パリ

フランスにまつわるあれこれ

マクロン大統領の15日間の外出禁止令(抜粋)

2020年3月16日の夜、エマニュエル・マクロン大統領が、フランス国民に向かって、15日間(2週間)、外出しないように言いました。

もちろん、新型コロナウイルスの感染を抑えるためです。

このスピーチは20分ほどありますが、3分の抜粋が、iliniにあるので、それを紹介します。iliniはYouTubeのビデオを使ってフランス語を勉強するサイトです。

マクロン大統領のスピーチ

フランス語の字幕を表示させることができます。

2分半

動画を再生できないときは、iliniで見てください⇒Ilini | 'We are at war': Macron puts France into lockdown

Adresse aux Français(extrait)トランスクリプション

Chacun d’entre nous doit à tout prix limiter le nombre de personnes avec qui il est en contact chaque jour.

Les scientifiques le disent, c’est la priorité absolue.

C’est pourquoi, après avoir consulté, écouté les experts, le terrain et en conscience, j’ai décidé de renforcer encore les mesures pour réduire nos déplacements et nos contacts au strict nécessaire.

Dès demain midi et pour 15 jours au moins, nos déplacements seront très fortement réduits.

Cela signifie que les regroupements extérieurs, les réunions familiales ou amicales ne seront plus permises.

Se promener, retrouver ses amis dans le parc, dans la rue, ne sera plus possible.

Il s’agit de limiter au maximum ces contacts au-delà du foyer.

Partout sur le territoire français, en métropole comme Outre-mer, seuls doivent demeurer les trajets nécessaires.

Nécessaires pour aller faire ses courses avec de la discipline et en mettant les distances d’au moins un mètre, en ne serrant pas la main, en ne s’embrassant pas.

Les trajets nécessaires pour se soigner, évidemment.

Les trajets nécessaires pour aller travailler quand le travail à distance n’est pas possible.

Et les trajets nécessaires pour faire un peu d’activité physique mais sans retrouver, là encore, des amis ou des proches.

En restant chez vous, occupez-vous des proches qui sont dans votre appartement, votre maison.

Donnez des nouvelles, prenez des nouvelles.

Lisez, retrouvez aussi ce sens de l’essentiel.

Je pense que c’est important dans les moments que nous vivons.

Cet effort que je vous demande, je sais qu’il est inédit, mais les circonstances nous y obligent.

Nous sommes en guerre, en guerre sanitaire, certes : nous ne luttons ni contre une armée, ni contre une autre nation.

Mais l’ennemi est là, invisible, insaisissable, qui progresse.

Et cela requiert notre mobilisation générale.

Hissons-nous individuellement et collectivement à la hauteur du moment.

Je sais mes chers compatriotes pouvoir compter sur vous.

Vive la République, vive la France !

外出禁止令・和訳

私たち各自が、何があっても、毎日、接触する人たちの数を制限しなければなりません。

科学者たちは、これが何よりも最優先だと言っています。

だからこそ、討議し、専門家の意見を聞き、この現状を正直にかんがみ、私はより強力な方法をとり、私たちの移動と接触を、必要なところまできびしく減らすことに決めました。

明日の正午から、最低15日間、私たちの移動はひじょうに制限されます。

すなわち、外で集まること、家族や友達と集まることは許されません。

公園や街頭で、友達と散歩したり、会ったりはできません。

つまり、家の中での接触を越えたものは制限します。

フランスのすべて、本国も海外県も、必須の移動だけをします。

食料品の買い物が必要なときは、節度をもって行い、お互いに最低1メートルの間をあけ、握手や抱擁はしません。

病気の治療をうけにいく移動は、もちろん必要であり許されます。

リモートワークができないとき、仕事に行くのも必要な移動です。

少しばかり運動するのも必要な移動ですが、友達や近親者に会ってはいけません。

家にいる間、アパルトマンや家にいる家族のめんどうを見てください。

近況を伝え合ってください。

読んで、重要なことを知ってください。

私たちが生きているいま、これが大事だと思います。

私がみなさんにお願いしている努力は、前例のないことだとわかっています。ですが、いまの状態ではそうせざるを得ません。

私たちは戦争をしています。もちろん、防疫の戦争です。私たちは、軍隊やほかの国と戦っているわけではありません。

しかし、敵はここにいます。目に見えず、つかまえることもできませんが、進行しています。

だから総動員が必要です。

各人1人ひとりが立ち上がり、団結しましょう、いまこの時に。

私は、国民の皆さんを頼りにできるとわかっています。

共和国万歳、フランス万歳。

単語メモ

à tout prix  どんな代価を払っても、是が非でも

en conscience  正直に、率直に言って

renforcer  さらに強くする

foretement  強烈に、ひじょうに

la métropole et l’Outre-mer  フランス本国と海外県(海外領土)

demeurer  ~のままである、であり続ける

proches  近親者、親友

inédit  前代未聞の

certes  確かに、もちろん

insaisissable  つかむことができない、捕らえられない

réquiert requérir  要請する、強く要求する

mobilisation générale  総動員

se hisser  (苦労して)上がる、はいあがる

スピーチ全体はエリゼ宮のチャンネルにあります⇒Adresse aux Français – YouTube

外出禁止令が出たあとのパリの様子

3月18日のパリ(1分24秒)

スピーチで言っていたように、どうしても必要な外出は許されます。

食料品の買い出し、個人的な運動、犬の散歩など。しかし、ほかの人と話したり、ふれあったりしてはいけません。

このような外出をするときは、政府のサイトで、外出理由が書く紙をプリントアウトし、それを持って出ます。プリンターがない人は手書きでもOK.

警察官にたずねられたらその紙を見せます。

必須ではない外出をしたり、ほかの人と接触すると罰金を課せられます。

☆iliniの説明はこちら⇒フランス人は働くことが好きなのでしょうか?

****

フランスはいまの時点で、1万人以上が亡くなり、死者も300人以上です。世界では7番目に感染者が多いです(いつのまにか韓国より感染者が増えています)。

その前から、フランス政府は、「大勢で集まるな」と言っていましたが、あまりに感染者が増えているせいか、言うことをきかない人がたくさんいたのか、このような強硬手段に出たのでしょう。

フランス人は、日本人と違って、他人や政府に、行動を指図されるのが嫌いな傾向があるから、「集まっちゃだめ」と言われても集まって、わいわい楽しんでしまうのかもしれません。

日本人は空気を読んで自粛しますが。

私の州も50人以上のどんな集まりも禁止で、未成年が入れないバーやナイトクラブは営業停止。カフェやレストランはあいていますが、収容人数の半分だけ入れる制限があります(最高で50人)。

各種娯楽施設は全部クローズし、北米にチェーン店のあるような大手の小売店も閉まっています。ナショナルパークもしまっています。

学校は、デイケア、幼稚園から高校まで休校で、大学はオンライン授業です。

学校を全部閉めるなんて、前代未聞のことだから、休校になった段階で、「これはまずいのかもしれない」と思うのがふつうだと思います。

しかし、人によって、危機感にばらつきがあり、わたしの夫なんて仕事から戻ってきてもしっかり手を洗っておりません。

今朝は、マイアミのビーチわいわい楽しんでいる若者の姿がニュースになっていました。

マイアミも死者が出ているのに、他人に対する配慮がなさすぎます。

そのビーチも、木曜の夜に閉鎖が決まり、いまは人っ子1人いません。

少しでも感染のスピードがおさまり、苦しむ人が1人でも減ってくれることを祈っています。






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コメント

  • コメント (3)

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    • わた
    • 2020年 8月 04日 1:56am

    penさん、こんにちは。 いつもブログで楽しく勉強しております。

    二つほど質問がございます。

    ①C’est pourquoi, après avoir consulté, écouté les experts, le terrain et en conscience
    ここで使われている【le terrain】は、どういう意味でしょうか。

    ②Nécessaires pour aller faire ses courses avec de la discipline et en mettant les distances d’au moins un mètre, en ne serrant pas la main, en ne s’embrassant pas.
    ここで使われている【en+現在分詞】は、同時性の意味を持つものでしょうか。

    お時間がございましたら、ぜひ教えていただきたいです。

    いつもありがとうございます。

      • pen(フランス語愛好家)
      • 2020年 8月 04日 5:46am

      わたさん、こんにちは。

      この terrain は、「場所」だと思います。

      「その場所」は、専門家のいる場所、専門家のいる現場で、
      直前の les experts と合わせて「現場の専門家」という意味に解釈しました。

      en+現在分詞 はジェロンディフの基本的な用法で、「~しながら」だと思います。

      距離を取りながら、手をさわることをしないで、キスもしないで、行動したまえ、ということです。

      参考になれば幸いです。

      pen

    • わた
    • 2020年 8月 05日 3:47am

    penさん、早々のご返信ありがとうございます。

    私にはむずかしったですがよくわかりました。

    ありがとうございました。

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