今週の虎と小鳥の舞台はヴァンセーヌの森植物園でした。
パリの東、12区にヴァンセーヌの城というのがあるのですが、そのまわりが森です。
その立地を利用してパルク・フロラル(Parc Floral)という公園であり植物園があります。
音楽祭を楽しみ植物園を散策
このエピソードの撮影は6月21日の金曜日。パリで音楽祭( Fête de la Musique)があった日ですね。
この音楽祭は毎年行われていて、今年のテーマは「声」、ボーカルでした。ちなみに、去年の今頃、やはり音楽祭が舞台の「虎と小鳥」がありましたね。
カミーユさんは、この音楽祭にあわせて行われていたコンサートを楽しみ、そのあと、植物園をぶらぶらしていました。
今回のみどころ
・お城
・コンサート
・植物園
・すぐに使える会話
では、いつものように3つのキーフレーズをご紹介します。すべてカミーユさんがしゃべっています。
3つのキーフレーズ
キーフレーズその1
屋外コンサートが終わったあとで
それでは、今から、ちょっと散歩をしましょう。
Donc là on va faire un p’tit tour.
キーフレーズその2
これはボタンの花だと思います。
J’crois que c’est des pivoines.
キーフレーズその3
知らなかったわ。
J’savais pas.
こんなふうにいろんなミントがあることを知らなかったのです。
キーフレーズをわかりやすく解説
6月のエピソードに比べて、構文、単語ともやさしめですね。きょうは三つのポイントをとりあげました。
1.「そのへん、ぶらっとしてきます」はフランス語でどう言う?
faire un petit tour そのへんをちょっとぶらっと見てくる
この表現は、パリのポップ・アップ販売「虎と小鳥のフランス日記」第102話 にも出て来ましたね。
そのときはカミーユさんが「ちょっとそのへんを見てきます」という意味で、
J’vais me balader alors.
と言ってました。それに対して、店の人が
Faites un petit tour, allez voir.
どうぞ見てきてください。
と返していたのでした。覚えておくと便利そうですね。
2.「知らなかった」ってどう言えば?
J’savais pas.
これは会話で使うカジュアルな言い方。(ナチュラルとも言える)
教科書に書いてある形になおすと
Je ne savais pas.
会話では、高い確率でneが省略されてますね。
savais はsavoir の半過去です。知らなかったのは過去の話で、今はもう知ってるわけです。このあたりの時制の使い分け、フランス語はすごく厳密ですね。
3.p’titとか、辞書にのってないんですけど?
ずっと前、ある受講生さんにp’titという単語は何だろうかと聞かれたことがあります。
これは petit のeが脱落して発音されたときの表記です。
つまりpetit を早くしゃべっているため、母音eの音が落ちて発話されているのです。
日本語でもありますね。「その仕事、私がやっておきます。」を早く言うと「その仕事、私がやっときます。」
になり、「てお」⇒「と」に変化してます。
そのような、早くしゃべったpetitを聞こえた音どおりに表記したときに p’tit となります。
‘(アポストロフ)は「ここにeが省略されています」という意味の記号です。
j’crois も同じで、Je crois を早く発音しているためJeのeの音が落ちています。
これは、いつも必ずしなければならないエリジオンとは違います。
きょうの豆知識:ヴァンセーヌの城
このお城には千年の歴史があります。
11世紀初頭はただの野っ原の中にある家屋だったのですが、12世紀にルイ7世が狩りをするとき滞在する家として整えられました。
13世紀にサン・ルイ礼拝堂ができて、14世紀の前半フィリップ6世が塔(donjon)の土台部分を建設。
以来、礼拝堂、塔、居住用の建物、お堀などいろんな建築物が作られ、改修され今に至ります
中世は、王様一族が住んでいたのですが、ヴェルサイユ宮殿はじめ、ほかのお城ができると、みんな新しいのに引越します。
主塔は次第に、刑務所の用途に。有名なサド侯爵もここに投獄されました。
ナポレオンの頃は、軍事用施設。1944年にはナチスの爆撃を受け、一部崩壊。
こちらはこの城の建築物がどんなふうに建っていったのかCGで見せている動画です。
vincennes 1000 ans d’histoire
3分34秒
こんなのを喜んで見る人はいないでしょうか^^;
お城について、もっとくわしく知りたいならこちらへどうぞ⇒Château de Vincennes – Centre des monuments nationaux
さて、解説の動画で先生の言われた一言・・・「きょう、7月6日になって、ようやくパリにも夏が来ました。」
・・・・・!
びっくりしましたよ。
パリの夏の訪れの遅さにではなく、先生が配信当日に解説動画を作っているというその事実に。
「虎と小鳥のフランス日記」、いつも日本時間の土曜の夜に配信されます。当日に解説ビデオが完成しているのですね。うすうす気づいてはいたのですが、今回確信しました。
パリは日本より7時間ほど遅いのですが、それでもできたてほやほやです。
マラソンランナーでもある先生は、解説動画を作る朝、その週のエピソードの舞台を走りながらチェックしているのですが、さすがに今回はヴァンセーヌまでは行かなかったようです。
20キロ走る練習をするときは行かれるとか。
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