枯れ葉

フレンチポップスの訳詞

Un automne à Paris (あるパリの秋): ルアンヌ、歌と訳詞

2015年の1月から11月まで、パリで起きたテロ事件で亡くなった人を追悼する鎮魂歌、Un automne à Paris という歌を紹介します。

歌っているのは、Louane(ルアンヌ、実際の発音はルアンと書いたほうが近い)、この曲を作曲したIbrahim Maalouf(イブラヒム・マーロフ)がトランペットを演奏しています。

作詞は、イブラヒムさんのおじさんで、有名な作家ののAmin Maalouf(アミン・マーロフ)。

マーロフ一族ははレバノン出身で、内戦中にフランスに移住しました。



あるパリの秋

ライブです。6分

この歌、ルアンヌの声や歌い方にあっています。

歌詞

À l’amie qui est tombée,
Une chanson sur les lèvres,
Ensemble nous chanterons,
Main dans la main.

Pour tous ceux qui sont tombés,
Pour tous ceux qui ont pleuré,
Ensemble nous resterons,
Main dans la main.

Pour Paris, ses quais, sa brume,
La plage sous ses pavés,
La brise qui fait danser,
Ses feuilles mortes.

Paris, ses flâneurs, ses ombres,
Ses amoureux qui roucoulent,
Ses bancs publics, ses platanes,
Ses feuilles mortes.

Paris qui s’éveille à l’aube,
Deux cafés noirs en terrasse,
Un jardinier qui moissonne
Ses feuilles mortes.

À l’amie qui est tombée,
Une chanson sur les lèvres,
Ensemble nous chanterons,
Main dans la main.

A ceux qui se sont battus
Pour que Paris reste libre,
Que Paris reste Paris
La tête haute.

Aux hommes qui sont venus
Des quatre coins de la terre,
Dans l’unique espoir de vivre
La tête haute.

Aux femmes qui ont subi,
Humiliations et violences,
Pour avoir osé garder
La tête haute.

Pour tous ceux qui sont tombés,
Pour tous ceux qui ont pleuré,
Ensemble nous resterons,
Main dans la main.

Nous reprendrons les accents
Des aînés qui ne sont plus.
Leurs mots au milieu des nôtres,
Nous chanterons.

“J’ai deux amours”
“Douce France”
“Non, je ne regrette rien”,
“Ami, entends-tu”, “Paname”
Nous chanterons.

Dans la langue de Racine,
De Senghor, d’Apollinaire
De Proust, de Kateb Yacine,
Nous chanterons.

À l’amie qui est tombée,
Une chanson sur les lèvres,
Ensemble nous chanterons,
Main dans la main.

À vous tous qui gardez foi
En la dignité de l’Homme,
Dans tous les pays du monde
Et pour toujours.

L’avenir vous appartient,
Il vous donnera raison,
Il sera à votre image,
Et pour toujours.

Vous pourrez voir refluer
Le fanatisme, la haine,
L’aveuglement, l’ignorance,
Et pour toujours.

À l’amie qui est tombée,
Une chanson sur les lèvres,
Ensemble nous chanterons,
Main dans la main.

Pour tous ceux qui sont tombés,
Pour tous ceux qui ont pleuré,
Ensemble nous resterons,
Main dans la main.

Que jamais plus la terreur
Ne vienne souiller nos villes,
Ni jamais jamais la haine
Souiller nos cœurs.

Que la musique demeure,
Dans nos rues comme en nos âmes,
Pour toujours un témoignage
De liberté.



あるパリの秋

☆後ろから訳したほうが日本語らしくなりますが、「夜明けに目覚めるパリ」で始まるパッセージ以外は、ほぼ前から訳しています☆

倒れた女友達へ
唇に歌をたたえて
私たちは一緒に歌う
手に手をとって

倒れてしまったすべての人へ
涙にくれたすべての人へ
私たちは一緒にここにいつづける
手に手をとって

パリ、その河岸、その霧のために
歩道の下の海岸
やさしい風が
パリの枯れ葉を踊らせる

パリ、散歩する人々、その影
甘い言葉をささやく恋人たち
公共のベンチ、プラタナス
パりの枯れ葉

夜明けに目覚めるパリ
テラスにある2つのコーヒー
木を着る庭師
パリの枯れ葉

倒れた女友達へ
唇に歌をたたえて
私たちは一緒に歌う
手に手をとって

戦った人々へ
パリが自由であるために
パリが、パリであるために
頭を高くあげて

ここにやってきた男性たちへ
世界のあちらこちらから
彼らの唯一の望みは生きること
頭を高くあげて

苦しんだ女性たちへ
屈辱と暴力に
勇気をもって
頭を高くあげたから

倒れてしまったすべての人へ
涙にくれたすべての人へ
私たちは一緒にここにいつづける
手に手をとって

私たちはなまりをまた見つける
今はいない先輩たちの
彼らの言葉を私たちの言葉と合わせて
私たちは歌う

『私には2人の恋人がいる』
『やさしいフランス』
『いいえ、私は後悔しない』
『友よ、聞こえるかい?』『パナム』
私たちは歌う

ラシーヌの言葉で
サンゴールの、アポリネールの
プルーストの、カテブ・ヤシーンの言葉で
私たちは歌う

倒れた女友達へ
唇に歌をたたえて
私たちは一緒に歌う
手に手をとって

信じ続けるすべての人へ
人間の尊厳を
世界のすべての国で
永遠に

未来はあなたたちとともにある
未来になれば、あなたたちの正しさが証明される
未来はあなたたちを写し出す
永遠に

押し戻されるのを見ることもあるでしょう
狂信的行為、憎しみ
盲目、無知
永遠に

倒れた女友達へ
唇に歌をたたえて
私たちは一緒に歌う
手に手をとって

倒れてしまったすべての人へ
涙にくれたすべての人へ
私たちは一緒にここにいつづける
手に手をとって

二度と恐怖が
私たちの街を汚しに来ませんように
憎しみが、決して
私たちの心を汚しませんように

音楽が生きますように
私たちの魂と街角に
永遠に、まるで証言のように
自由の

単語メモ

quai  河岸(ここではセーヌ川の河岸)

roucouler  (話)甘い言葉をささやく

moissonner  刈り入れる

Senghor  サンゴール(1906-) セネガルの初代大統領、詩人

Kateb Yacine  カテブ・ヤシーン(1929-1989)アルジェリアを代表する作家

une foi  信念

donner raison à qn  ~が正しいとする、の正しさを示す

refluer  逆流する、後戻りする

Pour Paris, ses quais, sa brume,
La plage sous ses pavés,
La brise qui fait danser,
Ses feuilles mortes.

このように、パリにあるものを描写しているところがいくつかありますが、ses(パリの)という所有形容詞を全部訳すとくどいので、たいてい訳さず、最後の Ses feilles mortes を「パリの枯れ葉」としています。

文化的な補足

この歌には、古いシャンソンのタイトルや、文学者の名前、パリにまつわるフレーズががたくさん出てきます。

J’ai deux amours  ジョセフィン・ベイカーの歌のタイトル

Douce France  シャルル・トネの歌のタイトル

Non, je ne regrette rien  エディット・ピアフの歌のタイトル

Ami, entends-tu は、フランスのレジスタンスのスローガンで、彼らが歌った歌の冒頭に出てくる言葉。

Paname  レオ・フェレの歌のタイトル。パナムはスラングでパリとその郊外こと。

Sous les pavés la plage は、1968年の5月革命(5月危機)のとき、ストをした人たちのスローガン。

ceux qui se sont battus は、占領されていたパリの解放のために、戦った人

このように、昔の人のスローガンや古いシャンソン、著名な作家の名前が織り込まれているのは、これまで、先人たちが、長い時間をかけて手にした自由の街、パリとそこに住む人々は、テロに負けることなく、これからもそうあり続ける、という決意や願いが込められているからだそうです。

この点については、こちらの記事を参照しました⇒« Un automne à Paris », une chanson d’Amin Maalouf, interprétée par Louane, à étudier en classe – Les actualités de l'École des lettresLes actualités de l'École des lettres

紹介したもの以外にも、どこかで使われている言葉(文化的な引用)があるかもしれません。



関連動画

歌詞の動画です

■関連記事もどうぞ

2015年の11月13日に、どうしてパリでテロが起こったのか?

ルアンヌ・エメラの歌うJe vole の訳詞~『エール!』挿入歌

五月革命とは?: 1968年の5月、いかにフランスは変わったか?

『枯葉』Les Feuilles mortes イブ・モンタン~歌と訳詞

****

もう秋というより冬ですが、『あるパリの秋』という歌を紹介しました。

悲しみとともに静かな決意の感じられる美しい歌ですね。私の訳詞は今ひとつですが、その世界を感じ取っていただければ幸いです。






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