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フランス語の扉を開こう~ペンギンと

さよならを教えて~フランソワーズ・アルディ(歌と訳詞)

エッフェル塔

フランソワーズ・アルディの1968年のヒット曲、「さよならを教えて」をご紹介します。

「もう森へなんか行かない」という歌と並んで日本でもっともよく知られているアルディの曲です。

フランス語の語彙のカテゴリーで素敵なひびきのフランス語の単語を集めていますが、この曲はもう最初から最後まで素敵な響きがしていますので、どこでも好きな部分を切り取って使っていただければと思います。

歌詞つきの動画を選んでみました。
ccのところをクリックしてフランス語を選ぶと歌詞が出ます。
2分20秒

※YouTubeで見る方はこちらから⇒Comment te dire adieu ?(さよならを教えて)-フランソワーズ・アルディ
歌詞はセルジュ・ゲンズブールです。

では、訳詞に挑戦!

Comment te dire adieu ? どうやってあなたにさよならを言えば?

たとえどんな場合でも
いやよ、
みじめな反応を
するのは
あなたは私に説明すべきよ
もう少しうまくね
どうやってあなたにさよならを言ったらいいのか

mon cœur de silex
vite prend feu
ton cœur de pyrex
résiste au feu
je suis bien perplexe,
je ne veux
me résoudre aux adieux

私の心は火打ち石
すぐに火がつくの
あなたの心はパイレックス
火をなんとも思わない
すごくとまどっているの
いやよ、
さよならをする覚悟を決めるなんて

〈セリフ〉
よくわかってるわ、終わった恋にチャンスはないってこと
あっても、ほんの少しだけ
でも、私に、もう少しわけを教えて

★たとえどんな場合でも
いやよ、
あなたに涙でいっぱいの目を見られるのは
ティッシュで目を隠せば
もっとうまくできるかもね
あなたにさよならをするのが
あなたにさよならをするのが★

〈セリフ〉
あなたは、夜通しすごす2人の夜や、
ブルーグレーの夜明けに終止符を打った
でも、私は説明してほしいの

★~★ 繰り返し

※歌詞はこちらを参照しました⇒Comment Te Dire Adieu – Françoise Hardy – Lyrics of the song

単語メモ

sous aucun prétexte いかなる場合にも
silex 火打ち石
se résourdre à ~の決心をする、覚悟を決める
surexposer  露出オーバーにする ★歌詞では、目を彼に「露出オーバーする」のですが、そのあとティッシュが出てくるので、「涙でいっぱいの目」と訳してみました。
mettre qn/qc à l’index ~をブラックリストにのせる、排除する
例文
Le parti l’a mis à l’index en raison de son indisciplne.
党は彼を規律違反で除名した。
index アンデックスは「人差し指;索引、インデックス」
nuit blanche 眠られぬ夜、徹夜
Il a passé une nuit blanche.
彼は眠らずに一夜を明かした。

セルジュ・ゲンズブールの言葉遊びがさえていますね。

pyrex、kleenexは英語由来の商品名
パイレックスは日本でも売ってますが、耐熱ガラス。
クリネックスはティッシュの銘柄ですが、一般にティッシュのことをさします。

réflexe は「反射」という意味ですが、リフレックスカメラの意味もあるので、そのあと、surexposer (露出オーバー)というカメラ用語を使っているのでしょう。

nuit blanche は白い夜⇒白夜、眠らない夜、徹夜
これにかけて、2人でむかえる夜明けとして matins gris-bleu(ブルーグレーの朝)を使っています。こちらはゲンズブールが作った言葉だと思います。

aideu アデューは以前も書きましたが、「もう会わない」お別れです。

この曲は英語の曲、«It Hurts To Say Goodbye»をカバーしたものです。イギリスの女性歌手、Vera Lynnが1967年に歌ってヒットしました。

アルディはインストルメンタルのバージョンを聞いて気に入り、マネージャーをとおして、ゲンズブールに歌詞を書いてくれるように頼みました。

こちらがヴェラ・リンのバージョンです。

※YouTubeで見る方はこちらから⇒VERA LYNN – It Hurts to Say Goodbye (Top 10 Hit in 1967)

こちらの歌詞も訳してみました。こんな感じです。

It Hurts To Say Goodbye
さよならを言うのはつらい

わたしに腕をまわしてきつく抱いて
今夜、あなたの愛は私のものだと言って
何もかもうまく行くと私に言って
さよならを言うのはつらいわ

抱きしめられるぞくぞくした感じを私に教えて
時がたっても消えない思い出を
あなたの涙に口づけをしながら
さよならを言うのはつらいわ

あなたがどこにいようと
いつも私のそばよ
あなたがどこへ行こうと
私の心の中にいるの

太陽の光が再びさすときまで
2人でまた青空を見るときまで
私があなたのもとに戻る時まで
あなた、そのときまで
さよならを言うのはつらいわ

※歌詞はこちらを参考にしました⇒GOLAN ARNOLD – IT HURTS TO SAY GOODBYE LYRICS

・・・いかにも平凡な歌詞です。どう考えてもアルディの歌のほうがおしゃれですよね?

★こんな曲も訳しています。

★「さよならを教えて」は同名のタイトルのアルバムに入っています。


4曲目のSuzanneはレナード・コーエンのカバーですね。この曲もいい曲なので、いずれご紹介するつもりです。



    • ss
    • 2015年 6月 19日

    この歌詞は最初は音だけの冗談かと思いました.チャンとした話になっているのを知って,驚きました.驚くべき才能ですね.

    Une explication vaudrait mieux

    のexplicationは,説明だと理解不可能で,ここでは喧嘩だと思います.

    s’expliquerは,相互用法で,(Le petit robertによれば)avoir une discussionで,俗語で se battreの意味があります.口喧嘩,殴り合いということですが,これが名詞のexplicationにも受け継がれます.

    Pour moi, une explication vaudrait mieux は,まさか殴り合いということはないと思いますが,ジメジメした別れより,「私には,(あけすけとした)喧嘩(による別れ)の方が良かった」の意味だと思います.

    • ss
    • 2015年 6月 19日

    explicationを説明しているのに,説明不足で分かりにくい文章だという気がしましたので,少し,補足しておきます.

    この歌のストーリー:女は惚れやすい心をもっており,ある男に惚れ込んだ.男は,恋愛不感症の心をもっており(少なくとも,この恋に対しては不感症),惚れ込んだわけでない.男はそのうち一緒に寝るのを止めてしまったが,はっきりと別れるとは言い出さない(そんなことをいちいち言うのも面倒くらいに思っているのかも知れません).女は,ex-amourと言っているからには,この恋は終わったと思っているが,まだ未練がある.そこで,はっきりとした決着を望んでいる.

    解釈1.動詞expliquerと名詞explicationは同じ意味である.
    il faut que tu m’explique comment te dire adieu と言っているからには,その説明はなかった.その説明があった方がありがたい.そうすれば,踏ん切りがつく.

    解釈2.名詞explicationは,相互用法のs’expliquerの特殊な用法からの派生である.s’expliquerは,互いの本心を説明し合う>(相手の言っていることが理解,納得できず)口論になる>殴り合いになる,というように意味が特殊化します.

    私は,喧嘩別れの解釈2の方だと思ったのですが,解釈1でもいいかも知れません.

    gris bleuは,灰色が混じった青のことで,細かい色の分類では普通の語です.眼を描写するときによく使います(les yeux d’un gris bleu). 試しに,googleで”yeux d’un gris bleu”で検索したら,2380件の用例がありました.

      • フランス語愛好家
      • 2015年 6月 19日

      ssさん

      はじめまして。
      お返事遅くなり、失礼しました。

      je sais bien qu´un ex amour n´a pas de chance, ou si peu
      mais pour moi un explication voudrait mieux

      ここexplication は説明ではなく、けんか、という意味のほうがふさわしい、
      ということですね。

      なるほど。確かに explication には口語で「口論、けんか」という
      意味がありますね。

      喧嘩別れしたかった、ということですか。

      そんなふうには全然考えておらず、「ちゃんと説明してよ」
      というふうに解釈していました。

      gris bleu は グレー・ブルーのほうがいいですね。
      一度検討して、記事を書き直します。

      教えていただき、ありがとうございます。

      ブログの記事を読んでいただき、またコメントまで頂戴し、
      感謝しております。

      今後ともよろしくお願いいたします。

      pen

    • ss
    • 2015年 6月 20日

    2人称のexpliquesのsが抜けていました.チャンとした綴りも書けない馬鹿でした.申し訳ありません.ついでに.

    この詩ではgris bleuは形容詞でした.”yeux gris bleu”は,googleでは1万件以上のヒットで,名詞での用法より10倍ほどありました.フランス人には最も多い眼の光彩の色です.

    indexは,ここに書かれている通り,本のリストの意味があり,その特殊な用法で,ローマ法王庁が作成した「禁書目録」の意味があります(そのときには大文字を使ってIndexと書くみたいです).禁書目録に登録されるとは,要するにパージの対象になるということです.

    explicationは,私は,本心をぶつけ合って,結局は喧嘩別れになることだと思いましたが,多少ともまともな歌詞は,さまざまな解釈を許容するのが1つの魅力ですから,1つの解釈に収斂するものではありません.結局は,辻褄が合えば好きなように解釈していいということです.

    この曲には,ガンズブールの元の女房のJane Birkinのarabesque versionがあり,youtubeで聞けます.Jane BirkinはGainsbourgに匹敵するそれなりのキ印の人で,メインストリームの映画(つまり,ポルノでない映画)で世界初のアンダーヘアをさらしたといわくつきの女優ですが,それが映画史上に残る大傑作であるアントニオーニのblow-upであり,また家系的にはバートランド・ラッセルの姪で,実はイギリスの大貴族の末裔なんですね.フランスの曲としては唯一イギリスでNo.1ヒットを獲得したJe t’aime…moi non plusをGainsbourgと歌っています.

      • フランス語愛好家
      • 2015年 6月 20日

      ssさん、こんにちは。

      ssさんは、Serge Gainsbourgのファンのようですね。
      Je t’aime…moi non plus 存じております。
      訳詞にはとりあげておりませんが。

      こちらで、69 année érotique という曲をとりあげました。
      訳していませんけど。
      http://furansu-go.com/28-soixante-soixante-dix/

      いろいろ教えていただき、ありがとうございます。
      今後ともよろしくお願いいたします。

      pen

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