凱旋門

フランスにまつわるあれこれ

パリの20の行政区~第3回~らせんの秘密

パリの行政区シリーズ、第3回です。

前回は、パリの一部の行政区の特徴と、パリ市民がもっているイメージ、いわゆるステレオタイプについて学びました。芦屋は高級住宅街、とかそんな感じのことです。これはどこの地域にもあることですね。

今回は渦巻きの謎にせまります。



なぜパリの区は渦巻き状に並んでいるのか

まず地図をごらん下さい。

パリの行政区の地図
File:Paris arr jms-num.gif – Wikipedia, the free encyclopediaよりお借りしました。

7,8,15,16区あたりが金持ちが住んでいる場所で、北の18,19,20区あたりが庶民の街、ということでした。

今回は、渦巻状に番号をふった理由について語っている箇所をチェックします。

では、ビデオの続きを見ていきましょう。

4分56秒

2分48秒~4分12秒までです。

Paris n’a pas toujours été un escargot.

Lorsque les arrondissements sont créés en 1795, la ville est plus petite et il n’y en a que 12, numérotés de gauche à droite et répartis en deux lignes séparées par la Seine.

En 1860, alors que le préfet Haussmann dirige d’immenses travaux dans Paris, la ville s’agrandit en annexant les communes limitrophes.

Il faut alors créer de nouveaux arrondissements : on redécoupe, on recompose.

パリはこれまでずっとエスカルゴだったわけではありません。

1795年に行政区が作られたときは、パリは今より小さく、12区しかありませんでした。左から右に順番に番号がつけられ、セーヌ川を境に、二つの列に分かれていました。

1860年、パリ知事のオスマンが大事業をしました。辺境のコミューンを併合して、この市を広くしたのです。

そこで、新しい行政区が必要になり、再び分け直し、再構成されました。

Un premier schéma attribue le numéro 13 à l’actuel 16ème, mais cela ne plaît pas du tout à ses habitants riches et influents.

Pourquoi ? Parce qu’à l’époque existe une expression : “se marier à la mairie du 13ème arrondissement”.

Comme le 13ème arrondissement n’existe pas encore, ça veut dire ironiquement “vivre ensemble sans être marié”, donc en concubinage.

Impensable pour la bonne société de l’ouest d’être associée à cette idée si inconvenante.

On adopte finalement une disposition en spirale et on attribue le numéro 13 à un arrondissement plus populaire.

はじめの都市計画では、13番は今の16区に割り当てられました。でも、そこのお金持ちの住民や有力者はこれを気に入りませんでした。

どうしてかって?それは当時「13区の区役所で結婚する(”se marier à la mairie du 13ème arrondissement”)」という表現があったからです。

まだ、13区がなかった時代、この表現は「結婚せずに共同生活をする」という意味で、皮肉をこめて使われました。。つまり同棲です。

このような不謹慎な考えを連想させる区の番号を、この場所につけることは、西部の上流の人たちにとっては考えられないことだったのです。

結局、らせん状に配置することになり、もっとも人口の多い場所が13区になりました。



単語メモ

préfet 知事

limitrophe 辺境の

annexer (国、領土などを)併合する

s’agrandir 領域を広げる

schéma 都市計画

concubinage 同棲

inconvenante 無作法な、無礼な

disposition 配置

en spirale らせん状の

前回の記事はこちら⇒パリの20の行政区~第2回

このシリーズを最初から読む方はこちらから⇒パリの20の行政区~第1回

1792年以降、パリでは役所で婚姻手続きをすることになりました。

詳しくはこちらで⇒民法上の結婚とは リンク先はFC2ブログです。

だから、同棲することを、当時は架空の区であった「13区の区役所で結婚する」という言い方をしたのですね。

なかなかおもしろい表現だと思いますが、このように言われることはかなり不名誉なことだったのでしょう。

そのため、

「わたしたちは、13区になりたくないですから!」

と13区候補の市民が大反対した結果、今のようにエスカルゴの形に番号をふることになったのです。なかなか興味深い話です。

たまたまここに有力者がたくさん住んでいたというのも大きな理由でしょうね。

では、パリの行政区に関するビデオ、次回は最後までチェックします。






ピックアップ記事

  1. 2018年版、フランス語と英語の勉強用カレンダーのご紹介。
  2. ぜんぶ無料:あなたのフランス語学習に役立つサイト16選
  3. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集

関連記事

  1. エッフェル塔

    フランスにまつわるあれこれ

    パリのエッフェル塔の楽しみ方。

    エッフェル塔は、パリにある有名なタワー(塔)です。パリのみなら…

  2. パリ10区の区役所

    フランスにまつわるあれこれ

    フランスの大統領選挙 後編~「虎と小鳥のフランス日記」第50話

    「虎と小鳥のフランス日記」のバック・ナンバーも週1本ずつ復習しています…

  3. グラン・ブルヴァール

    フランスにまつわるあれこれ

    夕方のグラン・ブルヴァール「虎と小鳥のフランス日記」第40話その2

    毎週届く、フランス語の教材「虎と小鳥のフランス日記」。バックナンバーも…

  4. ラクレット

    フランスにまつわるあれこれ

    ハイジも大好きスイス生まれのラクレットの作り方と食べ方。

    ラクレット(la raclette)というフランス料理の作り方を紹介し…

  5. ヴェルサイユ

    フランスにまつわるあれこれ

    第1回「ベルサイユのばら」検定は11月24日開催

    「ベルサイユのばら」検定が秋の仏検と同じ2013年11月24日に行われ…

  6. カンヌ映画祭

    時事ニュース

    カンヌ国際映画祭の階段であったおもしろいこと

    南フランスのカンヌで行われているカンヌ国際映画祭に関する記事を読みまし…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

お気に入りに登録してね♪

CTL+D でお気に入りに登録。

Feedlyで確実に更新をチェックしよう。

follow us in feedly

更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

新しく書いた記事です。

  1. 思い出・記憶に関係のある言葉:かわいいフランス語(123)
  2. マルディグラ(カーニバル)の起源とお祝いの仕方。
  3. Je vous trouve tres beau(素敵ですね…
  4. ヤウンデ(カメルーン)の心のレストラン。カメルーンの歴史つき…
  5. ラ・シャンドルール(聖燭祭でありクレープの日)ってどんな日?…
  6. 小さな物(語尾にetteがつく言葉その1):かわいいフランス…
  7. ペッパピッグ(Peppa Pig)で学ぶフランス語:どろんこ…
  8. 愛の告白:フランス・ギャル(歌と訳詞)
  9. 60年代のアイドル、フランス・ギャル、70歳で亡くなる。
  10. ビットコイン入門。仮想通貨について何も知らない人のための記事…

おすすめ記事いろいろ

  1. 【第27回】マスタードをフランス語で?
  2. 【第8回】オーツ麦とハンドクリームの熱い関係
  3. かわいいフランス語、教えます~その4 乳製品
  4. 『おやゆび姫』のフランス語のタイトルは? (#3)
  5. さよならを教えて~フランソワーズ・アルディ(歌と訳詞)
  6. 英語になってるフランス語~かわいいフランス語、教えます(65…
  7. アンリ・デス:Avec les copains(友だちと一緒…
  8. 2013年秋冬ファッションのトレンド その3 40年代ルック…
  9. L19 自宅に人を招くことが好きなフランス人
  10. イギリスのテリーザ・メイ首相、ブレグジット発動の手紙に署名。…

おすすめのまとめ記事

  1. 「虎と小鳥のフランス日記」vol.4 第76話~第100話
  2. フランス語のことわざ~目次 その3
  3. 歌の訳詞を書いている記事の目次~その3
  4. 翻訳者養成講座関連記事の目次
  5. フランス語入門日記~目次を作りました
  6. ニュースの記事のまとめ(2)
  7. 『不思議の国のFrance』関連記事の 目次その3
  8. 数字の記事のまとめ その2 19から1兆まで
  9. 「虎と小鳥のフランス日記」vol.2 第26話~50話
  10. フランス語のことわざ~目次 その1

フランス語の勉強法とか

  1. 2018年フランス語日めくりカレンダー
  2. 黒板
  3. 星の王子さまの本

お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

  1. 少女

    フランス映画・テレビ

    壁に気づくことに意義がある。『パリ20区、僕たちのクラス』の予告編(4)
  2. ブドウの木

    フランスの暦、年中行事

    歌と訳詞:故郷の九月~ジルベール・ベコー その1
  3. オーディオブックを聞くpen

    フランス語脳プロジェクト

    『7つの習慣』のオーディオブックをFebeで買ってみた。
  4. わたあめ

    フランス語の語彙

    フランス語でわたあめは「〇〇のひげ」
  5. ル・ヴィラージュ(パリの高級食材店)

    虎と小鳥のフランス日記

    イカスミと芥子のパンはいかが~「虎と小鳥のフランス日記」第142話
PAGE TOP