今週の「虎と小鳥」はファッション・ウィークその1~第123話の続編です。
2013年10月1日、パレ・ド・トーキョーという美術館で、アニエス・ベーのデフィレ(ファッション・ショー)が行われました。
今回は、カミーユとアントワーヌがアニエス・ベーにお勤めの女性3人に会場のそばでインタビューしています。
今回はおしまいのほうに発話が入っているので、きょうはまずここを学習しました。
きょうのメニュー
それでは早速復習、行ってみよう!
サンプルに出てきた発話のスクリプトと和訳
Le décor c’était…euh…donc des…
Voilà.
Comment ça s’appelle ces fleurs ?
Dahlias.
Des dahlias.
Des dahlias, qui étaient disposés tout autour, et donc euh…voilà.
装飾…、これは、えーと…。
これね。
この花の名前は何だったかしら?
ダリアよ。
ダリアね。
ダリアですね。この花で(会場の)まわり全体を囲っていました。
使えそうな表現は
Comment ça s’appelle ces fleurs ?
ですね。
des fleurs のところをいろんな名詞に入れ替えて、物の名前をど忘れしたときに聞くことができます。
disposer 並べる、配置する
autour まわりに、周囲に
dahlias ダリア Hを読みませす。。
ダリアは上の写真のような花です。
★ほかの花の名前はこちらをどうぞ⇒かわいいフランス語、教えます~その12 花の名前
今週の表現
その1 いつもの決まりです
それが、決まりなんです。
C’est une institution.
ロックのテーマとグラフィックなデザインはアニエス・ベーのコレクションにいつも登場する、という話です。
その2 知らなかった
私、知りませんでした。
Moi j’me rends pas compte.
なぜファッション・ショーのシーズンは現実のシーズンより半年早いのか、その理由を教えてもらったあとのカミーユの言葉。
しかし、ここは声が小さくてほとんど聞き取れませんでした。
その3 行われる
この期間中、他のデフィレもパリで行われていました。
Et pendant ce temps, d’autres défilés ont lieu dans Paris.
ここは最後のアントワーヌのナレーションの部分より。「ファッション・ウィークのあいだ、ほかのデザイナーのショーもある」、ということですね。
表現をちょっと解説
習慣、決まり
institutionは「制度」という意味ですが、口語で「習慣、決まり」という意味があります。また、皮肉として「制度、ある分野における権威、カリスマ的存在」という意味で使うこともあります。
La corruption est ici une véritable instituion.
買収はここでは全く制度と化している。
~に気づく
se rendre compte de qc/que+直接法
~に気づく、~を理解する、納得する
あなた、事態に気づいているの?
Tu te rends compte de la situation ?
行われる
avoir lieu
これはこのまま覚えるべき表現。
「虎と小鳥のフランス日記」にもよく出てきます。
La cérémonie d’inauguration aura lieu demain à 9 heures.
開会式はあす9時から行われる予定です。
きょうの豆知識~アニエス・ベーが監督した初の長編映画
第123話で、
Agnès B, c’est aussi quelqu’un d’important dans le milieu de l’art, du cinema.
アニエス・ベーはアートの世界や映画界でも重要人物です。
と出てきましたが、彼女はもともと大の映画好き。いわゆるシネフィル (cinéphile 映画狂)です。
これまでさまざまな映画に衣装を提携、また、カンヌ映画祭を後援したり、自身の映画製作会社を持っていましたが、ついに、自ら映画を作りました。
その長編第1作が «Je m’appelle Hmmm…»
邦題は「私の名前は…」
YouTubeに予告編が2つあがっているのでご紹介しますね。
舞台は南仏のボルドーから始まります。ある日女の子が赤いトラックに乗り込みます。
彼女は父親に性的な虐待を受けているのです。というのもお母さんは毎晩遅くまで働いていて、お父さんは無職でずっと家にいるんですね。
彼女は3人姉妹の長女で11歳。学校から海辺に遠足に出かけたとき脱走します。
もう一つの予告編には、この映画のタイトルが出てきます。
乗り込んだトラックの運転手はフランス人ではなく、スコットランドの人で、ふだんは英語をしゃべっているようです。といっても、女の子が乗り込んでくるまでは一人ぼっちだったのですが。
彼に名前を聞かれても、女の子は答えることができません。そして、2人の旅が続きます。
いわゆるロード・ムービーですね。
この映画は、第14回東京フィルメックス(2013年11月23日~12月1日)で、特別招待作品として上映されます。
東京だけですが、興味のある方は足を運んでみてください。
私はこの作品を見ていませんが、不幸な家庭環境、家出、海辺、逃走などから、トリュフォーの「大人はわかってくれない」を思い出しました。
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