フランスのファッション・デザイナー、ココ・シャネルの名言を紹介します。
きょうのお言葉は:
L’acte le plus courageux demeure le fait de penser pour soi-même. À voix haute.
一番勇気のいる行動って、自分の頭で考えるってことよ。そしてそれを声に出すことね。
自分の頭で考えて声に出す
今でこそ、短いスカート、ジーンズ、パンツは全くふつうの女性の服装ですが、シャネルがお針子をしていた20世紀のはじめは、女性はコルセットをつけ、長いスカートをはいていました。
帽子には羽飾りがいっぱい。
「そんな苦しくて動きにくいものを着てるなんて、おかしくない?」
シャネルはタイトなシルエットをゆったりさせて、丈をもっと短くします。
それまでは喪服か修道女が身に付けるだけの黒一色の服をドレスに仕立てあげ、紳士服の素材だったジャージーを使ってゆったりとした、動きやすい服を作りました。
また、男性の労働着からヒントを得て、婦人服にすることも得意でした。
フレンチカジュアルの代表である、ボーダーの服も、水兵さんの服だったのをシャネルがおしゃれな服に格上げしたようなものです。
彼女は婦人服に革命をおこしたのです。
本人も、デザイナーとして成功する前から、人とは違う地味でもっさりとしたなりをしていましたね。現代人から見ると、シックですけど。
もちろん、キャリアの始めに、こうした服を提案したことが、みんなから受け入れられたわけではありません。
女性なら誰もが長いスカートをはいているのが当たり前の時代に、今までとは随分違うスタイルを考案したのですから。
シャネルは、自分のデザインに本当に自信を持っていたのだろうし、勇気もありましたね。
わかりやすい!フランス語の文法解説
単語の意味
acte 行為 男性名詞 前についてるl’ はleのエリジオン。
le plus + 形容詞 もっとも~な
形容詞の最上級です。
詳しくはこちら⇒「まいにちフランス語」20:L42~最上級
courageux 勇敢な
demeure < demeurer ~であり続ける、とどまる
この動詞の基本の意味は、住む、居住する。
fait 行為、行い
le fait de + inf. ~すること
penser 考える
pour ~のための、~向けの
soi-même 自分自身
à ~で
voix 声
haute 高い、大きい
à vois haute 大きな声で
直訳
もっとも勇敢な行為とは、自分自身の観点から考えるということにあります。大声で。
補足
pour soi-même
「自分自身のために」とも訳せますが、この場合は、自分の利害を優先するのではなく、自分の観点から考えること、と解釈しました。
シャネルの物語 「昔昔あるところに・・・」
シャネルブランドが作った、ココ・シャネルのストーリーを紹介します。
タイトルは Il était une fois (英語はOnce upon a time)
これは「昔昔あるところに・・」という意味で、物語の一番最初の文句です。
Coco – Inside CHANEL 2分58秒
☆この動画のトランスクリプションはこちらで和訳しています⇒孤児、ガブリエル・シャネルはいかにしてココ・シャネルになったのか?(1)
さすが天下のシャネルが作っただけあって素敵な仕上がりですね。
☆ココ・シャネル(1883-1971)の生涯については、前回の記事に書いています⇒名言その1~ココ・シャネル~上品な服装が引き立たせるものとは?
☆シャネルの名言その3はこちら⇒名言その3~ココ・シャネル~かけがえのない人間になる方法とは?
☆トップの写真は1920年、27歳ごろのシャネル
File:Coco Chanel, 1920.jpg – Wikipedia, the free encyclopediaより拝借しました。
信念を持って、いつも自分の考えを持ち続け、そしてそれをみんなに言う。
なかなか難しいことです。人の目を気にしていたらできません。
でも何か新しいものをこの世に生み出すためには、必須のことかもしれないですね。「新しいもの」とは、これまでなかったものなのですから。
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