虎と小鳥のフランス日記のバック・ナンバー、今週は第5話です。
この回は第4話 サント・ジュヌヴィエーヴの丘の続きで、カミーユがムフタール通りのマルシェで買い物をします。
ムフタール通りはパリの5区にあるゆるやかな坂道。約700メートルの通りに、八百屋、果物屋、チーズ屋、酒屋などさまざまな食品店が並び、毎日のようにマルシェが行われる通称「パリの胃袋」と呼ばれる場所です。
パリに住む人々の胃袋を支えているというわけ。
グルメな人なら「むふっ」と喜んでしまいそうなこの場所。通称もLa Mouff(ムフ)です。
サヴォア風チーズフォンデュ「虎と小鳥のフランス日記」第122話で登場した店もこの界隈にありました。
きょうのメニュー
・3つのキーフレーズ
・キーフレーズの解説
・ムフタール通り
では、キーフレーズをチェックしましょう。
3つのキーフレーズ
よくしゃべる店員のいるコーヒー店でのやりとり。
コーヒーを買う
自宅用のコーヒーが欲しいのですが。
Je voudrais un café pour chez moi.
買うものを相手に伝える
こちらにします。
Ben, je vais essayer celui-là.
袋がほしいかどうか聞く(店員さんが)
袋は入りますか?
Vous voulez un sac ?
キーフレーズをちょっと解説
これください
Je voudrais ほしいもの。
きょうはvouloirがたくさん出てきました。
確か前回も出てきましたね。買い物の必須表現です。
日本語だと、あまり「ほしい(vouloir)」とは言わず、一気に「ください」となりますが、フランス語では、「ほしい」というのを条件法にして丁寧に頼みます。
●こちらは、カミーユがさくらんぼ買うときに使っていた表現
さくらんぼを2つかみほどください。
Je voudrais des cerises. Je sais pas, à peu près deux poignées.
バラで売っている場所で使えそうですね。
poignée
一握り、ひとつかみ
une poignée de sable
一握りの砂
と書くと、子どもが砂浜で、砂をげんこつ握りしてる雰囲気ですが、「一握の砂」と書くと石川啄木の歌集です。啄木の作品はフランス語でも翻訳があります。
いりますか?
Vous voulez 〇〇 ?
〇〇はご入用ですか?
〇〇をあげましょうか?
vouloirの主語を2人称にすると、相手に何かが必要かどうか尋ねる表現となります。また、「これ、どうぞ」のように、すすめる感じでも使えます。
vouloirについてはこちらをどうぞ⇒「まいにちフランス語」18:L40~動詞 vouloir
こちらにします
Je vais essayer celui-là.
essayer 「試す」という動詞を使っていますが、コーヒーを買うときに「じゃあ、今回はこれを試してみます」というニュアンスで言っています。
別にコーヒーを試着するわけではありません。
その前にさんざん、「こんなコーヒーがあります、あんなのもあります。これもおいしいですよ。これもフルーティでいいです」、などなど、いろんな選択肢を店員さんに提示されたため、「(あ~よくわからんないけど)これを試してみますわ」という感じです。
Rue Muffetard ムフタール通り
サント・ジュヌヴィエーヴの丘にある通り。
この場所はなんと新石器時代からあるそうです。古代ローマ時代はローマ人の路の一つでした。中世になって、教会が建ち始め、18世紀にだんだん今のような通りになってきます。この場所は昔からほとんど変わっていないそうです。
まさに、パリの古い通りで、食品ならなんでも揃う雰囲気。旅行サイトにも、食べ物を買うなら、ここ、といった記述が多いです。
キャプチャーでちょっとご紹介します。
【関連記事もどうぞ】
●この日歌っていたオー・シャンゼリゼの訳詞
⇒フランス語の歌の定番:オー・シャンゼリゼの訳詞
●カミーユが見ていた漫画、タンタンについて
⇒タンタンについて淡々と語る アメブロです。
道端で「オー・シャンゼリゼ」を歌っていましたが、みんなで楽しむ歌とダンスはマルシェが開いているときは、いつもやっていて、ピアフなど古いシャンソンを歌っているようです。古いパリの雰囲気が味わえる場所ですね。
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