいっぱいあり、中世の町並みが残っています。1997年に世界遺産に登録されています。
こんなところです。動画は1分40秒。
本当に中世のまま時が止まっている雰囲気です。
要塞がたくさんあるので、カルカソンヌという名前のボードゲームもあります。
「腐らんす日記」という漫画に出てくるフランスのオタクの女の子の1人がカルカソンヌ出身です⇒マンガ『腐らんす日記』のフランス語版がネットで試し読みできます。
アイスクリームはフランス語で?
フランス語でアイスクリームは、glace (グラス)です。今回はシャーベットの製造工程を説明していたので、sorbet (ソルベ)という単語が出てきました。
glace à la vanille バニラアイスクリーム
glacier アイスクリーム屋さん
sorbet au citron レモンシャーベット
家庭で作るアイスクリームのレシピ⇒家庭で作る簡単アイスクリーム4種:フランスのお菓子(26)
アイスクリームのフレーバーの言い方はこちらに書いています⇒アイスクリームとシャーベットのフレーバー~かわいいフランス語教えます(72)
こんな記事もあります⇒あなたの好きなアイスクリームのフレイバーは? 英仏のラベルを読む(#15)
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日本でも見学できるアイスクリーム工場がありますよね。私は見学したことはありませんが。
工場見学は楽しいし、夏休みの自由研究にも使えて一石二鳥です。
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