フランスでは、5月1日はメーデーであり、スズランの日(Jour de muguet)です。
メーデーは国際的な労働者の祭典。1886年のこの日、アメリカで行われた8時間労働を求めるゼネストとデモが発端となって生まれました。
スズランの日はフランス独自の風習です。この日は親しい人や家族の幸運を祈って、スズランを贈る習慣があります。なぜスズランを贈るのでしょうか?
きょうはこの「スズランの日」の起源について読んでみました。
なぜ5月1日がスズランの日なのでしょうか?
Pourquoi le 1er mai est la fête du muguet ?
Depuis le Moyen-Age. 中世から
Il semble que le muguet aussi appele lys des vallees, une plante originaire du Japon, soit presente en Europe depuis le Moyen-Age.
La plante a clochettes a toujours symbolise le printemps et les Celtes qui lui accordaient des vertus porte-bonheur.
日本生まれのスズラン(ミュゲ muguet またの名を リリードゥバレー lys de vallees)は、中世の頃からヨーロッパにあると考えられています。
この小さな鈴の形をした花は、いつも春の象徴で、ケルト人は、幸運をもたらすものと考えていました。
Le 1er mai 1561 1561年の5月1日
le roi Charles IX officialisa les choses : ayant reçu à cette date un brin de muguet en guise de porte-bonheur, il décida d’en offrir chaque année aux dames de la cour. La tradition était née.
シャルル9世が、正式にこの日を制定:この日に、一茎のスズランが幸運をもたらすとして、シャルル9世が、毎年5月1日に、宮廷の女性にスズランを贈ることを決めました。こうしてこの伝統が生まれたのです。
スズランはまた恋人たちの出会いの花でもあります。
ヨーロッパでは長いあいだ、「スズラン舞踏会 bals du muguet」が行われていました。父兄が口出しできない、その年の唯一の舞踏会です。
舞踏会では、若い女性は白いドレスを身にまとい、男性はラペルホールにスズランの花を飾りました。
A Paris, au debut du siecle, 20世紀の初め、パリで
服飾デザイナーが職人や、お針子に3本のスズランを贈りました。
1976年になって、この日がメーデーとかかわりを持つようになりました。デモをする人のボタンホールに、それまでのノバラの花や、赤い三角(le triangle rouge)にかわって、スズランの花を飾るようになったのです。
赤い三角は、1日を仕事、睡眠、余暇の3つに分割することを表していました。
元記事 → 1er mai : les origines de la fête du muguet et du travail – Linternaute.com Actualité
単語メモ
clochette 鈴;釣り鐘型の小さな花
clochettes du muguet スズランの花
vertu 効力、効果
vertu magique 魔力
vertu médicale 薬効
en guise de+無冠詞名詞 ~として、のつもりで
en guise de remerciement 感謝のしるしに
furent < être 単純過去
avoir droit de cité 市民権を得る、公認される
boutonnière ボタンホール、ラペルホール
petite main お針子
remplacer とって代わる
églantine ノバラの花
スズランの日~関連動画
スズランの日の起源とメーデーとのかかわり
この動画では、上の記事に書いてあるのと同じことが、もう少し詳しく説明されています。赤い三角も出てきます。
スズランの日が出来る前から、領主たちは、森でスズランを見つけ、家に飾る風習があったそうです。
また、春の花で冠を作って、恋人に贈ったとか。
地方によっては「5月の木 l’arbre de mai」という風習が残っていて、4月30日に森で木を切って、家の前に飾ることもあるそうです。
スズランの出荷
2016年は天候のせいで、スズランの出荷が遅れているというニュースです。
この日は、道端でスズランを売っても許されるので、子どもたちが花束を売って、お小遣いにしたりします。また、各種団体も、スズランを売ることで資金を集めます。
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スズランを贈るのは古きよきフランスの習慣で現代では贈らない人もたくさんいるようです。とても可憐な花なのでいつ、もらってもうれしいですね。
スズランは花と根に毒があります。
食べたりしなければ大丈夫だと思いますが、花を食べてしまう犬とか、何でも口に入れてしまうお子さまのまわりでは、取り扱いに気をつけたほうがいいかもしれませんね。
すずらんの写真、とってもきれいですね。
ペンさんの選ぶ写真がいつも素敵なので、いいな~~~、と思って拝見しています。
ウェブ上で探されるのでしょうか?
フランスのすずらん祭はとても思い出深い日なので、読んでいて懐かしかったです。
やっぱり、フランス語、本腰入れないと!そう、毎年思っている…。
ママリーヌ空さん、こんにちは。
写真をおほめいただき、うれしいです。
ネットで配布されている無料の写真素材を使っています。
自分で撮影するのは、ペンギンのぬいぐるみぐらいですね。
スズランの日、思い出があるのですね。
私もスズランの香りが好きです。
とってもかわいい花ですよね。
フランス語、最近、私もサボリぎみ・・・