フランスの子ども新聞、1jour1actuから、今回のパリ同時多発テロに対して、オランド大統領がとった措置を伝えるニュースを紹介します。1月17日の記事です
オランド大統領は l’état d’urgence(非常事態)宣言をしました。国家緊急権の発動です。
Notre pays se défend 私たちの国は防戦します
Les attentats du vendredi 13 novembre ont été les plus meurtriers que la France ait jamais connus. Le président de la République a annoncé une série de mesures pour protéger les Français et lutter contre le terrorisme.
11月13日、金曜日のテロで、これまでフランスが体験したことのない多数の死者がでました。フランスの大統領は、フランスを守り、テロリズムと戦うために、一連の措置を発表しました。
パリで金曜の夜、少なくとも129人が殺されたテロのあと、フランスの指導者たちは対応に走り、フランスをテロから守ると同時に、この攻撃をしかけてきたダーシュを直接攻撃する措置をとりました。
金曜の夜、テロのあとすぐに、フランソワ・オランド大統領がテレビで表明しました。彼は、非常事態(l’état d’urgence)を宣言。これは大変重大な状況のもとでしか発動されません。大統領は13日のテロを「戦争行為« actes de guerre »」と呼びました。
以下が実施される活動の要約です。
L’état d’urgence 非常事態
フランスを守るために、オランド大統領は「非常事態」を宣言しました。この国ではとてもめずらしいことです。この体制をとると、ある一定期間、警察に、より権限が与えられ、人々の行動を制限することができます。
たとえば、イル・ドゥ・フランスでは、11月19日までは、デモに参加したり、グループ活動をすることが禁止されています。
さらにフランスの国境はよりいっそうきびしく検閲されます。そして、飛行場、駅、公共交通機関など人が大勢集まる場所も、よりきびしく監視されます。
Frapper Daech directement en Syrie シリアでダーシュを攻撃する
9月の終わりに、フランスはシリアに介入し、ダーシュのジハーディストのいる地域への爆撃を開始しました。
日曜の夜、ジハーディストたちの「首都」ラッカを初めて攻撃したあと、オランド大統領は、フランス軍の飛行機は、引き続きシリアのテロ組織に狙いを定めて攻撃すると発表しました。
フランスの戦闘力を強化するために、大統領は、諸外国とより強力な同盟を結びたいと希望しています。
シリアのラッカにはダーシュのテロリストがもっともたくさん集まっており、さらにジハーディストの訓練場もあります。
Continuer la lutte contre les terroristes en France フランスにおけるテロリストへの対策
フランス国内では、テロと戦うために、警察と憲兵などに新しい役職が作られました。警察当局の仕事を援助するために、1月のテロ以来、情報サービスが強化されています。ここでは毎日テロを起こしそうな個人の情報を集めています。
情報部のおかげで、2015年の1月から4月までに、およそ6回のテロを防ぐことができました。
元記事 → Notre pays se défend – 1jour1actu.com – L'actualité à hauteur d'enfants !
単語メモ
dirigeant 指導者
récapitulatif 要約
mise en œuvre 利用;実施
déjouer (相手の計画、行動などを)失敗させる、~の裏をかく
情報部が4ヶ月のあいだに6回のテロを未遂に終わらせたとさらっと書いてありますが、6回もあったというのが怖いですね。
テロの脅威はまだまだ続く
記事にあるように、フランス軍は15日にラッカを空爆。その後も続けています。ラッカは、イスラム国の拠点で、ISILはここを「首都」と宣言しています。
またロシアも空爆を強化しています。プーチン大統領はフランスと同盟関係を強くしたいと語りました。
イスラム国の幹部の家族は、ラッカから移動を始めているようです。
ラッカには、一般市民はまだふつうに住んでいます。ふつうと言っても、ISILの暴力的な支配のもと、殺される恐怖と、お金がない苦しい生活で、生きた心地は全くしていないと思いますが。
そこに来て、こんなに空爆が強化されていますが大丈夫なのでしょうか。
アメリカと有志連合によるシリアへの空爆はもう1年以上続いています。1日20回以上爆撃しているそうです。
ロシアはこの連合とは別枠で、空爆していなかったのですが、最近空爆を始め、このテロのあと、さらに強化しています。
パリでもたくさんの人が殺されましたが、シリアでも連日殺されているのです。
ニューヨークやパリではふつう人権が大事にされていて、通常あんなふうな非道な殺され方はしません。
だからテロが起きると大問題となります。しかし、中東では、大勢の人が、ちょっとした宗教の違いなどで大量に殺されているのです。
なんとかならないものでしょうか。暴力には暴力しか返ってこないと思います。
フランスでは、対テロ対策本部が強化されたおかげか、18日にサン・ドニにある今回のテロの首謀者のアジトを警察が強制捜索して2人が死亡、7人が身柄を拘束されました。
オランド大統領は、「l’état d’urgenceを3ヶ月延長したい」と考えているようです。記事にもあるように、この措置をとると、政府が市民の移動などを制限できます。もし延長されると、クリスマスやお正月がかかってしまいますね。
戦争状態でなはいにしろ、限りなく戦争に近いと思います。
こんなふうに空爆を続けていたら報復がありそうです。これ以上犠牲者が出ないことを願っています。
関連記事もどうぞ:
パリで同時多発テロ。120人を超える死者
今日のフランス語のレッスンでこの記事を教材として使わせていただきます。
ペンさんのブログは学ぶべきことがわかりやすく凝縮されていて凄いですね。
ペンさんがどんな方なのかいつも想像しています。
モコ
モコさん、こんにちは。
相変わらずがんばっていますね。
ブログがお役にたってよかったです。
私はごくふつうのペンギンです。
ペンさん、こんばんは。
私は、日本に居ながらもフランス人と話すこと、働く事は望めばできる事
と気が付きました。ただ、「機会を作ろうと動く事。」をするかどうか。
語学は自慢したり、先生に褒められたりするためにあるのではなくて
自分の世界をただただ広げて、鳥のように俯瞰するためにあるような気がします。
自分の為にコツコツやるだけですね。
今夜も、勉強を続けます!
モコ
モコさん、こんにちは。
今はスカイプがあるから、フランス人と
話すことはそんなに難しくないです。
>自分の世界をただただ広げて、鳥のように俯瞰するためにあるような気がします。
そうですね。語学ってなんか楽しいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
pen