2021年の4月9日、フィリップ殿下(エディンバラ公爵フィリップ王配)が亡くなりました。
訃報を伝えるラジオカナダのニュースクリップを紹介します。
タイトルはDécès du prince Philippe(フィリップ殿下の死)です。
フィリップ殿下の死
2分30秒。映像が見にくくなりますが、フランス語の字幕を表示させることができます。
トランスクリプション
Toujours deux pas derrière.
Il aura passé la majorité de sa vie dans l’ombre de la reine Elizabeth II. Homme dur selon certains, cocasse pour d’autres, le prince Philippe était peut-être l’un des personnages les plus difficiles à cerner de Buckingham Palace.
Né prince de Grèce et du Danemark en 1921, il quitte l’île de Corfou en catastrophe alors qu’il n’a qu’un an et demi. La monarchie grecque vient de tomber. Sa famille se réfugie en France.
Sa mère souffre de schizophrènie, son père part vivre à Monaco, le jeune prince se destine à une carrière militaire.
Il devient aussi un athlète accompli.
À 18 ans, il s’engage dans la marine anglaise et rencontre pour la première fois Elizabeth venue visiter le collège naval. La jeune princesse n’a alors que 13 ans : c’est le coup de foudre. Le couple entretient une correspondance, jusqu’à la Seconde Guerre mondiale.
Philippe combat pendant six ans sur les eaux d’Europe et d’Asie. À son retour, en 1946, le jeune prince est premier lieutenant d’un destroyer et n’a pas oublié Elizabeth. Pendant des mois, ils se fréquentent, mais le mariage semble impossible.
Philippe n’a plus de trône et l’entourage de la princesse craint que le jeune homme au franc parler ne respecte pas le protocole. Mais, le public, séduit, en décidera autrement.
En novembre 1947, leur rêve se réalise.
Un an plus tard, Charles voit le jour.
Mais leur bonheur est de courte durée.
Le roi George VI meurt.
Elizabeth accède au trône, à seulement 27 ans.
Pour Philippe, ce couronnement signifie la fin de sa carrière militaire et contrairement aux femmes de souverain, il ne pourra jamais devenir roi.
Le prince devra se contenter d’un rôle secondaire et surtout d’être le plus discret possible.
Il portera le titre de prince consort.
Avec ses nombreuses gaffes et faux pas, le prince s’amuse des Anglais. Certains diront qu’il avait un charme indéniable. D’ailleurs, les journaux à potins vont rapporter plusieurs frasques amoureuses hors mariage.
Mais pour beaucoup, le prince Philippe était un homme de principe qui croyait en la famille et qui a fini par avoir le respect des Britanniques.
En mai 2017, à 95 ans il s’est retiré de la vie publique.
Il était le soutien indéfectible de la reine.
Ici Azeb Wolde-Giorghis, Radio-Canada, Montréa
和訳
常に2歩下がっていました。
彼は人生の大半をエリザベス2世の影ですごしました。
ある人にとっては厳しい人、ある人にとってはおもしろい人、フィリップ殿下は、バッキンガム宮殿でもっとも、わかりにくい人物の1人でした。
1921年にギリシャとデンマークの王子として生まれた彼は、わずか1歳半のとき、急いでにコルフ島を離れました。
ギリシャの王政が崩壊してすぐのことです。彼の家族は、フランスに亡命しました。
母親は統合失調症をわずらい、父親は、モナコで暮らすために出て行き、若い王子は、軍人を志しました。
彼はまた、すぐれたスポーツ選手になりました。
18才でイギリス海軍に入隊し、はじめて、海軍学校を訪問していたエリザベスに出会いました。若い王女はまだ13才でした。一目惚れでした。
2人は第二次世界大戦まで、文通を続けていました。
フィリップは6年間、ヨーロッパやアジアの海で戦いました。
1946年に帰国したとき、駆逐艦の中尉となっていた若い王子は、エリザベスのことを忘れてはいませんでした。
2人は数ヶ月交際していましたが、結婚は不可能だと思われました。
フィリップにはもう王位がなく、王女の側近たちは、率直な物言いをするこの若者が、しきたりを重んじないと恐れていました。
しかし、大衆は魅了され、そうではないと判断しました。
1947年の11月、2人の夢は実現しました。
1年後に、チャールズが生まれました。
しかし、幸せはつかの間でした。
王のジョージ6世が死去したのです。
エリザベスはわずか27才のとき即位しました。
妻の即位は、フィリップにとって海軍でのキャリアの終わりを意味しました。君主の妻とは違い、彼は、決して王になれません。
フィリップ王子は、補助的な役割に徹し、できるだけ目立たないようにしなければなりませんでした。彼には、「女王の夫君(prince consort)という称号が与えられました。
数々の失敗や失言をし、王子はイギリス人を楽しませました。しかし、ある人たちは、彼にはまぎれもない魅力があったと言うでしょう。
一方で、ゴシップ誌は、彼が婚外の恋愛沙汰を何度もしていると報じました。
しかし、多くの人にとってフィリップ王子は、家族を信じる信念の人であり、最終的に、英国人の尊敬を勝ち取りました。
彼は2017年、95才で公務を引退しました。
女王の変わることのない支えでした。
モントリオールのラジオカナダ、アゼブ・ウォルデ・ジョルギスがお伝えしました。
単語メモ
cocasse (話)珍妙な、こっけいな
cerner 輪郭をはっきりさせる
en catastrophe 緊急に
se réfugier 避難する、逃れる、亡命する
se destiner à ~することに割り当てられる、志す
s’engager (軍に)志願する
premier lieutenant 中尉
un destroyer 駆逐艦
un couronnement 戴冠(式)
des journaux à potins ゴシップ誌 potins は、うわさ
une frasque 浮気 (たいてい複数形)
indéfectible 永続する、不滅の
フィリップ殿下、関連動画
Mort du prince Philip : quel était le rôle du mari de la reine d’Angleterre ?(フィリップ殿下の死:イギリス女王の夫の役割とは?)
2分37秒
フィリップ殿下に関しては、エリザベス女王の伝記や、映画・ドラマで知っているぐらいで、詳しくは知らないのですが、まず、99才まで生きていたというのがすごいし、つい数年前まで、公務をしていたのも称賛に値すると思います。
彼が公務を引退したのは96才のときです。
女王と70年以上結婚をしていて、ずっと女王をサポートしていたのも、偉業ですよね。
2人とも、今から100年近く前に生まれたせいか、現在の王室のメンバーとは価値観が違い、自分の立場や役割をよく理解し、責任をもって公務にあたる人という印象です。
99才だから大往生と言えますが、亡くなられたのは寂しいですね。
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しばらくイギリス王室の記事を書いていなかったのですが、久しぶりに書いた記事が悲しい知らせで残念です。
女王は、長年の伴侶をなくして、おさみしいでしょうね。
最近は、ハリー王子夫妻のことや、ブレクジット、新型コロナウイルスのことなど、いろいろ思い煩うことも多いと思います。
ですが、フィリップ殿下のような、パートナーと巡り会えたのは、ラッキーなことだったと言えるでしょう。
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