ティファニーとガブリエル

不思議の国のフランス

フランス人から見た日本人のユーモア、ここが笑えない

フランスダイレクトスクールの動画教材、「不思議の国のフランス」第7話の受講メモ、その2です。

前回は、VDMという、フランス人がトホホな毎日を投稿するWebサイトからできた本にのっているジョークをご紹介しました。

フランス人の笑いのツボを知る~不思議の国のFrance #7

この本、必ずしも冗談本ではなく、「その日こんなことがあったよ」、ということを投稿しているのですが、フランス人のユーモアがかいま見えます。

今回は、後半、ティファニーとガブリエルが語っていた、「日本人のユーモア(笑い)はここがフランスと違う、ここが変、ここが全然笑えない」という7つのポイントをまとめてご紹介します。

ティファニーもガブリエルも日本語がうまく、ふつうのフランス人よりは日本通で、日本のテレビ番組をよく見ているようです。



主題:フランス人のユーモアと日本人のそれは全然違う。

Je trouve que l’humour français et l’humour japonais, est pas tout à fait le même.

Ouais, non, c’est pas pareil, non.

Ça a rien voir, hein.

フランス人のユーモアと日本人のユーモアは、全然同じではない⇒違う。
ええ、そうね、同じじゃないわね。
全く違うわね。

n’avoir rien à voir dans qc
~とは全く関係がない

以下、どこが違うのか7つのポイントです。

1.ひじょうに型にはまっている

これは漫才など、決まった形があり、自然ではない、という意味です。

日本では漫才のコンテストがあり、芸人は熱心にお笑いの理論を学びはするものの、そのギャグは自発的、自然発生的ではない、ひじょうに意図されたものであり、おもしろみがない、ということ。

まあ、アドリブもありますけどね。

このあたり、フランス語では、

Au Japon c’est vachement plus codifié.

Si tu regardes les manzai, t’as toujours un qui a le rôle du diminué et un qui a le rôle de l’intelligent.

En France t’en as des duos comiques mais c’est beaucoup plus libres. Ils font ce qu’il veulent.

日本のユーモア(お笑い)はシステマティックね。

漫才見てると、いつも、バカにされる人と、えらそうにしている人がいるわ。

フランスでは、2人でやるお笑いもあるけど、もっとずっと自由で、お互いにしたいようにやっているわ。

2.フランスでは基本、ワンマンショーである

1と関係ありますが、フランスのコメディアンは、英語のスタンダップコミックと同じで、1人でやるショーが主流です。

En France, je pense, pour l’humour on est vachement «One man Show». Ils font tout seul.

Par example, Florence Foresti, Gad Elmaleh.

フランスのユーモア(お笑い)って絶対ワンマンショーよね。1人でやるものよ。たとえば、フローレンス・フォレスティやガド・エルマレよ。

フローレンス・フォレスティはパロディの天才と呼ばれているフランスのコメディエンヌです。

彼女は実在の人物の真似をして、からかい、笑いをとります。清水ミチコに強烈な毒を注入したタイプの芸でしょうか。

真似されてる人を知らないと笑えないので、ここでは会社の社長ネタをご紹介します。


※YouTubeで見る方はこちらから⇒Florence Foresti Sketch La Chef d’entreprise

ガド・エルマレはモロッコ出身のコメディアン。映画によく出てますね。


※YouTubeで見る方はこちらから⇒Gad Elmaleh ~ Les Maths

3.ひじょうにテレビ文化によっている

ガブリエルとティファニー

お笑い=テレビという図式であり、お笑い番組にでている芸能人を知らないと笑えないギャグが多い、ということ。

フローレンス・フォレスティも同業者の真似をしますが、彼女は政治家など、著名な人物をネタにするのでちょっと違います。

また、日本では、吉本の若手の芸人が、先輩の物まねなどしないと思います。フランスではもっと自由です。言論の自由の国ですからね。

Si tu vois «Gaki no Tsukai», c’est aussi beaucoup de l’humour qui fait référence à d’autres cultures, de la culture télé quoi.

Oui, aux personalités en fait. On a pa trop ce système de personnalités.

De «geinoujin», ouais, y en a pas.

『ガキの使い」を見ると、「笑い」はとても他の文化をよりどころにしているわね、テレビ文化に。

そうね、有名人によっているわね。私たちは有名人のシステムなんてないし。

芸能人ね、ないわね。

faire référence à ~を参照する、に依拠する、頼る、言及する

4.繰り返しが多い

テレビのお笑い番組で、しつこいほど同じネタを繰り返すこと。始めはおもしろいものの、結局は、笑えない、くどい、疲れる、という2人。

J’ai remarqué par exemple dans «Gaki no Tsukai», ils ont tendance à répéter souvent la même blague.

Pas un fois, deux fois, trois fois.

C’est à l’usure.

On dit en France : «Les blagues plus courtes sont les meilleures».

たとえば『ガキの使い』なんかでも、同じ冗談を繰り返す傾向があるわね。

1度だけでなく、2度も3度も。

だんだんつまらなくなるのよね。

フランスでは、「冗談は短ければ、短いほどよい」と言うわ。

usure 損耗、摩滅

5.残酷である、肉体的暴力が多い

ドツキ漫才や、漫才にかかわらず、よく人をたたいて笑いをとることです。確かに多いですよね。肉体を使う過酷なゲームに挑戦してボロボロになるのもよく見られます。こういう暴力にはフランス人は笑えないとのこと。

C’est assez sadique aussi leur humour.

Oui, il se frappent beaucoup, c’est vachement physique. En France, ça passerait pas trop, je pense.

日本人のユーモアはずいぶん残酷よね。

ええ、たくさん叩くわ。体を使うわね。フランスでは、これは通用しないでしょうね。

sadique 残忍な

・・・このあと、1に書いた、漫才のボケとツッコミについて話していました。ボケるほうが、ビジバシ叩かれるからです。

6.プライバシーを暴く

隠しカメラで、芸能人の部屋に突然行って、プライバシーをのぞきこんで笑いをとるやり方についてです。

ロンドンハーツという番組についてガブリエルが言及。

lls font des caméras cachés. Ils vont vraiment dans la vie privée des gens.

Et du coup je trouve des fois, ils vont un peu trop loin.

En France, nous, avec les droits…

Ouais, tout de suite il y aurait des procès.

隠しカメラで、人のプライベートな生活にすごく入り込むのよ。時々、やり過ぎだと思うわ。

フランスでは権利があるから、

そうね、すぐに訴訟になるわね。

procès 訴訟

ティファニーとガブリエル
私たちはのぞきはしない、という2人。
voyeurs のぞき見する人

7.芸能人の私生活を取りざたしすぎる

これは「笑い」とはちょっと違いますが、6の関連で、日本では芸能人の結婚、離婚など、私生活に大騒ぎしすぎている、ワイドショーはもちろん、ニュースにまで出てきている、ということ。

J’ai remarqué à la télé japonaise, ils passent vachement genre : machin s’est marié avec machin, tu vois.

Qu’est-ce qui se passe dans cette relation…

Alors que chez nous, c’est genre juste les grandes célébrités, c’est genre les grands chanteurs genre Johnny Hallyday, tu vois.

日本のテレビを見ていて気づいたけど、誰が誰と結婚したとか、そういうことすごく流すわね。

このカップルに何が起きているのか、とか。

フランスでは、そんなの本当にすごい有名人しかニュースにならないわね。偉大な歌手とか、ジョニー・アリディみたいな。

genre ここでは、comme と同じ意味。たとえば、~みたいな

machin 名前を知らないか、忘れてしまったか、名前をあげるまでない場合、あげたくない場合に なんとかという人、なんとかさん、という意味で使います。

Johnny Hallyday ジョニー・アリディ フランスの国民的歌手
詳しくは⇒ジョニー・アリディって知ってます?

いかがでしたか?

2人はテレビから日本の「笑い」について考察しています。今はテレビを取ると「日本の笑い」というものはどこにあるんだろう、と思うぐらいテレビ文化が日本文化に影響を与えていますね。

しかし、「日本の偉大な喜劇人をあげよ」と言われたとき、テレビタレントの名前はあがらないと思います。

やはり、昔の落語家とかエノケンとかそのあたりになるのではないでしょうか?

ちょっと不思議な構図ですね。

「不思議の国のFrance」第8話はこちら⇒プレタポルテ、オートクチュール、オーダー・メイドの違いとは?

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