先週に続き、ARTEのKarambolageの動画、Le Paris du baron(男爵のパリ)のトランスクリプションを訳します。
今日のパリが、19世紀中頃に、オスマンの手によって大きく変貌したことがわかる動画です。
Le Paris du baron
後半は2分50秒以降から最後まで。
トランスクリプション
Pour permettre une meilleure circulation, Haussmann réalise de nouveaux axes : les Champs-Elysées les boulevards Saint-Germain, Saint-Michel, Magenta, l’avenue Foch ou encore la rue de Rivoli, le long desquels il fait courir des canalisations d’eau et un réseau d’égouts.
Chaque percée ouvre sur un monument.
D’ailleurs lors des inaugurations, on dissimule les perspectives derrière de grandes toiles que l’on soulève.
La vue s’ouvre alors sur une église, un opéra, une statue équestre ou encore sur une des gares de chemin de fer tout nouvellement créées, emblèmes de la modernité industrielle.
Et oui ! Car Haussmann homme de finance, pense aussi circulation des capitaux et les gares servent de portes d’entrée aux marchandises qui viendront ravitailler les nouveaux grands magasins du Bon Marché ou du Printemps, véritables vitrines commerciales de Paris.
On l’aura compris, un grand élan moderniste et hygiéniste conduit le projet de l’urbaniste.
Mais certains dénoncent des objectifs sécuritaires moins avouables.
En effet, après les soulèvements de 1830 et de 1848, Haussmann doit s’assurer contre l’éventualité d’une nouvelle guerre civile et rendre impossible la construction de barricades dans les rues de Paris.
Pour cela il élargit les rues et trace des lignes droites entre les quartiers ouvriers et les casernes de pompiers.
Pour réaliser ces grands travaux, Haussmann détruit, et pas qu’un peu.
Le Paris des 16e et 17e siècles est quasiment rayé de la carte, au grand dam des défenseurs du patrimoine.
Même la maison natale du baron disparaît.
ll subsiste aujourd’hui très peu de ce Paris d’avant, à l’image du Marais ou du faubourg Saint-Germain .
Pour gagner du temps, Haussmann profite d’une nouvelle loi qui permet l’expropriation pour utilité publique et hygiène, obligeant une partie de la classe ouvrière à quitter le centre-ville devenu trop cher pour la périphérie.
Tout cela bien sûr a un coût exorbitant. Haussmann n’hésite pas à endetter lourdement la ville, à coûts d’emprunts et d’opérations immobilières douteuses, ce qui lui vaudra de tomber en disgrâce en1870 juste avant la chute du Second Empire.
De nos jours, tous ces aspects problématiques sont tombés dans l’oubli.
Les travaux d’Haussmann suscitent majoritairement l’admiration et attirent les touristes du monde entier.
D’autant plus qu’Haussmann a fait des émules en Europe, notamment un certain James Hobrecht l’urbaniste prussien a aménagé et assainit Berlin à la fin du 19e siècle.
Mais contrairement à Paris, il ne subsiste pas grand chose de ces travaux dans la capitale allemande détruite et reconstruite sans cesse au fil du siècle dernier.
オスマンのパリ・和訳
交通の便をはかるため、オスマンは新しい道路を作りました:シャンゼリゼ通り、サンジェルマン大通り、サンミシェル大通り、マジェンタ大通り、フォッシュ通り、そしてリヴォリ通りです。これらの道路に沿って、水道管と下水道網を敷設しました。
それぞれ、記念建造物に向かって伸びています。
実際、開通式では、大きな布で景観を隠し、布を持ち上げると、教会やオペラハウス、騎馬像、あるいは新しく建設された鉄道駅が見えるようにしました。これらは産業の近代化を象徴するものです。
そうなんです! 金融の専門家でもあるオスマンは、資本の流通も考えて、駅は、ボン・マルシェやプランタンといった新しいデパートに商品を供給するための入り口の役割を果たし、これらのデパートはパリの商業の顔となりました。
近代化と衛生改善への大きな意欲が、都市開発者のプロジェクトを進めていたことが見て取れます。
しかし、あまり公言されていない治安上の目的を非難する人もいました。
実際、1830年と1848年の蜂起の後、オスマンは新たな内戦の可能性に備え、パリの街路にバリケードを築くことを不可能にする必要がありました。
そのために、彼は通りを広げ、労働者の住む場所と消防署の兵舎の間にまっすぐな道路を引きました。
これらの大規模な工事を実現するために、オスマンは多くのものを破壊しました。
16世紀と17世紀のパリはほぼ地図から消え去り、文化遺産の擁護者たちを大いに嘆かせました。
オスマンの生家さえも消えました。
マレ地区やサンジェルマン地区のように、かつてのパリの姿をとどめているものは今日ではごくわずかです。
時間を節約するために、オスマンは公共の利益と衛生のためなら収用できるという新しい法律を利用し、労働者階級の一部に、中心部から立ち退くことを強いました。中心部はとても高くなり、彼らは郊外へ移動するしかなかったのです。
もちろん、これらすべてに莫大な費用がかかりました。オスマンは、疑わしい不動産取引や借入を通じて市に多額の負債を負わせることをためらいませんでした。これが原因で、彼は第二帝政が倒れる直前の1870年に失脚しました。
現在では、これらの問題があった側面はすべて忘れ去られています。
オスマンの事業は主に賞賛を集め、世界中から観光客を引き寄せています。
そのため、オスマンはヨーロッパで真似する人を生み出しました。たとえば、プロイセンの都市計画者ジェームズ・ホブレヒトは19世紀末にベルリンを整備し、衛生状態を改善しました。
しかし、パリとは異なり、ドイツの首都では過去1世紀の間に何度も破壊と再建を繰り返したため、これらの事業の痕跡はほとんど残っていません。
単語メモ
dissimuler 隠す
ravitailler (食料、物資などを)補給する、供給する
élan はずみ、勢い
dénoncer 暴く、告発する
sécuritaire 安全性の
avouable 公言できる、恥じることのない
caserne 兵舎
pas qu’un peu たくさん
utilité 役に立つこと
expropriation 収用(取り上げて使うこと)
exorbitant 法外な、途方もない
endetter ~に借金させる
douteux, douteuse 疑わしい
susciter (感情、考えを)呼び起こす
d’autant plus qu ~であるだけいっそう
émule 競争者、亜流
assainir ~を清潔にする
subsister 存続する、残存する
オスマンのパリ:関連動画
オスマンの仕事を3分で解説している動画。
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オスマン、自分の生家まで壊すなんて、徹底してますね。
彼のプロジェクトには政治的・社会的背景もあり、権力者が、権力の維持や治安対策に都市計画を利用していました。
これは現在も行われていることですね。
権力者や開発業者が経済的利益を追求するせいで、これまで低所得者層が多く住んでいた地域に、富裕層が移り住み、地価があがって、従来の住民が住み続けられなくなるのはよくあることです(ジェントリフィケーション)。
動画でも言っていましたが、オスマンは近代的で美しいパリを築き上げた功績があるので、肯定的に捉えられています。
一方で、歴史的建造物を破壊し、社会的分断を促した負の側面があったことは、一般には、あまり話題になりません。
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