シュケット

フランスのお菓子

簡単おやつ、シュケットの作り方:フランスのお菓子(22)

フランスの子どもたちが大好きなおやつ、シュケット(シューケット)を紹介します。

chouquette というスペルからわかるようにシュークリーム(chou à la crème)の生地を小さく絞り出して、上にあられ糖(ワッフルシュガー、パールシュガー)をふりかけた焼き菓子です。

日本ではシューケットと呼ぶことが多いようですが、フランス語の発音は、どちらかというとシュケットです。

まずシュー生地の歴史を少し紹介します。

シュー生地はいつできたのか?

シュケットとかシュークリーム、エクレアの生地はシュー生地ですが、これはフランス語で、pâte à choux (パタシュー)といいます。

シュー生地が生まれたのは16世紀です。

この生地はフランスの王様アンリ2世の王妃、カトリーヌ・ド・メディシスの料理人(パティシエ)、ポペリーニ(Popelini)が、1540年に開発したと言われています。

といってもいきなり作ったわけではなく、前任のパティシエのレシピを完成させたのだと思います。

14世紀になってルネッサンスが始まったのはイタリア。イタリアはローマ時代からの伝統があり、この頃はフランスよりも文化的に進んでいました。料理もまたしかり。

しかし、フランスがだんだんパワフルになってきたため、イタリアはフランス王室との政略結婚をすすめました。カトリーヌは、イタリアのメディチ家の出身で、イタリアの進んだ生活様式をフランスに持ち込んだのです。

アイスクリーム、マカロン、フロランタンなどもカトリーヌのおかげでフランスに広まった、とも言われます。

しかし、学者によっては、すでにフランスの食文化はイタリアと同じぐらい進んでいた、と主張する人もいます。いずれにしても、カトリーヌは、大変な美食家で、晩年はどんどん太っていったそうです。

5月1日、スズランの日にスズランを贈るようになったのは、カトリーヌが始めたこと、という説もあります⇒5月1日、メーデー(労動祭)の由来は何?  カトリーヌ・ド・メディシスの子ども、シャルル9世がこの日をスズランの日と制定しました。

☆カトリーヌ・ド・メディシスについてはこちらの記事で詳しく書いています⇒パリ・オペラ座バレエ学校の『小さなネズミたち』

シュー生地の特徴は、軽くてふくらむところにあります。

ましてやシューケットは一口サイズなので、どんどん食べてしまいますね。

では、いつものように750gのシェフダミアンとサンドラのレシピからごらんください。

失敗しないシュケットの作り方

inratable は しくじるはずがない、という意味。rater は「不発に終わる、失敗する」という意味の動詞です。

シュケットの材料

250g d’eau  水 250グラム
80g de beurre  バター 80グラム
1 pincée de sel  塩ひとつまみ
125g de farine  小麦粉 125グラム
3 à 4 œufs  卵3~4個
Sucre grain  あられ糖

照りをつけるための卵と塩ひとつまみ

作り方

1.鍋に水をいれて火にかける。バターを少しずつ入れる(シェフダミアンはカットしながら入れてます)。塩を入れる。

2.沸騰したら、火からはずして、小麦粉を入れ、木のスプーンなどでぐるぐるかきまぜる。

3.小麦粉が水を吸ったら、弱火にかけて、鍋からくるりと取れるようになるまで生地をかきまぜる。

4.火からおろして生地が少しさめてから、卵を1つずつ入れて、生地をゆるくする。

5.生地を持ち上げたとき、びろーんと逆三角形の形に伸びるぐらいになったら、卵を入れるのをやめる(生地がぶつぶつと切れるのは固すぎます)。

☆丁度いい硬さにするために、最後のほうに入れる卵はいきなり1つぼんと入れるのではなく、溶き卵を少しずつ入れます。

6.生地を絞り出し袋に入れてベーキングシートやベーキングペーパーの上に小さく絞りだす。

7.照りをつけるために、溶き卵に塩をちょっと入れたものを刷毛で塗る。このとき、スプーンや刷毛で形を整える。

8.あられ糖を盛り付ける

9.180℃のオーブンで15分ぐらい焼く。ぶわっとふくらんだら焼けています。

温かいうちに食べてください。

次はmarmitonのレシピです。こちらはベーキングパウダーを入れます。

シュケットの作り方2

 

材料

1/4 de litre d’eau 水1/4リットル(250cc)

100 g de beurre doux 室温で柔らかくしたバター 100g

150 g de farine 小麦粉 150グラム

1 cuillère à soupe rase de sucre semoule パウダーシュガー大さじ1

1/2 cuillère à café de sel 塩小さじ半分

1/2 cuillère à café de levure chimique ベーキングパウダー 小さじ1/2

1 sachet de sucre vanillé バニラシュガー1パック(10グラムぐらいでしょうかね?まあ、なくても大丈夫です)。

3 gros oeufs ラージサイズの卵3個

sucre perlé あられ糖

作り方

1.鍋に水とバターを入れて加熱。

2.小麦粉に他の粉類を全部入れて混ぜておく。

3.バター入りの水が沸騰したら鍋を火からはずして、粉類を投入。

4.生地が鍋肌からつるりと取れるまで、しっかりかきまぜる。

5.オーブンを210度に予熱。

6.生地を少しさめてから、卵を1個ずつ投入し、ちょうどいい硬さの生地を作る。

7.天板にオーブンシートを敷く。

8.絞り出し袋に生地を入れ、小さく絞り出す。

9.指で表面に水をつけつつ形を整える

10.あられ糖をのせる

11.210℃で15分焼く

ベーキングパウダーを入れていますが、別にいれなくてもふくらみます。

水の代わりに牛乳を使うレシピもあります。

レイチェル・クーのシュケット

最後にイギリスの料理研究家レイチェル・クー(Rachel Khoo)のThe Little paris Kitchen (パリの小さなキッチン)のシュケットを紹介します。

レイチェルさんのレシピはいつも独自のアレンジが入っています。

外国人がパリに対していだいているイメージに合ったかわいいキッチンやレトロなファッションが人気です。

レイチェルが言っているように、チーズをトッピングすれば gougères (グージェール)という甘くないスナックになります。シュー生地は基本的に砂糖を入れないからです。

シュケットはシュークリームみたいに、クリームを詰めなくていいので簡単です。材料も水とバターと小麦粉と卵だけです。

道具も鍋と絞り出し袋だけなので、後片付けも楽ではないでしょうか?

絞り出し袋をきれいに洗うのはちょっと面倒ですが。






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