2011年のフランス映画、『最強のふたり』(Intouchables)の予告編のスクリプトを使ってフランス語を学習しています。
前回は下半身不随の富豪の白人男性フィリップと、仕事のない貧乏な黒人男性ドリスという、ふつうなら全く接点のない2人が出会ったところまででした。
最強のふたり、予告編
きょうは20秒から40秒ぐらいまで。
C’est un truc de ouf ça.
Non mais, vous avez pas fini d’ jouer, là ?
Non mais en fait, vous n’sentez rien du tout, là?
Et la jupe ? Elle est où là?
Non, ça c’est des bas de contention.Si j’les mets pas, je risque de m’évanouir.
Moi j’vais pas vous mettre des bas ! Même pour vous ! Vaut mieux vous évanouir.
Franchement à un moment donné, faut…. On dit : non, on ne les met pas, on reste là.Voilà. C’est bon comme ça?
Attends !
信じられない。
遊びは終わったかい?
え、でも、本当に何も感じてないの?
スカートは?スカートはどこ?
スカートはない。それはサポートするストッキングだ。それをはかないと私は気絶する。
ストッキングなんてはかせないよ。それがあなたのためだとしても、気絶したほうがましだよ。
はっきり言うけど、ストッキングはなし。このままだ。
ほら、これでいいかな。
ちょっと待って。
スクリプトはこちらを参考にしました⇒Bande-annonce: Intouchables
この映画の概要については初回の記事に書いています⇒『最強のふたり』(1): 出会うはずのない2人が出会った
この続きはこちら⇒『最強のふたり』(3): 逃げ出したいと思わないか?
単語メモ
C’est un truc de ouf 信じられない
bas 長靴下、ストッキング
contention 固定
s’évanouir 気を失う、気絶する
à un moment donné ある時、一時、いつかは
ここでは「ちょっと待ってよ」と間投詞のように使っていると思います。
Vaut mieux = Il vaut mieux ~するほうがよい
きょうのお話
フィリップの身の回りの世話をすることになったドリス。
フィリップは頸髄(けいずい。首の骨にある神経)を損傷していて、下半身の感覚がなく、動かすこともできません。
ふだんは足を固定しているストッキングを履いているようです。
用意されたストッキングを見たドリスが、「スカートはどこ?」と冗談を言っています。彼にとってストッキングは女性のはくものだからです。
ドリスは「こんなストッキングをはくべきじゃない」とフィリップに言います。
ドリスは人の介護をするのは初めてで、看護や介護の知識も皆無。プロの介護人なら絶対こんなことは言いません。
しかし、ドリスは率直なので、思ったとおりのことを言います。彼はフィリップを病人としてではなく、ふつうの人間として扱うのです。
フィリップはそこが気に入ったのですね。
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