虎と小鳥のフランス日記の新しいエピソードが届きました。今回はパリのニュイ・ブランシュ(白夜祭)というお祭りが舞台です。
フランス語では La Nuit Blanche
nuit blanche は すでに『さよならを教えて』で書いたことがありますが、「白夜」、あるいは「徹夜」という意味です。
このお祭りはパリ市が毎年10月に行う現代アートの祭典とのこと。一晩だけですが、オールナイトです。現代アートのお祭りを一晩中やるなんていかにも芸術を大事にするフランスですね。
美術作品の展示だけでなく、パリ市内全域でいろいろな催しがあり、コンサートなども行われます。地下鉄も1番線と5番線は夜通し運転しているので、移動も簡単だし、美術館も開いています。
今回はサンプルビデオがあるので、まずごらんください。
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
きょうのメニュー
サンプルビデオのスクリプトと和訳
Ce soir n’est pas un soir comme les autres. C’est le soir de la Nuit Blanche.
今夜は他の夜とは違います。ニュイ・ブランシュの夜です。
ここで気をつけることは、blanche の発音ですね。カタカナで書くとどちらかというと「ブロンシュ」に、私は聞こえます。France のanと同じ鼻母音です。解説によれば、「口をたてに開けて、アとオの中間で」発音します。
今週の表現ピックアップ
その1 調べていません
私たちはきちんと調べていません。
On s’est pas trop renseignés.
カミーユがインタビューした最初の女性は、「いろんな催しものについて、調べていないから、そのへんをぶらぶらしてよさそうなものを見る」、とのこと。
その2 同じです。
「ニュイ・ブランシュは今回が初めてですか?」という問いに、連れの女性が「3回めか4回め」と答えました。となりにいた男性が
同じです。
Pareil.
その3 大したことは覚えていません
「これまでのニュイ・ブランシュはどういうものでしたか?」と聞かれて
大したことは覚えていません。
Je me souviens pas de grand-chose.
これだけ書くと無愛想ですが、そのあとに
parce que j’ai pas une très bonne mémoire, mais euh y’a un peu de tout.
「あまり記憶力がよくないので。でも、様々なものがあります。」
と答えていました。
きょうの文法
代名動詞
表現1と3は代名動詞です。
On s’est pas renseignés.
se renseigner sur qn/qc ~について問い合わせる、調べる。
Pour l’heure du train renseignez-vous à la gare.
列車の時刻を問い合わせてください。
Il faut se renseigner avant d’Acheter une maison.
家を買う前にはよく調べるべきだ。
上の文は複合過去です。助動詞はêtreを使用。
êtreを使用するときは、過去分詞が性数一致します。
onはふつう単数ですが、ここでは、自分と自分と一緒に行く友だちのことを言っているので、過去分詞に複数のSがついています。
くわしくは⇒「まいにちフランス語」32:L54 代名動詞の複合過去
Je me souviens pas de grand-chose.
se souvenir de ~を思い出す
Je me souviens de mon premier amour.
初恋のことを思い出しています。
Je m’en souviendrai longtemps.
それを長く覚えていることでしょう。
grand-chose 大したこと
grand-chose は口語で、たいてい否定的表現で、「大したもの/こと」という意味。「大きい」という形容詞を使うところは、日本語と同じですね。
choseは女性名詞ですが、この言葉はいつもgrand-choseという形で冠詞はつきません。
Cela ne vaut pas grand-chose.
それは大した額ではない.
Il n’y a pas grand-chose à manger ce soir.
今晩はこれといった料理がない。
Je n’ai plus grand-chose à faire.
もう別に大してすることはない。
ニュイ・ブランシュ
2013年のパリのニュイ・ブランシュは10月5日(土)の夕方から6日(日)にかけて行われました。
ほんとにいろんな催しがあるようです。花火もあがります。こちらはこの催しについて紹介した短いニュースです。
『霧の彫刻』
カミーユのいたレピュブリック広場には霧が立ち込めていたのですが、これは日本人アーチストの中谷芙二子(なかやふじこ)の『霧の彫刻』という作品です。
これは人工的に霧を発生させ、その場の環境にあわせて、いろんな霧を演出するものです。
写真で見るとよくわからないのですが、その場にいると、とてもきれいで、幻想的なんじゃないでしょうか。
こちらはサンフランシスコで発表した作品。本人のインタビューもあります。
3分14秒
中谷芙二子のお父さんは、雪の研究をして、人口の雪を作った物理学者、中谷宇吉郎(なかや うきちろう)です。彼女は最初は画家で、ビデオ・アートもたくさんあります。1933年札幌生まれ。なんと私の母と同じ年です。
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