慣れないと難しいフランス語の数字を1つずつチェックしています。今週は18です。
数字 «18»
18 は dix-huit ディズュイット
dix(10) と huit(8) をトレデュにオン(-)でつなぎます。
参考:
dix ⇒10(ディス)
huit⇒8(ユイット)
トレデュニオン⇒フランス語のアクサン(つづり字記号)と句読点のまとめ
発音はこちらで確認してください。
dix-huit のhuitは8と同様に、Hは発音せず、語末のTは発音します。
子音が続くときは、このTの音が落ちて、ユィッとなります。
この続きはこちら⇒フランス語の数字【第21回】~19(ディズヌフ)
歌 «Une fourmi de dix huit mètres »
タイトルに18の入っている童謡をご紹介します。
動画はこちら
この歌の歌詞はロベール・デスノスの詩がもとになっています。
Une fourmi de dix huit mètres
Une fourmi de dix-huit mètres
Avec un chapeau sur la tête
Ça n’existe pas, ça n’existe pasUne fourmi traînant un char
Plein de pingouins et de canards
Ça n’existe pas, ça n’existe pasUne fourmi parlant français
Parlant latin et javanais
Ça n’existe pas, ça n’existe pas
Et pourquoi… pourquoi pas
訳してみました:
18メートルのアリ
18メートルのアリ
頭に帽子をかぶってる
そんなのいない、そんなのいない
山車(だし)を引っ張るアリ
ペンギンとアヒルをいっぱいのせて
そんなのいない、そんなのいない
フランス語と、ラテン語と
ジャワ語を話すアリ
そんなのいない、そんなのいない
でも、どうしていないんだろ
メロディの違うバージョンもありました。
ロベール・デスノス Robert Desnos
ロベール・デスノス(1900-1945)はフランスのシュールレアリズムの詩人。ジャーナリスト、シナリオライター、作家。
子どものときは勉強嫌い。しかし、文学や大衆文化に多大なる興味を持っていました。1922年にシュールレアリズムの活動に参加。初期のシュールレアリズム運動の方向付けに大きな役割を果たします。
その後この運動から離れ、より柔軟なスタイルを志向。30代は、当時始まったばかりのラジオで活躍。シナリオを書いて番組や広告を作って人気を博しました。
この頃、藤田嗣治の妻であったユキと恋に落ち、結婚。
だんだん政治に興味を持つようになり、1942年にレジスタンス運動に参加。44年にゲシュタポにつかまり、収容所を転々としたあげく、45年にチェコのテレジン収容所で亡くなります。死因はチフス。
代表的な詩集は
Deuil pour deuil (1924) 喪には喪を
Corps et biens (1930) 肉体と幸福
État de veille (1943) 覚醒状態
シュールレアリズムと言っても、彼の詩は平易でわかりやすいものが多いそう。言葉遊びをたくみに使い、ユーモアがあります。
このアリの詩も「ふふふ」と笑える詩ですね。
子どもむけの詩集も残しており、たくさん歌われているようです。
●ロベール・デスノスの詩の一部はこちらで読めます⇒Robert Desnos – Poet | Academy of American Poets
●こちらにも詳細なプロフィールあり⇒Robert Desnos
●英語で書かれた伝記
dix-huit を使った表現、文章
le dix-huit août 8月18日
il y a dix-huit ans 18年前
Sa femme a dix-huit ans.
奥さまは18歳。
★トップの写真をお借りしました。
photo credit: chrisinplymouth via photopin cc
いかがでしたか?
デスノスは45年の6月4日に亡くなっています。もうこの戦争が終わる頃です。病気になっていなければ、解放されていたでしょうね。
ちなみに、藤田嗣治の妻だったユキは、本名リシュー(Lucie )というフランス人女性。才色兼備でパリの芸術家サークルのミューズでした。とても美しい人だったのですが、酒癖が悪かったとか。
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