金曜日の朝、アメリカのワシントン州の高校で起きた発砲事件のニュースをご紹介します。
タイトルは
Deux morts dans une fusillade dans un lycée américain
アメリカの高校の発砲、2人死亡
fusillade は「一斉射撃、銃撃」という意味です。ですが、「銃撃」とすると、機関銃でダダダッと打ったり、警察と犯人が打ち合いするようなイメージが、個人的にするので「発砲」としました。
アメリカの高校の発砲事件
ニュースはこちらです。
それではスクリプトと和訳を書きます。
Deux morts dans une fusillade dans un lycée américain アメリカの高校の発砲、2人死亡
Nouvelle fusillade dans une école des Etats-Unis.
Vendredi matin, un élève a ouvert le feu dans un lycée de Marysville à une cinquantaine de kilomètres au Nord de Seattle, faisant un mort et quatre blessés.
Il aurait ensuite retourné l’arme contre lui. Il a succombé à ses blessures peu de temps après.
アメリカの高校で新たな発砲事件。
金曜の朝、シアトルから50キロほど北にあるマリーズヴィルの高校で、1人の生徒が銃を発砲し、1人が死亡、4人が怪我をしました。
犯人は、その後、自分自身に銃をむけ、まもなく死亡しました。
La fusillade s’est déroulée dans la cafétéria de l‘établissement. Le lycée a ensuite été évacué.
発砲は学校のカフェテリアで起き、すぐに生徒は避難しました。
«Nous avons inspecté le lycée au peigne fin avec notre équipe des forces de l’ordre» affirme le chef de la police locale. «Nous y retournons maintenant pour une deuxième vérification, plus approfondie.»
「当局のチームで、学校内を徹底的に調べました」、地元の警察の署長は言います。「現在、念のため二度目のチェックに構内に戻っています。」
Les élèves ont évacué les locaux, alors que les forces de sécurité quadrillaient les lieux.
Les lycéens ont été acheminés vers une église toute proche avant d‘être raccompagnés chez eux par bus.
警察が現場を調べている間に、生徒たちは避難しました。すぐ近くの教会に向かい、その後バスで帰宅しました。
D’après les témoignages des élèves, l’adolescent n’aurait pas tiré au hasard, mais il aurait visé certains de ses amis.
目撃者の証言によれば、犯人はランダムに発砲したのではなく、ある特定の友人たちを狙いました。
Le tireur était en première année du lycée, et il était semble-t-il apprécié des autres élèves.
Il avait 14 ans, et était décrit comme normal par ses camarades.
犯人はこの高校の1年で、ほかの生徒に人気があったようです。彼は14歳で、友だちによれば、ごく普通の生徒でした。
※元記事は削除されたのでリンクをはずしました。
単語メモ
ouvrir le feu 攻撃を開始する
cinquantaine 約50
succomber 死ぬ
se dérouler 繰り広げられる
au peigne fin 綿密に
peigne fin はとても目の細かい櫛
approfondir より深くする
local 場所
quadriller 碁盤の目(網の目)作戦をとる
現場を碁盤の目に割って、一つ一つ徹底的に調べること
acheminer 送る、運ぶ、向かわせる
raccompagner 送って行く、見送る
viser 狙う
semble-t-il ~と思われる
いろいろな過去時制について
時制の微妙な違いを訳出していませんが、同じ過去のことでも、複合過去、半過去、条件法過去が使われています。
1.起きたことは、複合過去、最後の犯人のプロフィール紹介のところは半過去。
2.半過去と複合過去の組み合わせ
~していた時(半過去)、~した(複合過去)
Les élèves ont évacué les locaux, alors que les forces de sécurité quadrillaient les lieux
セキュリティーチームが現場を調べていたとき、生徒はその場を避難させられた。
3.過去に起きたことに関して、推測、伝聞を示す条件法過去。
Il aurait ensuite retourné l’arme contre lui.
自分自身に銃を向けた模様です。
aurait retourné : 条件法過去
ほかに
l’adolescent n’aurait pas tiré
il aurait visé
その後の報道によると、犯人の少年が使ったのは父親のハンドガンとのこと。また、被害者2人とこの少年はいとこ同士にあたり、家もすぐそばなのだとか。
親しい者同士のもめごとは全くの他人同士のそれより、私怨が深くなりがち。
でも、あまり銃で解決しようとは思わないですよね。日本なら、そこらに銃がころがっているわけではないですから。
アメリカの学校でこうした発砲事件が多いのは、子どもたちが、比較的簡単に銃にアクセスできるからです。
共和党、民主党とも、議員の半数以上が、武器製造会社関係から、資金援助を受けているそうです。
銃の規制に反対している圧力団体で一番強力なのは、全米ライフル協会。
この協会は、合衆国憲法修正条項第2条にある「武器を所持して携帯する権利」を根拠に、銃規制に反対。
ここの人たちは、「銃の所持に制限をもうけるより、学校関係者に銃の携帯を認めよ」、と主張しています。
先生たちに「銃を持て」と言ってるわけです。恐ろしすぎます。
それでは次回のニュースの記事でお会いしましょう。
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