フランスダイレクトスクールの動画教材、『不思議の国のFrancez』第35話の受講メモです。
先週登場したパリのフォトグラファー、Julie Coustarot(ジュリー・クスタロー)さんへのインタビューの続きです。
前回はこちら⇒自分の性格を語るフランス語の表現と偏見について | フランス語
今回は
●写真家になった理由
●ジュリーが日本の写真家とやっているプロジェクト
●都会と田舎のどちらが好きか?
●将来の夢
●写真家として暮らすことの難しさ
など、語ってくれました。
日本より芸術が大事にされている(と思われる)フランスにいても、写真家や画家として生きるのはなかなか大変なようです。
動画は9分ぐらいでしたので、いろいろなフランス語の自然な表現が出てきました。ここでは3つだけキーフレーズを紹介します。
今週のキーフレーズ
うんざりしました
ジュリーは日本の写真家と作品の文通のようなことをしています。紙に自分が撮影した写真を貼って、その上に糸や和紙を貼ったり、文字を書き添えたりした作品を送っているそうです。
彼女がこんなことを始めた理由はこれ:
Alors j’ai mis çà en place car j’en avais marre de travailler que sur mon ordinateur, que ce soit que numérique, j’avais envie de revenir à la matière.
こんなことを始めたのは、パソコンやデジタルツールでばかり仕事をするのがいやになったから。素材を使った手作業に戻りたいと思ったからです。
mettre qn en place 実施する
en avoir marre もうたくさんだ、飽き飽きする
j’en avais marre de (ne)travailler que sur mon ordinateur のqueは ne que の que で、ne 省略されています。
パソコンでしか仕事をしないことに飽き飽きした。
avoir envie de + inf. ~したい
最近のフォトグラファーはパソコンでの仕事の割合が多いようです。
重要である
将来どんなことをしたいか聞かれて
Et sinon, des sujet photos qui me tiennent à cœur, toujours…très souvent autour de la famme.
ずっと撮りたいと思っているのは女性にまつわるテーマです。
tenir à cœur à qn ~の心にかかる、~にとって重要である。
努力を惜しまない、全力でがんばる
日本のアーティストへのメッセージ
C’est difficile de créer, d’être artiste, mais qu’il faut y croire, être persévérant. Et se donner les moyens d’y arriver.
創作したり、アーティストでいることは難しいですが、信念を持ってやり続けるべきです。目標に向かって力いっぱいがんばることが大切です。
y croire 信じる
pérsévérant 粘り強い
se donner 自分に~を与える
les moyens (複数) 素質、才能、能力
すぐに使える表現5つ
Je suis vraiment dans l’image.
私はビジュアルの世界に生きています。
私はビジュアルで自己表現をするのが得意、ということです。
J’habite à dix minutes à vélo d’ici.
ここから自転車で10分のところに住んでいます。
C’est un milieu un peu fermé.
ちょっと閉ざされた世界です。
コネがないと入り込めないような場所のこと。
ジュリーの友だちの画家はアトリエを持っているけれど、展示会をするのがとてもむずかしいそうです。というのも、その世界は閉ざされていて、いつも同じ人が、援助を受けているのだとか。
Ça me permet finaicièrement d’être un peu plus tranquille et de faire mes séries.
その仕事をすることで、経済的に余裕ができ、落ち着いて自分の制作ができます。
その仕事とは、結婚式の写真を撮る仕事です。本来自分がしたい仕事をするために、日銭を稼げる仕事をする感じでしょうか。
Même si c’est souvent difficile, mais je suis très heureuse de faire ça.
時には大変なこともありますが、この仕事をすることができてとても幸せです。
芸術家として生きること
「写真家や画家として生きるのは大変」という話の中で、舞台関係の仕事をしている人は、仕事をしていないときも給料が支払われるシステムの話題が出ました。
これはintermittents du spectacle (舞台関係の不定期労働者)のことです。
舞台関係者は、舞台がない合間も、一定の条件を満たせば、政府からお金をもらえます。役者は、セリフを覚えたり役作りをしているので、興行中でなくても、仕事をしているとみなされるのです。
日本にはこんなシステムはないので、劇団の役者さんはいろいろなアルバイトをしていますね。
ジュリーは、役者は興行の合間も仕事をしているかもしれないが、日当で雇われている技術者(カメラマンや大道具さんとか)はべつに仕事をしてない気がするので、なんか、不公平な気がする、と言ってました。
je ne sais pas si c’est très bien équilibré, parce que les techniciens qui travaillent sont payés à la journée mais ensuite lorsqu’ils ne travaillent pas, sont quand même rémunérés.
このシステムについてはこちらに書いています⇒フランスの舞台関係者の不定期労働とは?
ただ、不定期労働者として、お金をもらうには、働いた日数など細い条件があります。
舞台関係者は舞台関係者で、このシステムでもらうお金が足りない、と政府に文句を言っています。
いずれにしろ、役者や写真家などのフリーの仕事、特に芸術にかかわる仕事で生計を立てるのは難しいのでしょうね。
有名な役者や、売れっ子の画家になれば、すごく高給を取れるでしょうが、大部分の人たちは、無名であり少ない収入をやりくりして暮しながら自分の芸術を追求しているのです。
しかし、こういう仕事をする人がいるから、その国が文化的に潤うわけです。
ふつうのサラリーマンからしたら、こういう人たちは何となく遊んでお金をもらっているようにも見えますが、「安定」のない芸術家は、サラリーマンよりきついと思います。
成功するためには、「自分を信じて、力の限りがんばれ、粘れ」とは、前に出てきたアレグザンドラも言っていたことです。
アレグザンドラの回⇒パリの女流フォトグラファーに聞く成功の秘訣
確かにそのとおりですし、たぶんそんなことは、もうみんな知っていると思います。
問題は、いかに継続するか、ということです。
「継続する力も生まれつきの才能である」という意見もあります。できるだけ継続しやすいように自分で環境を整えたり、システムを作っていくしかないですね。
この続きはこちら⇒私が歌の世界で実現したいこと~パリのモンマルトルで歌う歌手にインタビュー
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