パトリック・フィオリ(Patrick Fiori)の、Les gens qu’on aimeという歌を紹介します。
自分の大事な人たちに、あなたが大事ですよ、感謝してますと、相手が生きているうちにちゃんと言おう、という内容です。
Les gens qu’on aime
3分24秒
ミドルテンポだから聞き取りやすいと思います。
それでは訳詞に挑戦
歌詞
J’aurais pu traîner le long de mes rêves
J’aurais pu, l’air de rien
Attendre ici que la journée s’achève
Sorti le chien, si j’en avais un
J’aurais pu m’inventer des inventaires
Refaire et faire le point
Mais ce matin j’ai bien plus cher à faire
Dam da ba da bam
Ce matin j’irai dire aux gens que j’aime
Ou juste merci d’être ceux qu’ils sont
Qu’ils changent mes heures amères en poèmes
Et tous ces mots que nous taisons
Ce matin j’irai dire aux gens que j’aime
Oh comme ils comptent pour moi chaque instant
Des mots doux c’est mieux qu’un beau requiem
Et les dire c’est important
Et dire avant tant qu’il est temps
On veut toujours attendre la prochaine
Remettre au lendemain
C’est bien plus simple d’émettre des haines
Bien anonymes tapis dans son coin
Et coulent nos vies et l’eau des fontaines
La vie du quotidien
Et passent les jours et puis les semaines
Dam da ba da bam
Ce matin j’irai dire aux gens que j’aime
Ou juste merci d’être ceux qu’ils sont
Qu’ils changent mes heures amères en poèmes
Et tous ces mots que nous cachons
Ce matin-ci je vais dire aux gens que j’aime
Oh comme ils comptent pour moi chaque instant
Des mots doux c’est mieux qu’un grand chrysanthème
Et le dire c’est important
Le rappeler de temps en temps
J’aurais pu traîner le long de mes rêves
J’aurais pu, l’air de rien
Attendre ici que la journée s’achève
Dam da ba da bam
On devrait dire aux gens quand on les aime
Trouver les phrases, trouver le temps
Qu’ils changent nos heures amères en poèmes
On devrait tout se dire avant
Il faut le dire aux gens quand on les aime
Comme ils comptent pour nous chaque instant
Les mots doux c’est mieux qu’un beau requiem
Et tant qu’on est là bien vivant
Tout se dire tant qu’il est temps
作詞作曲:Jean-Jacques Goldman / Yann Mace / Luc Leroy
訳詞
ベッドで長い夢にひたっていることもできる
そうできる、さりげなく
ここで、1日が終わるのを待つことも
犬の散歩に行くことも、もし犬を飼っていたら
在庫を作りだすこともできる
棚卸しをして、数をチェクすることも
でも、今朝は、もっと大事なことをしなくちゃ
バムダバダバム
今朝は、好きな人たちに言いに行く
そこにいてくれてありがとうと
つらい僕の時間を詩に変えてくれて
そして、僕たちが言わないすべての言葉を
今朝は、好きな人たちに言いに行く
僕にとって、いつも、彼らがどれほど大事か
やさしい言葉は、美しいレクイエムよりいい
彼らに伝えることは大事なことだ
手遅れになる前に
僕たちはいつも次があると思っている
翌日まで先延ばしする
憎しみの言葉を言うほうがずっと簡単だ
匿名で、安全な場所で
そして、僕たちの人生は、泉の水のように流れていく
日常が
日々は過ぎていき、何週間もたってしまう
バムダバダバム
今朝は、みなに、好きだと言う
そこにいてくれてありがとうと
つらい僕の時間を詩に変えてくれて
そして、僕たちが隠しているすべての言葉を
今朝は、好きな人たちに言いに行く
僕にとって、いつも、彼らがどれほど大事か
やさしい言葉は、大きな菊の花よりいい
口にするのは大事なことだ
時々、そういうことを思い出すのも
ベッドで長い夢にひたっていることもできる
そうできる、さりげなく
ここで1日が終わるのを待つことも
バムダバダバム
僕たちは、好きな人たちに、そのことを伝えるべきだ
言葉を見つけて、時間を見つけて
彼らが、僕たちのつらい時間を詩に変えてくれていると
そう言うべきだ、早いうちに
好きな人がいるときは、その人たちにそう言わなければ
彼らが、いつも、どんなに僕たちにとって大事かを
やさしい言葉は、美しいレクイエムよりいい
僕たちが生きてここにいるあいだに
まだ間に合ううちにすべてを伝えよう
単語メモ
un inventaire 目録、在庫調べ、棚卸し
faire le point 現状を明らかにする
cher 貴重な、大切な
taisons taire 言わない
tant que + ind. ~する間 時間がある間より前に⇒手遅れになる前に
compter 重要である
remettre 延期する
émettre 述べる
tapi うずくまった、隠れた tapis dans son coin 自分のコーナーに隠れて⇒安全な場所で
補足
J’aurais pu traîner le long de mes rêves 僕の夢の長さをひきずることもできる⇒布団の中でずっと寝ていることもできる、ということだと思います。
Refaire et faire le point 直前に在庫を作り出す、と言っているので、在庫を作り出して、チェックして、現状をしらべる、と訳してみました。
とくにやることもないけれど、何か適当に用事を作り出して、1日、家の中にいることだってできる、ということです。
merci d’être ceux qu’ils sont 直訳すると、彼らが彼らであってくれてありがとう、となりますが、日本語ではあまりそういうことは言わないので、「そこにいてくれてありがとう」と意訳しました。
requiem は、レクイエムで、死者のためのミサです。つまり、死んだあと、いろいろ弔いの言葉を言うよりも、生きているうちに、「あなたが好きです、大事です、いつもいろいろありがとう」と言ったほうがいい、ということ。
un grand chrysanthème 大きな菊の花。、諸聖人の祝日に、墓に供える菊の花のことで、やはり、死んだあとに言うより、生きているうちに伝えよう、ということです。
Remettre au lendemain 翌日に延ばす。
Il ne faut jamais remettre au lendemain ce qu’on peut faire le jour même.(その日にできることは、決して翌日に延ばしてはならない)ということわざから、取ったのかもしれません。
まあ、このことわざで言っていることと同じことを歌っています。
aimer は、「好き」と訳しましたが、「愛する」という意味です。ただ、日本人は、親族や親しい友だちであっても、「愛してます」とは、あまり言わないので、「好き」と訳しました。
パトリック・フィオリについて
1969年、マルセイユ生まれ。
1985年に16歳でレコードデビュー(シングル盤)してから、長年一線で活躍しているフランスでは人気のある歌手の1人です。日本ではCDが出てないかもしれません(アマゾンで探してみましたが、出てこなかったので)。
デビュー後、いろいろなショーに出て、わりと早く、認知されます。1993年にユーロビジョンコンテストにさらにブレイク。
その後、ミュージカル、『ノートル・ダム・ド・パリ』にも出演し、世界的な名声を博します。
彼は、チャリティにも熱心でよくチャリティコンサートをしています。
パトリック・フィオリの魅力は、あたたかみがあって、深い声でしょうね。ミュージカルに出るぐらいだから、歌もうまいです。
Les gens qu’on aimeは、2017年に出た Promesse というアルバムに収録されています。
アマゾンのレビューでは☆5つがぞろぞろと並んでいます。
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今回紹介した歌は、条件法過去が出てくるので、プチ文法としてとりあげたかったのですが、歌詞を訳すのに、意外と時間がかかり、時間切れとなりました。
パトリック・フィオリの説明がすごく短いのもそのせいです。
また別のところで説明しますね。
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