ルーブル美術館

時事ニュース

ルーブル美術館で白昼の盗難事件(フランス語ニュース)

2025年10月に起きたルーブル美術館(Louvre、ルーヴル美術館)の盗難事件を伝える2分のニュースクリップを紹介します。

タイトルは、Une disqueuse, un monte-charge : l’impressionnant cambriolage en plein jour au Louvre(ディスクグラインダー、昇降機──ルーヴル美術館で白昼に起きた衝撃の盗難事件)

ディスクグラインダーは、金属を切断する工具です。

白昼堂々の盗難事件

2分。フランス語の字幕あり。

トランスクリプション

Un cambriolage spectaculaire a eu lieu ce dimanche matin au musée du Louvre vers 9h30, avec plusieurs bijoux dérobés datant du 18ème siècle et d’une valeur inestimable selon le ministre de l’intérieur, Laurent Nunez.

– Un peu sous le choc, parce que braquer le Louvre, il faut quand même le faire, quoi !

D’après nos informations, des malfaiteurs totalement cagoulés sont parvenus à accéder au bâtiment côté quai de Seine, où des travaux sont en cours.

Ils auraient utilisé un monte-charge pour se rendre dans la galerie d’Apollon, qui abrite de nombreux bijoux.

Selon les premiers éléments livrés par le ministre de l’intérieur, les cambrioleurs ont brisé plusieurs vitres à l’aide d’une disqueuse et deux d’entre eux sont rentrés dans le musée.

Un troisième est resté en retrait, et ils ont ensuite pris la fuite à bord d’un T-Max vers l’autoroute A6.

– Cette opération a duré presque quatre minutes, ça a été très rapide. Il faut quand même dire que ce sont des professionnels.

Alors évidemment, le butin est assez inestimable : ce sont des bijoux qui ont été subtilisés.

D’après nos informations, neuf pièces de la collection de bijoux de Napoléon et de l’impératrice Eugénie auraient été volées — dans des colliers, des broches, des diadèmes — qui étaient exposés derrière les vitrines Napoléon et souverain français.

La couronne de l’impératrice Eugénie a été retrouvée plus tard, brisée à l’extérieur du musée. Mais selon une source interne au musée, le plus gros diamant de la collection, le fameux Régent de plus de 140 carats, n’a pas été subtilisé. Le montant du préjudice n’a à ce stade pas été communiqué.

Après avoir attendu dans l’incompréhension, les visiteurs ont finalement été évacués dans le calme aux alentours de 10h30.

– On était un peu dégoûtés parce que moi je suis venu — bon, pas exprès, je suis venu voir mes copines — mais voilà, on était censés le visiter, c’était cool. Mais bon, on a quand même une belle anecdote, hein ?

Le parquet de Paris a annoncé avoir ouvert une enquête pour vol en bande organisée. Selon Rachida Dati, aucun blessé n’était à déplorer. Le musée va en tout cas rester fermé pour la journée de dimanche.

和訳

日曜の朝9時30分頃、ルーヴル美術館で壮観な強盗事件が発生しました。18世紀の複数の宝飾品が盗まれ、内務大臣ローラン・ニュネズによれば、それらは計り知れない価値があるとのことです。

- ちょっとショックですね。だってルーヴルを襲うなんて、普通じゃできないことです!

私たちの情報によると、犯人たちは完全に覆面をし、セーヌ川沿いの工事中の側から建物に侵入することに成功しました。

彼らは昇降機を使ってアポロンのギャラリーへ向かったようです。そこには多くの宝飾品が収められています。

内務大臣が明らかにした最初の情報によると、犯人たちはディスクグラインダーを使って複数のガラスを壊し、そのうち2人が美術館内に入りました。

3人目は後方に残り、その後彼らはT-Max(スクーター)に乗ってA6高速道路方面へ逃走しました。

この作戦はほぼ4分間で行われ、とても迅速でした。やはりプロの犯行と言わなければなりません。

当然ながら、盗まれた品々は非常に貴重です。盗まれたのは宝飾品です。

私たちの情報によれば、ナポレオンと皇后ウジェニーの宝飾品コレクションのうち9点が盗まれたようです。

それらはネックレス、ブローチ、王冠などで、ナポレオンとフランスの君主の展示ケースの中に収められていました。

皇后ウジェニーの王冠は後に美術館の外で壊れた状態で発見されました。しかし、美術館内部の情報筋によれば、コレクションの中で最も大きなダイヤモンド、140カラット以上の有名な「レジャン」は盗まれていないとのことです。

損害額については現時点では公表されていません。

困惑しながら待たされた後、来館者たちは最終的に10時30分頃、落ち着いた様子で避難しました。

- ちょっとがっかりでした。私はまあ、わざわざ来たわけじゃないけど、友達に会いに来てて、でもね、見学する予定だったし、楽しかったはずなのに。でもまあ、面白い話にはなったよね?

パリ地検は、組織的な窃盗として捜査を開始したと発表しました。ラシダ・ダティによれば、負傷者は出ていないとのことです。それでも美術館は日曜日いっぱい閉館する予定です。

単語メモ

disqueuse ディスクグラインダー、切断機。金属やガラスを切る電動工具。(f)

monte-charge 荷物用エレベーター、貨物リフト(m)

en plein jour 真っ昼間に、白昼堂々と

dérobé 盗まれた(dérober=盗む の過去分詞)

braquer 銃を向ける、襲う。→ braquer une banque(銀行を襲う)

Il faut le faire ! (皮肉を込めて)よくもまあそんなことをやるよね、普通じゃできないよねなど、驚きや呆れた気持ち含む口語的な感嘆表現

cagoulé 覆面をした

parvenir à 〜に到達する、〜することに成功する

être en cours 進行中である、実施中である

abriter 〜を収容する

livrer 引き渡す、提供する(情報や声明を出す時にも使用)。

vitre 窓ガラス (f) 

en retrait 離れた場所に、後方に

prendre la fuite 逃走する

à bord de 〜に乗って

butin 戦利品、獲物 (m) 

subtiliser 巧妙に盗む

impératrice 皇后

diadème 王冠、ティアラ (m)

souverain 君主、主権者 (m)

source interne 内部情報筋 (f)

montant 金額、総額 (m)

préjudice 損害、被害 (m)

à ce stade この段階で、現時点では

communiquer 発表する、公表する

incompréhension 理解できないこと、困惑 (f)

dégoûté がっかりした、うんざりした(スラング)

parquet 検察 (m)

bande organisée 犯罪グループ (f)

déplorer (負傷者や被害など)望ましくない事柄の発生を嘆く、遺憾に思う

ルーブル盗難事件・関連動画

この事件をリポートする3分のニュースクリップです。

2分58秒

要約:

1.事件の概要
10月21日午前9時半ごろ、ルーヴル美術館のアポロンのギャラリーの前で、3〜4人組の男が工事作業員を装って侵入し、わずか7分ほどで貴重な宝飾品9点を盗み出した。

2.犯行の手口
彼らは現場で工事を装い、建設作業用の荷台(モンテ・シャルジュ)を設置して作業員のふりをした。逃走にはTMAX型スクーターを使用し、高速道路に向かって逃げたとされる。

3.被害の内容
盗まれたのは、フランス王家やナポレオン皇帝、皇后ジョゼフィーヌに由来する宝飾品。うち1点(王冠)は破損した状態で現場に残されていた。

4.現場と観光客の混乱
事件発生により日曜日のルーヴルは一時閉鎖。訪問を予定していた多くの観光客が事情を知らず現場で驚きや戸惑いを見せた。中には「映画のようだ」と語る人もいた。

5.当局の反応と影響
文化省と内務省はいずれも「文化遺産としての損失は金額では測れない」と発表。事件後、警備体制や博物館の安全管理の見直しが求められている。

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ルーブル美術館には、世界有数のかけがえのない貴重なものがたくさんあるはずなのに、今回のような事件が起きたところを見ると、警備が甘いと言わざるを得ませんね。

建物がもと宮殿なので、現代的なセキュリティシステムを設置するのが難しいようです。セキュリティカメラの設置も十分でないとのこと。

人員不足も今回の事件の背景にあります。

それにしても、ルーブルにあった超有名な宝飾品を盗んだところで、売りさばくのは難しいと思いますが、どうなんでしょうか? まさか、手元に置いて楽しむつもりだったとも思えませんが。






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コメント

  • コメント (1)

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    • Anne-Marie
    • 2025年 10月 22日 10:39am

    ホットなニュースを取り扱ってくださってありがとうございました。
    面白くわかりやすかったです。

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