L’étudiante et Monsieur Henri(女子学生とアンリ氏)というフランス映画の予告編を紹介します。
2015年に上映されたコメディドラマです。この映画は日本でも2018年に映画祭などで公開されていて、邦題は『ムッシュ・アンリと私の秘密』です。
監督は、イヴァン・カルヴェラック(Ivan Calbérac)という人で、自身が書いた舞台劇を映画化したものです。
ムッシュ・アンリと私の秘密
1分37秒。
音楽がなかなかいいですね。音楽を担当しているのは、Laurent Akninです。
トランスクリプト
Bonjour, je suis Constance.
Vous êtes de la police ?
Vous avez pas mis une annonce sur Internet ? Pour une chambre à louer ?
Votre dossier est retenu.
Oh, merci de m’avoir choisie. C’est la première fois de ma vie que le destin me donne un petit coup de pouce !
Le destin c’est une tartine de merde.
C’est pas mes chaussons que vous avez aux pieds ? Vous gênez pas surtout !
J’ai pas le droit d’avoir un petit ami ?
Non, personne ! Faut des règles pour vivre en communauté.
Mais on serait que deux…
Ça me semble déjà énorme.
Bonjour !
Ah, vous êtes le fils d’Henri.
Vous pouvez m’appeler Paul.
Elle t’a dit qu’elle était à l’essai ? Je sais pas si je vais la garder.
Il m’a dit la même chose toute mon enfance.
Mon fils est un abruti.
Il m’a ouvert l’appétit ce curé aujourd’hui. La petite hostie1 ça m’a fait comme un gâteau apéritif.
Il vit avec une idiote !
Paul, le corps du Christ n’est pas un gâteau apéritif.
Elle se perd dans un Franprix!
Non, vous pouvez pas me demander d’essayer de briser un couple.
Si vous acceptez, je vous fais trois mois gratuits. Donnant-donnant.
Vous me troublez. C’est pas possible ça. J’suis beaucoup trop vieux pour vous. J’vous plais pas ? Non, si, beaucoup.
J’vous ai pas dit de jamais toucher à ce piano ?
Ben, t’adorais entendre maman jouer !
T’a intérêt à éviter ce genre de discours rabat-joie, papa.
Sinon quoi ?
T’entendras plus jamais parler de nous et tu crèveras seul comme un chien.
Petit, il était mignon mais ça s’est beaucoup dégradé.
Tu étais en discothèque ?!
Ah, heu, ça se dit plus “discothèque”. Maintenant on dit “en boîte”.
Tu dis n’importe quoi. Tu me dégoûtes !
J’me prends que des taules. J’rate tout.
Vous allez pas attendre d’avoir mon âge pour faire ce qui vous plaît. On n’a qu’une vie, Constance.
トランスクリプトはこちらを参考にしました⇒« L’étudiante et Monsieur Henri » de Ivan Calbérac | Fransk Sprog
和訳
こんにちは。コンスタンスです。
おたく、警察ですか?
インターネットに広告出されましたよね、貸し部屋の?
あなたに貸すことにしました(←あなたの書類は受理されています)。
まあ、私を選んでくださってありがとう。運命が味方してくれたのは初めてです。
運命なんて、くさったパン切れですよ。
あんたが足に履いているのは、私の上履きじゃないかね? きゅうくつに思わんでくれ。
ボーイフレンドを持つこともできないの?
だめだ。共同生活のルールを守らなければ。
でも、私たち2人だけだし…。
それで充分大人数だ。
こんにちは。
あら、アンリの息子さんですね。
ポールと呼んでください。
彼女は試用期間中だとおまえに話したか? ここに置くかどうかはわからん。
子供のとき、私も父に同じことを言われました。
息子は馬鹿でね。
きょうは、司祭のおかげでおなかがすいたな。ホスチア(聖体のパン)がオードブルのパンみたいで。
息子はバカ女と暮らしているんだ。
ポール、主の身体(=ホスチア)はオードブルじゃないわよ。
あの女はコンビニの中で迷子になるんだ。
私にカップルの仲をこわせなんて頼むことはできないわよ。
もしやってくれたら、3ヶ月家賃をただにする。ギブ・アンド・テイクだ。
あなたは、私の心を悩ませるわ。
ありえないよ。僕はきみよりずっと年上なんだよ。
私が嫌い?
いや、好きだよ、とても。
そのピアノには誰もさわらないと言わなかったかな?
でも、パパはママの演奏を聞くのが好きだったよね?
水をさすようなことは話さないほうがいいと思うよ、パパ。
やめなかったら、なんだっていうんだ?
僕たちの消息は2度と聞かず、パパh犬のように一人ぼっちでくたばるんだ。
小さいときは息子はかわいかった。大きくなるにつれて、だめになってしまってね。
あなた、ディスコ(discothèque)にいたの?
えーと、もう誰もディスコなんて言わないよ。いまは、クラブ(boîte)だけど。
わけわかんないこと言わないで。うんざりだわ。
うまくいかないことばかり。私、失敗ばかりしてる。
自分のしたいことをするのに、私の年になるまで待つことはない。人生は1度きりなんだ、コンスタンス。
単語メモ
donner un coup de pouce à qn ~の後押しをする、を引き立てる
en communauté 共同で、共同生活をして
vivre en communauté 共同生活をする
abruti ばかな人、愚か者
curé 司祭、神父、聖職者
hostie (カトリック) ホスチア、聖体、ミサで拝領する聖体のパン(水と小麦粉だけで作られた丸いウエハースみたいなもの)。
Franprix パリにある食料品店のチェーン
donnant, donnant ギブ・アンド・テイクで、現金引換えで。
troubler (恋心・欲情などを)かき立てる
rabat-joie 他人の興をそぐ(人)(話)
entendre parler de ~の消息を聞く
se prendre une taule 失う、打ちのめされる、拒絶される (スラング)
taule は 口語で、(ホテルなどの)部屋、家;スラングで刑務所、むしょ。
映画のあらすじ
ムッシュ・アンリはパリのアパートで一人暮らしをしていましたが、年とともに健康が衰えてきました。
息子ポールは、父親に学生の間借り人を取ることをすすめます。
アンリが部屋を貸すことにしたのは、地方から出てきた文無しのコンスタンスという女子学生でした。コンスタンスは、父親に、「おまえは何もできない」といつも言われて育ったので、自己肯定感が低いです。
しかし、根は素直で純粋な性格。しかもとてもきれいですね。
アンリは、典型的な偏屈おやじで、口も悪いし、コンスタンスには(というか、誰にでも)全く親切にしません。
この2人は、似たもの同志なのか、うまがあいます。
アンリは、息子の妻が気に入らないので、コンスタンスに「息子を誘惑して、2人を別れさせろ、そうしたら3ヶ月家賃をただにしてやる」と持ちかけます。
お金のないコンスタンスは、この申し出にのることにしました。
予告編・日本語字幕
trailer と書いてるので、予告編だとは思いますが…。
2分45秒
オリジナルの予告編とずいぶん違いますね。というか、これ予告編としてちゃんと作ってるんでしょうか? 最初のシーンはタイトルバックをそのまま使っているようだし、おしまいは尻切れトンボだし。
しかも、これではアンリさんとコンスタンスの関係がさっぱりわかりません。
この映画、コメディなので、オリジナル版に字幕をつければよかったのでは? と思います。
アマゾンでレンタルできます。1500円と表示されていますが、高画質レンタルは500円、購入は2000円です(2019年8月6日現在)。
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この映画、私も見ましたが、フランス映画にしてはわかりやすい展開で、アンリのやさしさに心が温かくなります。
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