フランシス・カブレル 彼女を死ぬほど愛している Je l’aime à mourir という曲をご紹介します。バレンタインデーの頃になるとよくラジオでかかるシンプルできれいな愛の歌です。邦題は『死ぬほど愛する』のようなので、記事のタイトルはそうしました。
でも、なんかあまりいい邦題だとは思いません。「愛している」のほうが、個人的にはしっくりきます。
フランシス・カブレル(1953生)はフランスを代表するシンガー・ソングライターです。
Je l’aime à mourir 彼女を死ぬほど愛している
1979年のカブレルです。
それでは、訳詞に挑戦!
☆Moi je n’étais rien
Mais voilà qu’aujourd’hui
Je suis le gardien
Du sommeil de ses nuits
Je l’aime à mourirVous pouvez détruire
Tout ce qu’il vous plaira
Elle n’aura qu’à ouvrir
L’espace de ses bras
Pour tout reconstruire (bis)
Je l’aime à mourir
僕は、以前は何者でもなかった
でも今は
彼女の夜の眠りを見守る役さ
彼女を死ぬほど愛している
世間は壊すことができる
壊したいものなら何でも
でも彼女が腕を広げてくれるだけで
すべて元通りになるんだ
すべて元通りになるんだ
彼女を死ぬほど愛している☆
彼女は数字を消したんだ
この街の時計のね
彼女は僕の人生を
折り紙の鳥にした
はじける笑いがあふれるものに
彼女は橋をかけた
僕たちと空のあいだに
僕たちはその橋を渡る
彼女が眠りたくない夜はいつも
彼女が眠りたくない夜はいつも
彼女を死ぬほど愛している
★彼女はずいぶん戦ったに違いない
今、こんなに強くいられるために
彼女はずいぶん戦ったに違いない
人生の、そして愛の戦いを★
彼女はせいいっぱい人生を生きている
オパール色の夢を
彼女は踊っている
自分で描いた森の中で
彼女を死ぬほど愛している
彼女はリボンをつけている
それを風にたなびかせて
よく僕に歌を歌ってくれる
僕がその歌を覚えようとするのは
覚えようとするのは
見当違いなんだ
彼女を死ぬほど愛している
屋根の下に隠れている
彼女の洞穴まで登って入るには
僕は、自分の木靴に
合図を打たなければならない
彼女を死ぬほど愛している
僕はただそこに座って
何も話さず
何も求めず
ただ彼女のものになるように
ただ彼女のものになるように
望むだけでいいんだ
★~★ 繰り返し
☆~☆ 繰り返し
歌詞はこちらを参照しました⇒Je l'aime à mourir
単語、表現メモ
plaira (plaire) 気に入る
comme il vous plaira お好きなように
gommer 消しゴムで消す
cocottes en papier 折り紙の鳥、または折り紙全般
フランスの子どもなら誰でも折れる鳥だそうです。
grotte 洞穴、洞窟
toit 屋根
Elle me chante souvent
Que j’ai tort d’essayer
De les retenir
直訳: 彼女はしばしば僕に歌を歌う、その歌を私が記憶にとどめようとするのは間違っている。
Pour monter dans sa grotte
Cachée sous les toits
直訳:彼女の洞穴に登って入るために、(その洞穴は)屋根の下に隠されている
この洞穴は屋根の下にあるので、monter(登る)して入ります。
clouer des notes
note は ノート、メモ、控え、伝票、通達文書といろいろ意味があります。ここは des notes と複数になっているので 音符 のような気がします。
音符をサボに鋲でとめるのですが、「洞穴に行きたい」という合図なんだろうと思って、訳ではどうとでもとれる「合図」にしておきました。もしかしたら、サボをコンコンとたたいて、合図するのかも?
歌詞つきの動画
一緒に歌い方はこちらをご利用ください。
この曲は1979年、カブレルのセカンド・アルバム Les Chemins de traverse に収録され、シングルカットされたもの。アルバムもこの曲も大変ヒットしました。
時代を感じさせるカバーです。
カブレルの曲はこちらでも紹介しています。
フランシス・カブレル Octobre (10月):歌と訳詞。美しすぎる秋の歌
フランス語の暦 土曜日はフランス語で?
Samedi soir sur la terre 訳詞はしておりません。
カブレルは詩人なので、歌詞を訳すのは難しいです。それでも、この曲はまだ簡単なほうでしょうか。
言葉はおうおうにして、韻を踏むためと、その言葉が与えるイメージによって選ばれていると思います。
「僕の人生を折り紙の鳥にした」と聞いて、フランス人が何をイメージするのか、またイメージしないのか、私には計り知ることができません。
子どもの頃のことを思い出すのかもしれませんね。
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