フレンチポップスを聞きながらフランス語になじむシリーズ、今回は、Sidoine(シドワーヌ)という人の2013年のヒット曲、On ne vit qu’une fois (人は1度しか生きない)という曲を紹介します。
On ne vit qu’une fois
3分27秒
ひじょうにわかりやすい、ストレートなポップソングです。歌詞もシンプルでそこまで難しくありません。
フレンチポップスというより、アメリカとかイギリスの歌みたいです。
では、和訳に挑戦!
いつも歌詞は、Geniusにあるものを埋め込んでいるのですが、たまにネット上にあるほかの歌詞と見解が違うことがあります。
Très peu de chance pour le contraire の、le contraire は、le comprenne としているところがあって、そちらのほうが意味が通じるから、今回はこちらを採用しています。
人生は1度だけ
2万通りの世界の見方
2万通りの世界を憎む理由
倒れたら、どうやって立ち上がる?
死ぬより生きるほうが怖い
愛の約束が何になる
無限を追い求めること
すべてはいつか終わるのだから
しかも、すべては時間とともに忘れ去られる
*1度しか生きられないのなら
なぜ、こういう山たちが僕らを妨げるんだろう
1度しか生きられないのなら、
僕を愛してるという言葉以外のすべてのことを、僕に言って
1度しか生きられないのなら*
2万通りの「君を愛してる」の言い方がある
2万通りのそう言わない理由がある
わかってもらえることはまずない
どうやったら自分をこわせるか?
2万回の後悔する機会
2万個の答えのない質問
なりたかったものに、僕らはなれるんだろうか?
あきらめたらどうするのだろう?
*~* 繰り返し
こんな質問全部が頭の中をかけめぐる
自分に問いかけているこういう質問全部が
すべてが止まったら人はどうするんだろう?
こうなる理由って何だろう?
*~* 繰り返し
単語メモと補足
vu que + ind. ~なので、であるから
時間が遅かったので、私たちは散歩をやめることにした。
Vu qu’il était tard, nous avons abandonné la promenade.
freiner ~にブレーキをかける、~を抑える
この車はブレーキがよくきかなくなった。
Cette voiture ne freine plus bien.
伝統の重みが女性の雇用を阻んでいる。
Le poids des traditions freine l’emploi féminin.
Très peu de chances qu’on le comprenne 接続法
Quelles sont les raisons à ces causes ? 直訳は、「こうした原因の理由はなんですか?」
cause は、「原因」ですが、原因の理由って変ですよね? そこで、cause は、「何かを起こすもととなるもの」と考えて、「こんなことが起きる原因は何?」⇒「こうなる理由は何?」と訳しました。
タイトルの、On ne vit qu’une fois は、ne … que (~しかない、~だけである)という表現が使われた文章です。ne … queは、一見否定なんですが、実際は、否定ではなくて、動詞で説明していることを強める表現です。
Sidoine 関連動画
Sidoineは、1987年生まれのベルギーのシンガーソングライター。
2012年の終わりに Sar Academy というオーディション番組で、準決勝まで残って、プロの歌手になりました。
あるレコード会社と契約してアルバムを録音しましたが、そのアルバムは発売されなかったそうです。
会社ともめたか、会社がつぶれたか理由はわかりませんが、ありがちなことです。
Sidoineは、いったんプロとしての音楽活動をやめ、ブリュッセルで自分探しをしながらキャビアを売っていました。
でも、2019年にThe Voiceというオーディション番組に出て、またプロの舞台に戻りました。
その後、メジャーデビューしているかどうかは不明です。検索したら、The Voiceでは、決勝で破れたようです。
しかし、この番組がきっかけで、恋人(The Voiceの出演者の世話をしていた人)ができたという記事がありました。
Sidoineの曲は、Spotifyにはないので(少なくとも、On ne vit qu’une fois はない)、大手の会社からレコード(死語か)は発売してなさそうです。
でも、YouTubeには曲の動画があって、コメントを見ていると、けっこうファンがいるようです。
この曲のViewも、1000万回以上あります。
■ Star Academyに出演した当時のインタビュー。
インタビュアーの人、彼のことを「シドワーヌ」と呼んでますよね?
シドワンと書くか、シドワーヌと書くか迷いましたが、私はAntoineもアントワーヌと書くので、シドワーヌとしました。
■ On ne vit qu’une fois スタジオライブ
Sidoineは、自分ではギターを弾かないみたいですね。
ハンサムでスター性がある方なので、最初のデビューでこけなければ、今ごろ、もっと有名になっていたかもしれません。
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1度しか生きられないからこそ、愛していると言ってほしいし、言いたいと思いますが、この歌の主は、逆なんですね。
どうせ終わりがあるんだから、愛してるなんて言っても意味ない、という考え方のようです。
でも、永遠に愛し続けるのはしんどいですよね。まあ、そんなことはできないので、心配しなくてもいいのですが。
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