「虎と小鳥のフランス日記」最新エピソードの受講メモです。
今回のタイトルは
Présentation d’un dictionnaire sur la Résistance
「レジスタンスの辞典のプレゼンテーション」
Dictionnaire amoureux de la Résistance
レジスタンスの愛の辞典
という書籍の著者が、レストランで、本の紹介をしているところが収録されています。
本はこれ
場所はメニルモンタンのレストランバーです。
さっそく、サンプルビデオをごらんください。
★2015/01/24追記
「虎と小鳥のフランス日記」の配信が終了したため、サンプル動画も削除されました。あしからずご了承ください。
今回は、講演(レクチャー)と、会話、さいごに聴衆の1人へのインタビューという内容の濃い回でした。
きょうのメニュー
それでは、復習行ってみよう!
サンプル部分のスクリプトと和訳
Bonjour à tous ! Me voici aujourd’hui à nouveau sans Camille, dans l quartier de Ménilmontant, où je vais assister à la présentation d’un livre dans un bar restaurant.
Il s’agit d’un livre très spécial : le Dictionnaire amoureux de la Résistance, présenté par son auteur, Gilles Perrault.
皆さん、こんにちは。きょうは、またカミーユがいませんが、メニルモンタンに来ています。ここのレストランバーで行われる本の紹介に参加します。
それはすごく特別な「レジスタンスの愛の辞典」という本です。著者のジル・ペローが紹介します。
※単語メモ
à nouveau 再び = de nouveau
assister à ~に出席する
il s’agit de それは~である
3つのキーフレーズ
au bout du compte 結局
ペローさんのレクチャーから。
「レジスタンスは私たちに、どん底にいても希望を失ってはいけないことを教えてくれた」、とペローさんは言います。
とういのも、希望を失わなければ、状況を変えうるからです。
そうすれば何かが変わります。
結局のところ、いつも変わるんです。
Ça peut toujours changer. Ça change toujours au bout de compte.
au bout du compte 結局、要するに、つまるところ
compte は「数えること」ですから、全部数えた果てに⇒結局、ということですね。
Au bout du compte, que voulez-vous dire ?
結局、何が言いたいのですか?
同じ意味の表現に、à la fin du compte, enfin, finalement, après tout などあります。
je vous en prie. どういたしまして
本のサイン会。
撮影させてもらったお礼を言うアントワーヌに対してペローさんが言います。
– 全て、撮影しました。ありがとうございます。
– どういたしまして。
J’ai tout filmé. Merci beaucoup.
Mais je vous en prie.
je vous en prie. (ジュヴゾンプリ)は「どういたしまして」。決まり文句です。
n’avoir rien à voir avec ~と何の関係もない
会場に来ていた男性が、自分にとってレジスタンスはどんなものか話してくれました。
彼にとって、レジスタンス運動は、皆が、1つのことに完全に身を投じた、という点で、うらやましいとか。
現代の若者は、そういうものを持っていないのではないか、と言うのです。
この方はアーティストであり作家。自分も自分の道に没頭したい、と言ってました。そして、それは
レジスタンスとは何の関係もありませんが。
Après, ça n’a rien à voir avec la Résistance.
n’avoir rien à voir avec
これも熟語です。
Je n’ai rien à voir avec son suicide.
私は彼(女)の自殺とは何の関係もありません。
Cela n’a rien à voir avec la couleur.
それは色とは何の関係もない。
関係がない はほかに
n’avoir rien à faire avec
n’avoir aucun rapport avec
ne ~ regarder pas
などあります。
※この講演会の模様はこちらで見ることができます⇒http://youtu.be/mrq_ClS9Se4
ペロー氏の後ろにいる人が、インタビューに答えた方です。
彼も講演の途中でしゃべってます。
豆知識~レジスタンス
résistance とは攻撃、権力などへの抵抗、反抗という意味です。
このエピソードで話題になっているのは、
la Résistance
第2時世界大戦中、1942年ごろの、ドイツ占領軍に対するレジスタンス運動です。
この時期、枢軸軍に占領された国々で抵抗運動がありましたが、特にフランスのレジスタンスがその典型なのです。
フランスのレジスタンスの流れ
1940年6月、ナチス・ドイツがフランスに侵攻し、フランスは敗北。和平派が政権を取り、ペタン元帥が首相となり、ドイツとイタリアに対して休戦を申し入れ。
そして、 L’armistice de 1940 (独仏休戦協定)が結ばれました。
この政府は7月にヴィシーという街に首都を置いたのでヴィシー政権と呼ばれます。
ペタン政権の前のレノー政権(抗戦派)の国防次官だった、シャルル・ド・ゴール将軍はロンドンに亡命し「自由フランス」という組織を結成します。
この自由フランス運動と、国内のレジスタンスの闘士が展開した、ストライキ、サボタージュ、ナチス将兵の暗殺、ドイツ軍設備の破壊などの地下活動の2つがフランスのレジスタンスの軸です。
自由フランスと、国内の地下活動は必ずしも、完全に協力しあっていたわけではなく、時には対立していました。
戦争中ですから、それぞれがそれぞれの立場でいろいろな思惑があったのでしょう。
1943年、国内でレジスタンス全国評議会が結成され、ドゴール支持を表明しました。
1944年6月6日にノルマンディー上陸作戦が行われ、連合軍が北フランスに上陸。
フランスのドイツ軍は次々と追い払われ、8月25日にパリも解放されます。そして、ド・ゴール将軍が率いていたフランス共和国臨時政府がロンドンから帰国しました。
こちらはフランスのテレビ局が作ったキュメンタリー・フィクションです。
実際の報道のフィルムや写真とフィクションを合わせてレジスタンスを描いています。
今年は、ノルマンディー上陸作戦から70周年なので、ヨーロッパやアメリカでは、第二次世界大戦や、この作戦に関する記念行事が盛んで、関連書籍やDVDの発売も相次いでいます。
ペロー氏の本の出版もそうした一連の企画の1つだと思います。
ノルマンディー上陸作戦についてはこちらに書いています⇒ノルマンディー上陸作戦70周年式典
「星の王子さま」も、1943年にサン=テグジュペリの亡命先のアメリカでまず出版されました。
冒頭の献辞は、フランスで困難な状況にあった、著者の友人のジャーナリスト、レオン・ヴェルト(ユダヤ人)に捧げられています。
レジスタンス運動はフランスの近代史において、ひじょうに大きな位置をしめています。フランスという国が、なくなりかけた時代のことですから当然でしょうね。
何が起きたか知っておくことは大事だと思います。
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