ロンドン

フレンチポップスの訳詞

パトリック・ブリュエルのShe’s Gone(彼女は行ってしまった)の訳詞。

フランスでは人気俳優であり、国民的な歌手でありながら、日本ではあまり話題にならないパトリック・ブリュエル(Patrick Bruel)の2012年の曲She’s Gone を紹介します。

タイトルは英語で、歌詞の中にも少しだけ英語が出てきますが、ほとんどフランス語です。

18年前にロンドンでローリング・ストーンズのコンサートを見ていたとき、ある女性に出会い恋をした。だけど、彼女はすぐに消えてしまった。

ところが、18年後、サウスケンジントンで奇跡の再会。このときは、多少の交渉があったものの、また別れることになった。なぜなら、彼女にはすでに別の人がいたから。

という歌です。



She’s Gone : パトリック・ブリュエル

歌詞つきの動画を紹介します。ところどころ間違っています。コメント欄で指摘されているのですが、なぜか動画をアップした人は、間違いを訂正していません。

英語部分に間違いが多いのでフランス語ネイティブなんだろうと思いますが、複合過去でも間違いがあります。On a marché を On as marcher としています。フランス語ネイティブならこんなふうに書かないと思うのですが。

ただのタイプミスでしょうか。

それでは聞いてください。

なんとなくガロの「学生街の喫茶店」みたいな曲です。

曲の良し悪しはともかく、フランス語的には単語も時制やさしく、発音もはっきりしているので、勉強用に向いていると思います。

曲の3分の2は回想ですべて現在形ですが、日本語は過去のことは過去形を使うので、過去形で訳しています。

彼女は行ってしまった

ストーンズのコンサート
ようやく17歳になったばかり
会場はブライトン
ワイルドなステージ

君の瞳がぼくに微笑みかけた
人混みをかきわけて進んで行った
「アンジー」の最中に
彼女は僕の手を取った

僕らは長い間見つめ合った
人混みの中、目の前を遠く
彼女は去ってしまった
風の中へ

彼女は行ってしまった、彼女は行ってしまった
僕を驚かせた人のことについて何も知らなかった
ただ微笑みと、T-シャツだけ
T-シャツには、Come on, Come on
という文字があった

彼女は行ってしまった、彼女は行ってしまった
そこら中、探し回ったけど
誰もいない
ただ口づけだけ。秋になるたびに思い出す口づけ

サウスケンジントン、18年後
僕たちの視線が交差した
彼女の乗ったバスは走り出した
僕は気が狂ったように走った
心臓が爆発しそうだった
彼女は1人じゃなかった
何か話していた
僕を見た、長い間
バスは遠ざかった。目の前を遠くに
いったいいつまで?

彼女は行ってしまった、彼女は行ってしまった
ロンドンで一人ぼっちに感じる
それでも、僕は彼女の唇が
Come on, Come on と言ったのを見たんだ
彼女は行ってしまった、彼女は行ってしまった
本当に長いあいだ、びっくりするほど

突然背後に声を聞くまで
僕は震えた
Come on

僕たちは歩いた、長い間
僕たちは愛し合った、それでも…

秋のこの朝、別れなければならなかった
彼女は行ってしまった

たった1人でマディソンへ向かった
僕は去っていく、僕は去っていく

彼女は行ってしまった

2012年8月4日、オリンピックスタジアムの
横断幕に書いてあった
Come on と。

歌詞はこちらを参照しました⇒Paroles She’s Gone – Patrick Bruel (traduction et lyrics)

She’s gone はLequel de nousというアルバムに入っています。

単語メモ

à peine  かろうじて

se frayer un chemin à travers la foule  雑踏をかきわけるようにして進む

dingue  頭のいかれた人

banderole  横断幕、吹き流し

文法的に難しいところはありません。先に書いたようにほとんど現在形です。

複合過去は

On a marché
On s’est aimés

この2つ。

s’aimer は代名動詞なので、助動詞は être です。詳しくはこちら⇒「まいにちフランス語」31:L53 複合過去その2

次の Il fallait se quitter ce matin d’automne は半過去です。

She’s Gone ショートフィルムバージョン

この曲にはパトリックがロンドンで、彼女を探し回るコメディタッチのPVがあります。

英語バージョンもあります。

英語バージョンの歌詞には、18年前のストーンズのコンサートの話などはまったくありません。

単に、恋人が去ってしまって、脱力状態、寝ることも起きることもできない、1人でロンドンの街をふらふら、ご飯がまずい。友達と出かけても、行く先ざきで彼女の顔を探してしまう、いったい何がよくなかったのだろうか、うじうじ考えるだけ、といった内容です。



パトリック・ブリュエルについて

パトリック・ブリュエルは1959年アルジェリア生まれ。1979年に映画に出演し、俳優業をするかたわら、1982年には歌手としてもデビュー。歌でも成功し、国民的な歌手になりました。またプロのポーカーのプレーヤーでもあるそうです。

俳優としては、シリアスな役からコメディまで、どんな役柄でも演じられる人です。英語も話せるのでハリウッドの映画に出ることもあります。

日本にも3回ぐらい来ているようですが、アルバムは発売されていないし、本格的なコンサートはやっていません。ELLE ONLINEに、彼が2009年に日本に来た時、インタビューした動画がありました⇒【ELLE】パトリック・ブリュエル|エル・オンライン

どこか、クラブみたいなところ(?)で歌っているのですが、日本語で話したり、日本語の歌まで歌っておりました。ひじょうにサービス精神旺盛の人みたいです。

彼の曲は、親しみやすいポップなものが多いので、日本でまともにプロモーションすれば売れると思うのですが。

ローリング・ストーンズはまだ現役ですね。去年もツアーしていました。

ミック・ジャガーやキース・リチャーズは73歳。チャーリー・ワッツは75歳です。チャーリー・ワッツは病気を患いましたが復活しました。正直、キース・リチャーズがこんなに長生きするとは思っておりませんでした。

いつまでもお元気でも活躍してもらいたい、と願っています。






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