2013年、カトリーヌ・ドヌーブ主演の Elle s’en va という映画の予告編をご紹介します。邦題は「ミス・ブルターニュの恋」です。
Elle s’en va(邦題:ミス・ブルターニュの恋)
唐突に始まり、イディオムが多く、聞き取りはかなり難しいのですが、とりあえず、ドヌーブの役名は聞き取れるでしょうか?
それからタバコをもらおうとするシーンは決まり文句なので聞き取りやすいと思います。知らない人が相手なので、丁寧にゆっくり話しています。
スクリプトと和訳
きょうは40秒までチェックします。
En gros, là, il vous reste trente jours pour payer.
Alors, je… je fais quoi ? Je mets la clé sous la porte ? C’est ça ?
Je reviens.
要するに、あなたが支払うまでに30日あるわ。
さて、私はどうすれば?出て行けばいいのよね?そうよね?
あとで、戻ります。
Est-ce que vous auriez une cigarette, s’il vous plaît ?
J’ai jamais su rouler les cigarettes comme ça.
タバコをお持ちですか?
そんなふうにタバコを巻くの私には絶対できないわ(←決して巻き方を知りませんでした)。
Alors, qu’est-ce qu’on fait là ? Tu t’es paumée ?
Je… je vais pas tarder.
On a rencard avec quelqu’un ? On cherche la bête ?
ここで何してるんだい?道に迷ったの?
す、すぐにここから出るわ。
誰かと約束してるの?相手を探してるの?
Il paraît que tu es en fugue ? Enfin je m’en fous. Ça me regarde pas. Mais là, il se trouve que je suis en galère avec mon fils. Donc si tu pouvais t’intéresser à nous deux secondes. Mon fils doit aller passer les vacances chez son grand-père.
逃げてるみたいね。まあ、どうでもいいわ。私の知ったこっちゃない。でも、私も息子と大変なのよ。まあ、もし母さんが、私たちにほんの一瞬でも興味があれば、ってことだけど。息子はおじいさんと一緒にバカンスを過ごす予定よ。
単語メモ
en gros おおよそ、おおざっぱに
Racontez cela en gros.
そのことのあらましを話してください。
mettre la clé sous la porte
clé は clef (鍵)
鍵をドアの下に置く、が直訳ですが、イディオムで、「こっそり逃げる、夜逃げする、旅立つ、出て行く」
su < savoir 過去分詞
se paumer (話)道に迷う = se perdre
tarder 遅れる、ぐずぐずする
être en fugue 家出している
fugue は音楽の「フーガ、遁走曲」ですが、「失踪、家出」という意味あり。
se foutre de qn/qc ~を馬鹿にする、問題にしない、無視する
Je m’en fous complètement.
そんなの全然知ったことじゃないよ。
※この表現は先日チェックしたフランスの女子学生の「今年の目標」にも出てきました。
Ça me regarde pas. 私には関係ない。
Il se trouve que + ind. たまたま~である、~であることが分かる
être en galère 過酷な状況にある、問題がある、大変困っている、みじめな状況にある。
※galère はガレー船。ずいぶん昔からあるこいで進む大型船。おもに地中海を走っていました。18世紀まで用いられた櫂(かい)と帆で走る軍艦や商戦。17世紀ぐらいから、流刑人護送船となり、奴隷や囚人にこがせていました。
★スクリプトはこちらを参考にしました⇒A voir peut-être | Je dis, tu dis, il dit, nous disons…
☆この続きはこちら⇒映画:Elle s’en va(ミス・ブルターニュの恋)予告編のフランス語 後編
タイトルの Elle s’en va 直訳は「彼女は立ち去る」s’en aller は「立ち去る、帰る」。
あらすじ:ドヌーブ(Bettie)はブルターニュでレストランをやっています。娘とその息子(つまり孫)とは疎遠です。既婚の男性が好きなのですが、うまく行きません。また、銀行に借金があるか何かして、レストランを閉めなければいけない羽目になります。
自分の人生がとことんイヤになって、ある時発作的に、家出します。用事をしていたときに家に戻らずに、そのまま、どんどん気の向くまま運転してしまうのです。
監督はエマニュエル・ベルコ(Emmanuelle Bercot)。この人は女優であり監督もする人です。
予告編を見た限りでは「あんまりおもしろそうじゃない」、というか、わりとありきたりな話ですよね? 特に、ドヌーブじゃなきゃいけない役という気はしないのですが、映画全体を見ていないので、何とも言えません。
ドヌーブは1943年、10月22日生まれなので、現在70歳。そう考えると若く見えますね。
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