ラジオ講座の8月7日の放送分、第54課の復習です。今週はずっと複合過去をやっていますが、この日は代名動詞の複合過去でした。
基本的に、êtreを用いる複合過去と同じなので、ここはそんなに難しくないです。理解するのは・・。
ただ、過去分詞の性数一致がありますので、仏検の書き取り問題などで狙われるポイントの1つです。
それでは、さっそく復習しましょう。
代名動詞の複合過去
代名動詞とは?
再帰代名詞といっしょに出てくる動詞
くわしくは
⇒27 : L49 代名動詞 その1
⇒「まいにちフランス語」28:L50 代名動詞 その2
例:Je me couche dans un lit. 私はベッドで寝る。
se coucher(寝る)の活用
je me couche
tu te couches
il se couche
nous nous couchons
vous vous couchez
ils se couchent
動詞の前に来ているのが、再帰代名詞。3人称の再帰代名詞はseです。
代名動詞の複合過去の形
助動詞にêtreを使います。語順は、動詞の直前にêtre、その前に代名詞です。
ジュ・ムとかヌ・ヌは切り離されないということですね。
大きなポイント:êtreを使うので、過去分詞が主語と性数一致します。
性数一致についてはこちらを
⇒31:L53 複合過去その2
se coucher の複合過去形
・助動詞 êtreは主語に応じて活用する。
・coucher の過去分詞は couché
・過去分詞は性数一致するので、考えられる形をすべて書きます。
・代名詞、te,seはエリジオンします。
je me suis couché
je me suis couchée jeが女性
tu t’es couché
tu t’es couchée tuが女性
il s’est couché
elle s’est couchée
nous nous sommes couchés
nous nous sommes couchées nousが女性
ils se sont couchés
elles se sont couchées
vous vous êtes couché vousが男性一人
vous vous êtes couchée vousが女性一人
vous vous êtes couchés vousが複数で全員男性か男性混
vous vous êtes couchées vousが複数で全員女性
ils se sont couchés
elles se sont couchées
過去分詞はすべて同じ発音です。
例
Je me suis levée à six heures et demie.
私(女性)は6時半に起きた。
否定文
代名詞と助動詞(être)をne…pas ではさみます。
Je ne me suis pas levée à six heures et demie.
私は6時半に起きなかった。
疑問文
文末を調子をあげて言うものと、前にEst-ce queをつけるものは、ふつうの文と同じ語順なので、特に問題はありません。
1.イントネーションをあげる。
Vous vous êtes couché ?
起きましたか?(起きた人は男性)
2.前にEst-ce queをつける
Est-ce que vous vous êtes couché ?
3.倒置
Vous êtes-vous couché ?
主語の vousと代名詞 vous がいっしょなのでわかりづらいのですが、
まずは主語と助動詞を倒置(過去分詞はそのまま)してêtes-vous
それから、助動詞(être)の前に、代名詞を置きます。
めんどくさいですよね?
倒置の疑問文は、日常会話では出てくるものがほぼ決まっているので、見てピンと来るようにしておけばいいと思います。
★ポイント★
否定と疑問文のとき、手を加えるのは助動詞のほうで、過去分詞はそのままです。
代名動詞は命令する形でよく出てくるのですが、講座ではまだ命令法はやってないから、この日は登場しませんでした。
ひとつだけ例を書いておくと、
Dépêche-toi ! 急いで!
みたいなやつです。
補足: 過去分詞が性数一致しない場合
ふつうは、上に書いたように、過去分詞をすべて性数一致するのですが、その必要がないものがあります。
これはテキストでは、補足情報として書いてあると放送で言われてました。ですので、これまでのことで、すでに頭がパンクしそうな場合は読む必要はありません。
例文)
Elle se lave.
彼女はからだを洗う。動詞はse laver
複合過去にしてみます。
1.être をelleの活用にする⇒est
2.laver の過去分詞を考える⇒lavé
3.主語と過去分詞を性数一致させる⇒lavée
4.ふさわしい形に並べる⇒seとestをエリジオン
完成!⇒ Elle s’est lavée.
でも、
Elle s’est lavé les dents.
彼女は歯を磨いた(洗った)。
この場合は過去分詞が性数一致しません。
それは、なぜ?
こういうルールがあるからです↓
代名動詞の代名詞、se(とそれが主語に応じた形)が直接目的語のとき、この直接目的語に過去分詞が性数一致する。
もしこれが間接目的語だったら、性数一致は起きません。
「からだを洗う」のse laver のseは直接目的語だけど、「歯を磨く」ほうのseは間接目的語なのです(この場合の直接目的語は「歯」です)
上の例のように、「歯を洗う」とか「顔を洗う」などほかの目的語がついていたら、たいていそれが直接目的語です。
ほかの例)
Elle s’est lavé le visage.
彼女は顔を洗いました。
seは間接目的語⇒過去分詞の性数一致なし。
直接目的語はle visage
関連記事:
⇒24 : L46~直接目的語になる代名詞
⇒25 : L47~間接目的語になる代名詞
⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その1(概要)
⇒1課~47課まで⇒ラジオ講座「まいにちフランス語」関連記事の目次~その2
しっかり確認したい場合は、辞書で動詞の用法をチェックします。
代名動詞の動詞が、(seのつかない)他動詞として使われるとき、直接目的語をとる動詞なら、そのseは直接目的語、そうでないなら間接目的語ということになります。
他動詞と自動詞についてはこちらを⇒31:L53 複合過去その2
いかがでしたか?
代名動詞の複合過去形は30回ぐらい音読すれば、慣れると思います。私は一度に30回も音読したことはありませんが。
それと、形で混乱したら、以下のような活用表で確認しつつ進めるといいでしょう。
たとえば、これはse coucherの活用です。
⇒se coucher – Conjugaison du verbe se coucher – forme pronominale
主語が女性のとき
⇒se coucher – Conjugaison du verbe se coucher – féminin – forme pronominale
疑問文(倒置)、否定の形も参照できます。
それでは、次回のラジオ講座の記事をお楽しみに。
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