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時事ニュース

シリアのドゥーマで何が起こったのか?

シリア政府化学兵器を使ったとして、2018年4月13日金曜日に、アメリカ、イギリス、フランスが共同でシリアにミサイル攻撃をしました。

今回は、その前の段階の、政府軍が化学兵器を使ったらしい、というニュースを伝える子供新聞記事を紹介します。

1jour1actuに4月13日にアップされた記事です。

シリアのドゥーマで何が起こったのか?

4月7日の土曜日に、シリアのドゥーマという街で、バッシャール・アル=アサド政権による、化学兵器の攻撃が行われた模様です。

この攻撃により、約40人が亡くなり、その中には子供もいました。1jour1actuは、化学兵器のことをお話します。

化学兵器はほかの兵器とは違います。目に見えないからです。

塩素やサリンなどとても体に悪いガスを使います。小さな人間なら、ほんの少しの量で、これを吸ったり、さわったりしたら、1時間もたたないうちに死んでしまいます。

だから、この兵器は「化学兵器」と呼ばれます。

土曜日に、ドゥーマで何が起きたか?

土曜日、シリアの南部、ドゥーマで、塩素とサリンガスにより、40人ほどの人が殺されたと見られます。

シリアの反政府軍は、バッシャール・アル=アサド大統領の独裁にたいして、戦っていますが、彼らがこの週末、大人や子供がたんかに横たわり、酸素マスクをあてがわれたり、水をスプレーされている様子をビデオで公開しました。

動画に映っている人々は、化学兵器の攻撃の犠牲者であるというしるしです。

フランスとアメリカは、このビデオに反応した最初の2つの国です。

両国は、アサド政府とロシアが、この化学兵器の攻撃の張本人だとしています。

なぜ、この攻撃は、大きな波紋を呼んだのか?

もし、シリア政権によるこの攻撃が、強い反応を引き起こしたとしたら、それは、世界中のほとんどの国で、1997年に化学兵器の使用が禁止されたからです。

というのも、この兵器は兵士と一般市民の区別なく攻撃してしまうからです。

ただ、シリアは、化学兵器使用禁止条約には署名していません。

この理由から、フランスとアメリカ合衆国は、この攻撃はシリア政権のしわざだと確信しているのです。

事実、アサド大統領が、シリア国民に化学兵器で攻撃したのはこれが初めてではありません。

すでに2017年の4月に、80人以上の人が、シリアによる化学兵器の攻撃で亡くなっています。

これから何が起こるのか?

化学兵器禁止機関(OPCW)は、化学兵器の攻撃が行われたと思われる日から3日後に、調査団をシリアに派遣すると発表しました。

ドゥーマにて、4月7日に起こったことを調査するためです。

もしビデオの中のできごとが本当だと調査団が明らかにしたら、フランスとアメリカは、軍事的報復をすると約束しました。

つまり、数日後に、フランスとアメリカによる空からの攻撃が起きる可能性があるのです。

元記事 → Que s’est-il passé à Douma, en Syrie ?

単語メモ

bombarder  砲撃する、爆撃する

quarantaine  およそ40

arme chimique  化学兵器

chlore   塩素

dictature  独裁

présumé  推定された

or   さて、ところで;ところが

être convaincu de qc/inf.  ~を確信している

L’Organisation pour l’interdiction des armes chimiques (OIAC)  化学兵器禁止機関。英語は、The Organization for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW)

riposte  反撃、言い返し

frappe  攻撃

文法プチメモ

aurait, seraient, pourraient は条件法で、推測を表す用法です。ニュースによく出てきます。

la ville aurait été bombardée … その街は攻撃されたもようだ。 条件法過去形の受け身。

関連ニュース

7日に化学兵器の攻撃があったと伝えるTV5Mondeのニュースです。1分30秒。

France24のニュース。1分49秒。

去年もそうでしたが、アサド大統領もロシアも、化学兵器を使ったなんていうのは、西側やメディアのでっちあげだ、と主張しています。

ですが、誰かがガスをまいているのは確かだし、それによって子供たちが犠牲になっているのも事実です。

2011年に始まったシリアの内戦。なかなか終わりません。その裏にはアメリカとロシアの対立があるわけで、今回、アメリカがミサイル攻撃したから、ますます対立が深まりそうです。

いま、大規模な戦争が起きたら、とんでもなく悲惨なことが起きるでしょう。

なんとか、アメリカとロシアが仲良くできるシステムになるといいのですが。前の2つの大戦で大きな被害が出たことはみんな知っているはずですが、さまざまな利権がからむと、そういう記憶は風化してしまうのかもしれません。






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コメント

  • コメント (4)

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    • kafuruta
    • 2018年 4月 17日 7:32am

    いつもとても楽しみに拝読しています。
    日本発かと思いましたが情報量が豊富と思っていたところカナダ在住の方と知り納得しました。私はパリ在住です。こちらを訪れたきっかけはシャンソンです。選曲が素晴らしい、というか趣味が合います。また時事ニュースもタイムリーに知りたいことを取り上げておられます。ファンです。次号を首を長くして待っております。

      • フランス語愛好家
      • 2018年 4月 18日 7:29am

      kafuruta さん

      こんにちは。penです。
      コメントありがとうございます。

      ブログを楽しみにしている方がいると知り、
      とてもうれしく思います。

      私はカナダに住んでいますが、英語圏なので
      日常生活ではフランス語は全然使っていません。

      がんばって更新しますので、
      これからもよろしくお願いいたします。

      pen

  1. こんにちは。お久しぶりです。
    仏語圏アフリカ→フランス→日本・・とうろうろしている和さん。
    シリアは私も行ったことがあり、本当に美しい国。
    こんな事態が続くなんてとても悔しいです。

    トゥルーズにもシリア難民支援団体があるんですよ。
    共有、ありがとうございます。
    また楽しみにしています。

      • フランス語愛好家
      • 2018年 4月 20日 7:48am

      和さん

      こんにちは。いつもコメント、ありがとうございます。

      シリアに行かれたことがあるのですね。
      確かに写真を見るととても美しいです。

      ほんとに、早く平和になってほしいですね。

      これからもよろしくお願いします。

      pen

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