母の日にちなんで、«Maman la plus belle du Monde»という曲をご紹介します。
フランスの母の日は5月の最終日曜日。今年2015年は5月31日なのです。
タイトルは、ママは世界で1番美しい ということ。
歌っているのは、往年のテナー歌手、ルイ・マリアーノ(Luis Mariano)です。
1950年代の古い歌です。
Maman la plus belle du Monde ママは世界で1番美しい
歌詞つきの動画でお楽しみください。
それでは訳詞に挑戦!
Maman, c’est toi, la plus belle du monde
Aucune autre à la ronde n’est plus jolie
Tu as pour moi, avoue que c’est étrange
Le visage d’un ange du paradis
ママ、世界で1番きれいなのはママ
ママほど美しい人は誰もいない
僕にとっては、変だとと思うかもしれないけど
ママの顔は天国の天使の顔だよ
Dans tous mes voyages
J’ai vu des paysages
Mais rien ne vaut l’image
De tes beaux cheveux gris
いろいろなところに旅をして
さまざまな景色を見てきた
でもママの美しい灰色の髪ほど
価値のあるものはない
ママ、世界で1番きれいなのはママ
僕は深い喜びを感じる
僕の腕に、
ママが腕を回してくれるとき
ママ、世界で1番きれいなのはママ
ママのきれいな目には愛がいっぱいあふれているから
僕にとって、本当なんだ、いくつになっても
僕は、幸せな日々を送っていた小さな良い子
僕は夢を持っていた
いつも皆に愛されていたいと
でも、夢は終わってしまった
そしてママだけが残った
ママ、世界で1番きれいなのはママ
ぼくのまわりのすべてがだめになっても
ママ、ママはいつもここにいてくれる
単語メモ
à la ronde 四方に、まわりに
Il n’y a pas une habitation à 5 kilomètres à la ronde.
5キロ四方には誰も住んでいない。
avouer 事実、正当性を認める
étrange 奇妙な、変な
paradis 天国
inonder あふれる
vaut < valoir ~に値する、相当する
trêve 中断
sans trêve 休みなく、絶えず
Il travaille sans trêve.
彼は休みなく働く
s’achever 終わる、完成する
Les vacances s’achèvent.
休暇が終わる
s’effondrer 崩壊する、崩れ落ちる
きょうの文法ポイント:否定の語
aucun, aucune どんな~も neやsans といっしょに出てきます。
形容詞なので性数一致します。
Aucune autre à la ronde n’est plus jolie
直訳:この周囲のどんなほかの人も、より美しくはない⇒ママが1番美しい。
Aucun homme n’est parfait.
いかなる人も完全ではない⇒完璧な人はいない
rien 何もない neと一緒に使います。
Mais rien ne vaut l’image
De tes beaux cheveux gris
でも ママの灰色の美しい髪のイメージに相当するものは何もない
あまりうまく訳せなかったところ
J’avais fait des rêves
Où l’on m’aimait sans trève
Mais les rêves s’achèvent
Et toi seule m’est restée
休みなく、皆に愛される夢を持っていたものだ、しかし、その夢は終わってしまった。そしてママだけば僕を好きでいてくれる
つまり、子どものころはみなに愛されていたけど、大人になるにつれて、そういうことはなくなってしまった。
でも、ママだけはずっと変わらず僕を愛してくれている、と言いたいのだと思います。
小さいときは皆に愛されて幸せだったのですね。
Maman la plus belle du Monde ダリダのバージョン
Luis Mariano ルイ・マリアーノ(1914-1970)
ルイ・マリーアのはアマゾンなどではルイス・マリアーノの書いてあるので、もしかしたらルイスかも知れません。
彼はスペインのバスク地方のイルンの生まれですが、スペインの内戦が始まったとき、フランスに移住しました。
フランスのオペレッタのテナー歌手として、映画にも出演し、50年代以降フランスとスペインで人気を博していました。
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私たち日本人は、なかなかお母さんにむかって、「ママは世界で1番美しい」とか「天国の天使のようだ」とは言いませんね。
そもそも表立って人をほめることをしない国民です。
でも母の日ぐらいは、お母さんをいっぱいほめてあげたいですね。
昔、カナダで、たくさん学生を住まわせている大きな家で半年ほど下宿していました。夕食はその家のオーナーである年配のご夫婦(もうおじいさんとおばあさん)と、ほかの学生と一緒です。
週末は別のところに住んでいる、もう成人しているその家の息子さんや娘さんもやって来てよく一緒に食べていたのですが、この娘さんが、お母さんの料理を食べるたびにいつもほめていたのが印象に残っています。
「これおいしいわね」と。
毎回毎回そうなのです。私は実家で母の料理を食べるとき、ほとんど無言だったので申し訳なかったです。
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