6月29日は「星の王子さま」を書いたフランスの作家、Antoine de Saint-Exupéry(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)の誕生日です。
今回は、2011年に子ども新聞に掲載されたサン=テグジュペリの生涯について書かれたごく短い記事を紹介します。
サン=テグジュペリは1900年生まれなので、覚えやすいです。亡くなったのは1944年7月31日で、これは彼が地中海上を飛行中に連絡を絶った日です。
最近では、2010年に生誕110周年ということで、ちょっと話題になりました。
サン=テグジュペリって誰?
Qui es-tu, Saint-Exupéry ?
飛行士、小説家、ジャーナリスト:「星の王子さま」の生みの親は非凡な人生を送りました。アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリについてお話しします。
UN GRAND RÊVEUR 大いなる夢想家
アントワーヌは1900年6月29日、リヨンで生まれました。たった4歳のときに父親を亡くしました。母親が彼と、4人の兄弟姉妹を育てました。
お母さんは子どもたちに音楽、絵画などを手ほどきしましたが、トニオ(アントワーヌの愛称)は芸術にかかわることがとても得意でした。
彼は夢見がちでぼんやりしていたので、友達は彼のことを «Pique la Lune» と呼びました。
UN VOYAGEUR DE HAUT VOL 飛行士
飛行に魅せられていた彼は、12歳のときに初めて飛行機に乗り、21歳のときに飛行士の免許をとりました。
1926年、航空郵便会社に入り、フランス、アフリカ、南アメリカの郵便を運びました。
第二次世界大戦中は、偵察機の仕事をしました。
UN ÉCRIVAIN REPORTER 報道作家
1929年からは、自分の体験を l’Aviateur 「飛行士」、Currier Sud 「南方郵便機」 Vol de nuit 「夜間飛行」といった小説に書き始めました。
1930年代に、レポーターになり、ロシア、ドイツ、スペインなど世界の大半の地域に行きました。この仕事は1939年 Terre des hommes「人間の大地」という作品にまとめられました。
UNE MYSTÉRIEUSE DISPARITION 謎の失踪
アントワーヌは1944年7月31日、飛行中に行方不明になります。彼の飛行機は地中海で粉々になりました。彼はドイツの飛行士に攻撃されたのでしょうか?それとも飛行の運転を誤ったのでしょうか? 詳細は不明です。
彼のブレスレットと機体の残骸が55年以上たってからようやく発見されました。
元記事 → Saint-Exupéry expliqué aux enfants1jour1actu
単語/表現メモ
une vie hors du commun ふつうではない
rêveur 夢見がち
distrait ぼんやりした
baptême de l’air 初飛行
brevet 免許
décrire 描写する
s’écraser 砕ける、粉々になる
gourmette ブレスレット
・Pique la Lune は「月をピクニックする人」かなと思いますが、よくわかりません。
être dans la lune 直訳:月のなかにいる、は「ぼうっとしている、うわの空である」という意味です。
・baptême de l’air 初めての飛行機旅行
baptême は 洗礼 ですが、「最初の体験」という意味もあります。
サン=テグジュペリの死
サン=テグジュペリは1944年7月31日、占領されていたフランスを偵察するために、コルシカから飛行機で出発。しかし、2度と帰ってきませんでした。
突然消えてしまったので大きなニュースになりましたが、50年以上たった1998年に彼の名前入のブレスレットが地中海で発見されました。
ファイル:Gourmette de Saint Exupery.jpg – Wikipediaより
その2年後の2000年にスキューバーダイビングをしていた人が、マルセイユのそばの地中海で飛行機の残骸を見つけ、サン=テグジュペリの乗っていたものだと確認されました。
状況証拠から、彼は飛行中に撃ち殺されたと思われます。
2008年に、フランスのプロバンスのローカル紙に、ドイツのパイロットが、サン=テグジュペリの乗っていた偵察機を撃ち落としたと証言しました。
サン=テグジュペリについてあなたの知らない5つのこと
子ども新聞の記事はすごくざっくり書いているので、奥さんともめていたことや、大戦当時、アメリカに亡命していたことなどは書いてありません。
もっと彼について知りたい方は、このTEDの動画が参考になると思います。
本日は時間がないので^^;、要約できませんが、来年の彼の誕生日あたりに、また要約を試みたいと思います。
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●「リトルプリンス 星の王子さまと私」予告編のフランス語・前編
「星の王子さま」の日はビートルズ記念日
日本の「今日は何の日」によると、6月29日は彼の誕生日にちなんで「星の王子さまの日」です。
6月29日は「ビートルズ記念日」でもあります。1966年のこの日、ビートルズが来日しました。
JALのはっぴを着て、飛行機のタラップの上でポーズをとっている4人の写真を見たことがある方も多いでしょう。
昭和41年ですね。ビートルズは日本武道館で公演。前座はドリフターズでした。
大学の文学史の授業で、彼は、飛行機乗りになる前、トラックのセールスマンをしていて、口下手で1年に1台くらいしか売れなかったと、聞いたような気がします・・・なんとなく、イイお話じゃないかしら?ガンガン売ってたら、ヤダナと、思う・・・
アンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
へ~、トラックのセールスしてたんですか。
それでも一年に一台、売れたんですね。
まあ、あんまり営業が得意な小説家っていない気がします。
特に、サン=テグジュペリは、基本的に内気で、正直。
世渡りがヘタだったようなので、セールスマンはむいてなかったでしょうね。
飛行機に乗るのが好きだったのも、一人になれる場所だというのもあると思います。