2025年12月28日、フランスのイコン、ブリジット・バルドーが91歳で亡くなりました。
⇒Brigitte Bardot, icon of French cinema, dies at 91 | Reuters
ニュースを聞いたとき、想像以上にショックを受けました。
今回は、彼女が出演した映画を5本ピックアップしている動画を紹介します。
タイトルは、Brigitte Bardot : ses cinq films cultes… et la rencontre avec une chèvre(ブリジット・バルドー:5本のカルト映画…そしてヤギとの出会い)
女優として20年足らずのキャリアで伝説となったバルドー。その代表作と、引退のきっかけとなったエピソードが紹介されています。
バルドーの5本の映画
3分で、代表作と引退後の転身がわかります。
2分49秒
トランスクリプション
Brigitte Bardot est décédée ce 28 décembre à l’âge de 91 ans.
Connue d’abord comme mannequin, puis comme chanteuse, elle restera surtout l’une des grandes figures du cinéma français avec une carrière d’actrice qui aura duré moins de 20 ans.
Voici quelques extraits de ses films les plus emblématiques.
En 1952, Brigitte Bardot fait ses premiers pas au cinéma dans Le Trou Normand de Jean Boyer.
Elle joue aux côtés de Bourvil avant même d’avoir 18 ans.
[映画クリップ]
Avec ta mère voyons !
Et toi tu as marché
Pourquoi qu’elle a dit ça à la tante ?
Mais pour avoir ton auberge… écoute Paul tu me fais de la peine. Tâche de me comprendre. J’ai pas faite pour toi ni pour vivre à Courteville. Que maman le veuille(?) ou non demain je partirai vivre ma vie.
En 1956, elle se fait particulièrement remarquer dans le film Et Dieu… créa la femme réalisé par son ex-mari Roger Vadim.
Elle y incarne Juliette Hardy, une jeune orpheline sensuelle qui fait vaciller plusieurs hommes de Saint-Tropez.
[映画クリップ]
J’aime trop m’amuser.
Joli comme tu es, c’est normal.
Je sais pas, c’est toujours comme si j’allais mourir le lendemain.
Le film, triomphe public, choque toutefois les milieux conservateurs.
Plusieurs scènes de nus sont même censurées en France.
En 1960, Brigitte Bardot joue dans La Vérité d’Henri-Georges Clouzot, un drame franco-italien qu’elle a qualifié comme étant son meilleur film, malgré la difficulté du tournage qui avait fini par lui donner des envies suicidaires.
[映画クリップ]
Un crème !
Quel est le homme qui craque ?
Moi, je t’invite ?
Merci, je lis trait de caractère, tu permets ? Je note.
Note quoi ?
Ah, tu es pas au courant.
En 1963, elle joue dans Le Mépris de Jean-Luc Godard, un film mythique des années 60 qui la propulse encore davantage dans le cinéma français, avec notamment cette réplique culte :
[映画クリップ]
Tu vois mes pieds dans la glace ?
Oui.
Tu les trouves jolies ?
Oui, très.
Et mes fesses, tu les aimes ?
La carrière de Brigitte Bardot s’arrête brutalement en 1973, après une quarantaine de films à son actif.
Elle joue à 38 ans dans son dernier long métrage L’Histoire très bonne et très joyeuse de Colinot Trousse-Chemise, une comédie écrite par Nina Companeez.
Brigitte Bardot fait le choix d’arrêter sa carrière pour se consacrer à la cause animale.
Après notamment avoir fait la rencontre d’une chèvre apeurée sur le tournage de ce même film, l’actrice qui apprend que la chèvre va bientôt être abattue pour une fête, décide de l’acheter et la baptise Colinette en hommage à son dernier film.
13 ans plus tard, elle crée la Fondation Brigitte Bardot dont la mission est la protection des animaux sauvages et domestiques.
和訳
※映画のセリフは前後の場面がないため、訳は雰囲気をつかむ参考としてお読みください※
ブリジット・バルドーが12月28日、91歳で亡くなりました。
まずモデルとして、次に歌手として知られましたが、何よりも、20年足らずの女優キャリアでフランス映画界を代表する存在として記憶されるでしょう。
彼女の最も象徴的な映画から抜粋をいくつか紹介します。
1952年、ブリジット・バルドーはジャン・ボワイエ監督の『Le Trou Normand(邦題:ノルマンディーの穴)』で映画デビューを果たします。
18歳になる前に、ブールヴィルと共演しました。
(映画のセリフ)
– お母さんと一緒だな
– それで、あなたはその話を信じたのね
– どうして彼女があんなことを伯母さんに言ったと思う?
– あなたの宿のためよ
– ねえポール、あなたは私を悲しませるわ。わかってほしいの。私はあなたのために生まれてきたんじゃないし、クルトヴィルで暮らすためでもない
お母さんがどう思おうと、明日私は自分の人生を生きるために出ていくわ
1956年、元夫ロジェ・ヴァディム監督の『素直な悪女(Et Dieu… créa la femme)』で特に注目を集めます。
彼女はジュリエット・アルディを演じました。サントロペで複数の男性を惑わせる、官能的な若い孤児です。
– 私、遊ぶのが大好きなの
– 君みたいにきれいなら、それは当然だよ。
– どうかしら。いつも明日死ぬような気がしているの
この映画は大ヒットしましたが、保守派には衝撃を与えました。
いくつかのヌードシーンはフランスでも検閲されました。
1960年、ブリジット・バルドーはアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の『真実(La Vérité)』に出演します。このフランス・イタリア合作のドラマを、彼女は自身の最高傑作と評しました。撮影が非常に困難で、自殺願望を抱くほどだったにもかかわらず。
(映画のセリフ)
- カフェオレひとつ!
- で、誰が君に落ちるんだ?」
- 私よ。おごってあげようか?」
- ありがとう。俺は人の性格を読むんだ。いい?メモしておくよ。
- 何をメモするの?
- ああ、知らないんだね。
1963年、彼女はジャン=リュック・ゴダール監督の『軽蔑(Le Mépris)』に出演します。60年代を代表するこの伝説的な映画で、彼女はフランス映画界での地位をさらに確固たるものにしました。特にこの名セリフで知られています:
– 鏡に映った私の足、見える?
– ああ
– きれいだと思う?
– うん
– じゃあ私のおしりは好き?
ブリジット・バルドーのキャリアは1973年に突然終わりを迎えます。約40本の映画に出演した後のことでした。
38歳の時、最後の長編映画『L’Histoire très bonne et très joyeuse de Colinot Trousse-Chemise(スカートめくりのコリノのとても素敵なとても楽しい物語、邦題:華麗なレッスン)』に出演しました。ニナ・コンパネーズが脚本を書いたコメディです。
バルドーは、動物愛護活動に専念するためにキャリアを終える決断をしました。
特にこの映画の撮影中に、怯えた一匹のヤギと出会ったことがきっかけでした。そのヤギがまもなく祭りのために屠殺されると知った彼女は、ヤギを買い取り、最後の映画にちなんで「コリネット」と名付けました。
13年後、彼女はブリジット・バルドー財団を設立しました。野生動物と家畜の保護を使命とする団体です。
単語メモ
décéder 亡くなる(mourir のフォーマルな表現)
mannequin (ファッション)モデル (m)
emblématique 象徴的な
faire ses premiers pas 第一歩を踏み出す、デビューする
aux côtés de ~ ~と並んで、~と共演して
incarner (役を)演じる、体現する
faire vaciller ぐらつかせる、動揺させる
triomphe 大成功、勝利 (m)
censurer 検閲する
propulser 推進させる
réplique セリフ、返答 (f)
à son actif (業績として)~を持って
se consacrer à ~ ~に専念する、身を捧げる
abattre (動物を)屠殺する、殺す
baptiser 洗礼を施す、名付ける
プチ文法:ニュースに出てくる前未来
une carrière d’actrice qui aura duré moins de 20 ans 20年足らずの女優キャリア
この「aura duré」は前未来形(futur antérieur)です。
前未来は、未来のある時点より前に完了していることを言う時制ですが、ニュースや説明文では別の使い方がよく出ます。
ここでは、未来の話をしているのではなく、説明している人物の人生がすべて終わった後に、語り手が総括しています。
qui a duré moins de 20 ans でも意味は同じです。(20年未満続いた)。
でも qui aura duré にすると、「(彼女の人生・評価が確定した今)結果としてそうだった」という 総括・結論 の響きが強くなります。
ここでは、バルドーの死という未来の時点から見て、それ以前に完了していることを表しています。
報道などで、人生を振り返るときによく使われる形です。
◆前未来形の作り方
助動詞 avoir/être の単純未来形 + 過去分詞
ほかの例:
Dans deux ans, j’aurai terminé mes études. 2年後には、私は学業を終えているだろう。
Quand tu arriveras, il sera déjà parti. 君が着く頃には、彼はもう出発しているだろう。
ブリジット・バルドー、関連動画
Mort de Brigitte Bardot : l’histoire d’une icône(ブリジット・バルドー死す: イコンの物語。)
バルドーの人生をより詳しく紹介した動画です。
5分2秒
◆内容のまとめ:
1.世界的なセックスシンボルの誕生
1934年パリ生まれ。モデルを経て映画『素直な悪女(そして神は女をつくった)』(1956年)でブレイクし、女性の性的解放と自由を象徴するイコンとなりました。
2.映画界での華々しい活躍
ゴダール監督の『軽蔑』や『ビバ!マリア』などに出演し、当時の大女優ジャンヌ・モローらと並ぶスターとして映画史に名を刻みました。
3.歌手活動とミューズとしての顔
セルジュ・ゲンズブールのミューズとして「ハーレー・ダビッドソン」などの楽曲を残し、ポップカルチャーにも大きな影響を与えました。
4.サントロペとファッションへの影響
南仏サントロペに別荘「ラ・マドラグ」を構えて同地を世界的リゾートに押し上げたほか、彼女の髪型やファッションは世界中の女性に真似されました。
5.過熱報道と芸能界引退
パパラッチによる過酷なプライバシー侵害(自宅出産を余儀なくされるほど)に苦しみ、1973年に突如として映画界からの引退を決断しました。
6.動物愛護活動家へ
引退後は動物愛護に人生を捧げ、アザラシ狩りへの抗議や捨て犬の保護など、動物たちの代弁者として精力的に活動しました。
7.晩年の論争と孤独
晩年は極右政党関係者との結婚や、人種差別的・イスラム嫌悪的な発言で複数回の有罪判決を受けるなど物議を醸しましたが、最後まで愛する動物たちに囲まれて過ごしました。
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私はバルドーの大ファンというわけではありませんが、50年代~60年代の映画を見ると、かわいいし、セクシーだし、魅力的だと思います。
昔、バルドーのブロマイド(死語?)で作ったような絵葉集(文庫本のようになっていた)も持っていました。
こうして彼女の生涯を見てみると、自分に正直な人なんだろうと思います。
バルドーはブルジョアの生まれで、きびしいしつけを受けてきたので、わりと素直なタイプだと思います。
でも、大スターになり大衆や映画製作サイドの要求に応えているうちに疲れ果て、人間嫌いになったと私は思っています。
いずれにしろ、わずか20年足らずのキャリアで、フランス映画史に消えない足跡を残しました。
彼女の死はフランス語圏だけでなく、英語圏や日本などでも大きな話題になっています。
彼女が映画界にもたらしたインパクトは、色あせることはありませんね。
ご冥福をお祈りします。












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