Les Héritiersというフランス映画のスクリプトのフランス語で学習中。今回は後編です。文字化け防止のため、記事タイトルのアクサンは抜いています。映画のタイトルは「レゼリティエ」と読みます。
パリ郊外の学級崩壊しかかっているクラスの担任になったマダム・ゲゲンは、クラスをまとめるプロジェクトとして、Concours National de la Résistance et de la Déportation(レジスタンスと強制収容所監禁に関する国内コンクール)に参加することを生徒に提案します。
Les Héritiers 予告編のフランス語
先生が生徒に話す言葉は、文法にそっているちゃんとしたフランス語なのでわかりやすいですが、生徒同士で話す言葉はカジュアルなので難しいです。
学園ものは2種類のフランス語が学べてお得かもしれません。
今回は50秒以降から最後まで。
スクリプト
Madame, pourquoi on parle toujours des juifs ?
Les enfants et les adolescents.
Pas de religion, pas de nationalité…
Y a pas plus funky là, comme concours ?
Je pense, moi, que vous avez énormément de choses à dire là-dessus.Vous trouvez ça bien raisonnable de faire passer ce concours à votre seconde? Moi, je vois ça comme du temps perdu,
puis du temps que vous pourriez consacrer à d’autres élèves qui le méritent plus.C’est meilleur, ce qu’on a fait. Tu peux remballer ton travail.
Stop! Vous ne vous parlez pas. Ça ne change pas.
Il ne faut pas en parler comme des élèves.
Il faut en parler comme des enfants, chacun avec sa différence et avec sincérité.
Et ça, je sais que vous êtes capables de le faire.À travers les livres, les films, les documents, tout ça…
C’est un peu comme si on faisait des rencontres.
和訳
先生、なぜいつもユダヤ人の話ばかりなんですか?
子どもたちとティーンエージャーの話です。宗教や国籍ではありません。
コンクールよりファンキーなことは何もないと?
このテーマについて言いたいこと、みなさんいはすごくたくさんあると思うのです。
2組をコンクールに出場させるのが妥当だと思ってるんですか?時間の無駄だと思いますよ。もっと教えがいのある子どもたちに時間を費やすべきです。
僕達がやったやつのほうがいいよ。そっちはやり直せよ。
やめなさい。おしゃべりしないの。そんなことしても何も変わりません。
生徒として語るべきではありません。それぞれが違いを持った、それぞれの誠実さをもった子どもとして語るのです。
そうすれば、皆さんにもできます。
本や映画、書類などから知ること、それはちょっとした巡り合いのようですね。
スクリプトはこちらを参考にしました⇒Bande-annonce: Les héritiers
映画の概要は初回の記事に書いています⇒学級崩壊したクラスに赴任した歴史の先生はどうしたか?:Les Héritiersの予告編のフランス語(前編)
単語メモ
funky ファンキー 元英語
mériter ~に値する
remballer 荷造りしなおす;引っ込める、言わずにおく
Vous trouvez ça bien raisonnable de faire passer ce concours à votre seconde? Moi, je vois ça comme du temps perdu, puis du temps que vous pourriez consacrer à d’autres élèves qui le méritent plus.
直訳:あなたは自分の2組をコンクールに出場させることが充分まともであると思っているのですか?私は、それは時間を失うことであり、あんたはもっと教えがいのある他の生徒に時間をついやすべきだと思います。
今回のお話
生徒の可能性を引き出したいゲゲン先生は、劣等生や問題児が集まるクラスであえて難しいコンクールに出場しようとします。
もちろん先生は生徒たちのことを信じていますが、校長先生(?)は「バカバカしいからやめろ」と忠言します。
生徒たちも最初はあまりやる気がない感じ。
しかしリサーチをすすめ、ナチ占領時代の子どもたちのことを知るうちに、自分たちのやっているプロジェクトに意味を見出していきます。
この映画は2014年12月にフランスで公開されました。フランスではヒットしたようです。
同じホロコーストを扱っていても、サラの鍵ほどエンターテイメント性がないというか、ちょっと地味なので、日本では公開されないでしょうね。
教師という職業についている人には興味深い映画ではないでしょうか。
人間は同じような歴史を繰り返しているので、過去からは何も学んでいないようでもありますが、歴史について学ぶことは意義がありますね。
学校のプロジェクトとしてやるのもいいと思います。プロジェクトがないと、学習にメリハリがつきません。
コンクールのように「競わせる」というのもいいアイデアです。
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