水

フレンチポップスの訳詞

歌と訳詞:3月の水~ジョルジュ・ムスタキ その2

ジョルジュ・ムスタキの「3月の水」の歌詞を訳しています。今回は2回めです。

前回は、ライブの映像を貼りましたが、きょうは音源がレコードのものをご紹介します。

3分46秒

こちらはストリングスが入っていますね。

歌詞は初回の記事を参照してください⇒3月の水~ジョルジュ・ムスタキ その1(歌と訳詞)

きょうは3つめのパッセージから5つ目まで訳します。

動画では40秒のあたりからです。

3月の水、訳詞

きょうの分の一番最初のパッセージを引用します。

C’est le souffle du vent au sommet des collines
C’est une vieille ruine, le vide, le néant
C’est la pie qui jacasse, c’est l’averse qui verse
Des torrents d’allégresse, ce sont les eaux de Mars

それは丘の頂上を吹く風
それは、古い廃墟、空白、虚無
それはガーガー鳴くカササギ、それは激しい通り雨
歓喜のほとばしり、それは3月の水

それは一歩ずつ、ゆっくり確かに進む足
それはつかまろうとする手、それは投げられた石
それは地面の穴、続く道
少しだけ残った根っこ、それは少しだけさみしい

それは宙を飛ぶ鳥、とまった鳥
水のまかれた庭、澄んだ水の泉
それは刺さったとげ、釘、あがっていく熱
それは損をしない計算、それは少々取るに足りないものだ

単語メモ

ruine  廃墟

néant  虚無;該当なし

profession néant  「職業なし」

pie  かささぎ、おしゃべりな人

jacasser  (カササギなどが)鳴く;ぺちゃくちゃしゃべる

averse  にわか雨

verser  v.i.横転する、ひっくり返る、(作物などが)風雨でなぎたおされる

torrent  急流、奔流

allégresse  大喜び、歓喜

chant d’allégresse  歓喜の歌

se tenir à  ~につかまる

se poser  鳥などがとまる

source  源泉、泉

écharde  (皮膚にささった)とげ

avoir une écharde dans le doigt  指にとげが刺さっている

clou  釘

à bon compte  安く、あまり損をせずに

acheter qc à bon compte  ~を安く買う

de rien (de tout)  取るにたりない、つまらない

カササギとは?

カササギを国語辞書で調べました。

カラス科の鳥。全長訳45センチ
おが長く、肩と腹が白く、ほかは緑色の光沢のある黒。雑食性

ユーラシア大陸と北アメリカ西部に分布
日本では佐賀平野を中心にした九州の北西部のみにいる。天然記念物

日本のカササギは秋の季語です。

歌にでてくるpieは、たぶんPie bavarde – Wikipédiaだと思うのですが、確信はありません。

ちゅんちゅんというかわいい鳴き声じゃなくて、がががが・・という感じだったので、ガーガーと訳しました。

être bavard comme une pie で、とてもおしゃべりな、という意味があります。特にゴシップなどをしゃべりだしたら止まらない感じをこういうようです。

pie・・・英語だと食べる「パイ」です。

Y’a une pie dans l’poirierという童謡の動画がありましたので、ご紹介します。

フランスではごく普通に見ることができる鳥なのでしょうね。

poirierはナシの木です。

なんか、見た目がこのあたりにいるマグパイに似ています。そういえば名前も似ています。マグパイは本当にうるさいし、雑食で畑の作物はもちろん、何でも食べます。だから人間には嫌がられています。

「3月の水」訳詞の続きはこちら⇒歌と訳詞:3月の水~ジョルジュ・ムスタキ その3

「3月の水」の歌詞ですが、水を雨の水から雪解け水としたこと以外は、もとのポルトガル語の詩をほぼ忠実にフランス語にしてあると思います。これこそle mystère profond「多いなる謎」の詩です。

廃墟や虚無、鳥の声、雨あたりはまだイメージできるのですが、刺や釘は不思議です。なんとなく痛い感じがしますね。

日本では3月は年度末ですから、春の訪れは同じでも、気分的なものはかなり違うのではないでしょうか。

このあと歌詞にはカエルが出てきます。

ムスタキの歌に出てくる3月の水は、雪解け水なのですが、わたしの住んでいるところは4月にならないと雪は完全にはとけません。

3月は日中、雪がとけ、夜、気温が氷点下になり、とけた水がまた氷ります。よって、朝起きると、路面がつるつるであぶない時期です。また、雪解けがどんどん進み、半分雪、半分ぬかるみ状態の見た目があまり美しくない時でもあります。

「3月の水」の訳詞、その3に続きます。






初めて買った辞書:Oxford Learner’s French Dictionary~入門日記第3回前のページ

ブログと著作権法について その1次のページペン、ブログを見る

ピックアップ記事

  1. 『星の王子さま』~お役立ちリンク集
  2. 2023年版、フランス語学習用カレンダーの紹介:テーマは「食」

関連記事

  1. 赤いバラ

    フレンチポップスの訳詞

    フランソワーズ・アルディ、Mon amie la rose(バラのほほえみ)の訳詩

    フランスの人気シンガー、フランソワーズ・アルディの代表曲の1つ、Mon…

  2. samedi

    暦、年中行事

    土曜日はサバトの日:フランス語の暦(16)

    フランス語をそんなに知らなくてもとっつきやすい初心者シリーズ、暦編。今…

  3. コルヴィザール通り

    フレンチポップスの訳詞

    霧のコルヴィザール~フランソワーズ・アルディ(歌と訳詩)

    フランソワーズ・アルディがご主人のジャック・デュトロンとデュエットして…

  4. 電車

    フレンチポップスの訳詞

    Le train du soir (夕暮れの列車)ラファエルとポム:歌と訳詞

    ラファエル(Raphaël)がポム(Pomme)とデュエットしている、…

  5. 自然

    暦、年中行事

    ジャン・フェラ「季節」:歌と訳詞。季節の単語の復習をしよう

    フランス語の暦に関連する単語を学んでいます。先週までで四季…

  6. ハロウインの夜

    フランス語を読む練習

    フランス語で知るハロウインの由来。

    10月31日はハロウィンです。今回はハロウィンの由来が書かれている記事…

コメント

  1. penさん、こんにちは。 

    見る事ができました!!!

    ご紹介ありがとうございます! 

    読み込みには時間はかかるのですが、ゆっくり他の記事も見ていきたいと思います。

    素晴らしい記事ですね。勉強になります♪

      • フランス語愛好家
      • 2013年 5月 24日 7:56am

      アンジェリクさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
      重いページですみません。後々改善していけるところはしていきたいと思います。
      読んでいただければうれしいです。
      また、遊びにきてくださいね♪

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

更新情報をメールで配信中

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

お問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちらからどうぞ

封筒
⇒お問い合わせフォームへ


お気軽に^^

☆和文仏訳、仏文和訳の無償サービスは行っておりませんので、ご了承願います。

アーカイブ

PAGE TOP