毎年9月の第3週の週末は、フランスでは Les Journées du patrimoine(文化遺産の日)です。この週末は、ふだんは一般公開されていない、歴史的建造物が公開され、さまざまな関連イベントが行われます。
現在、ヨーロッパで同じことをする国がたくさんあるため、正式には、ヨーロッパ文化遺産の日(Journées européennes du patrimoine)と呼ばれます。
この日の由来や内容を説明している、FrenchPod101のカルチャーレッスンの動画を紹介します。
文化遺産の日とは?
もしあなたがヨーロッパに住んでいるなら、きっと、「文化遺産の日」をご存知でしょう。
この日は、9月の第3週の週末で、ふだんは公開されていない歴史的建造物や文化財を訪れることができます。
いつもより安く美術館に入れたり、無料になることもあります。
もともとこのイベントはフランスが始めたのだと知っていますか? このレッスンで説明しますね。
[クイズタイム]
Savez-vous quels sont les monuments les plus visités em France durant les Journées du patrimoine ?
文化遺産の日にもっとも人が訪れる建物は何か知っていますか?
この動画の最後に答えをお教えしますね。
文化遺産の日の由来
文化財産(patrimoine)は、過去の文明の遺産を合わせたものです。物質的なものもあるし、無形のものもあります。
はじめての「文化遺産の日」は、フランスの文化大臣の提唱で、1984年に行われました。イニシアチブをとったのは、文化大臣のジャック・ラングです。
日付は、9月の第3日曜日と決められました。
フランスで行われた「文化遺産の日」が盛況だったので、ヨーロッパのいくつかの国が、1985年から、同様の催しを始めました。
この催しの目的は、一般市民にその国の豊かな、歴史的、文化遺産にふれてもらうことです。
1995年から、毎年それぞれの国でテーマを決めて、特定の文化遺産の側面に焦点をあて、人々が退屈しないように配慮されています。
たとえば、2012年のテーマは「隠された文化遺産」でした。この時は、これまで未公開だった場所が公開され、特別な行事が行われました。
実際に公開された施設は、独自の企画を提供し、とても変化に富んでいました。ガイド付きのツアーやコンサート、お芝居など。
文化遺産の日の目的
この催しのゴールは、市民の興味をかきたて、さまざまな情報を提供することです。
フランスは幸運なことに、文化遺産を保存できている国です。40万以上の建造物や文化遺産、保存された場所があり、その3分の1は格付けされています。
事実、33の文化的な場所が、ユネスコの世界遺産として登録されています。また、フランスには美術館が8000以上あります。
文化遺産の日は、こうした歴史的な遺産を守ることを促進しているのです。
[ファン・ファクト]
もともと、この行事は、Journées portes ouverte dans les monuments historiques (歴史的建造物の扉を開ける日)と呼ばれていました。
1992年に、Journées nationales du patrimoine (全国文化遺産の日)という名になりました。2000年から、この週末もそう呼ばれるように、Journées européennes du patrimoine (ヨーロッパ文化遺産の日)と呼ばれています。
というのも、ヨーロッパ全体でイニシアチブが取られているからです。
では最初に出したクイズの答えをお教えします。
文化遺産の日の週末に、もっとも人が訪れるのは、政府の公式の建物です。たとえばエリゼ宮、ブルボン宮、リュクサンブール宮など。
いくつかの場所は、通常、見学をすることができません。
このレッスンはどうでしたか? 何かおもしろいことを学びましたか? 皆さんの国には、文化遺産の日がありますか? この週末、建造物を見に行きますか? FrenchPod101.com にコメントを残してくださいね。
それではまた。
単語メモ
édifice 大建造物
biens publics 公共財産だと思いますが、ここでは「文化財」と訳しておきました。
manifestation 一大行事、フェスティバル
héritage 遺産
immatériel 非物質の、無形の
mettre en lumière 光をあてる
lasser (精神的に)疲れさせる、退屈させる
favoriser 助ける、促進する、助長する
inédite 未刊の、未発表の
animation (会・活動などの)推進、進行、司会
tiers 3分の1
classer 格付けする、評価する
mettre qc. en avant ~を主張する、申し立てる
palais de l’Élysée エリゼ宮、 フランスの大統領官邸
詳しくはこちら⇒フランスの大統領官邸、エリゼ宮のちょっとおもしろい話
palais Bourbon ブルボン宮、国民議会議事堂。18世紀の建物。
palais du Luxembourg リュクサンブール宮、フランス議会の上院。17世紀、マリー・ド・メディシスが建設。
関連動画
今年の文化遺産の日のプロモーション動画です。
文化遺産の日が始まったときは、日曜日だけでしたが、すぐに週末の2日間になり、ヨーロッパのほかの国でも行うようになったのですね。
美術館は入場無料になるところが多く、動画で説明されていたように、数々の特別イベントが催されます。
ルーブル美術館は無料です。ベルサイユ宮殿でも、通常公開されていないところを見学できるし、ほかのお城でも、コンサートが行われたりします。
イベントが行われるのはパリだけではなく、地方都市でも同様に行われます。
そこまで有名でない建物(市役所とかホテルなど)も、フランスの場合、歴史的建造物のことが多いため、ガイドツアーが行われます。
テレビ局や地下鉄など、公共性の高い建物でもおもしろいイベントがあったりします。
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文化遺産の日は、文化にこだわるフランスならではの催しですね。ヨーロッパは歴史が古いので、ほかの国も、いくらでも見せるところがあるのでしょう。
気候もよい時期ですし、楽しい週末が過ごせそうです。それでは次回の暦の記事をお楽しみに。
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