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南フランスの香水の街グラースにある、香水メゾン、フラゴナール(Fragonard)がトピックのニュース動画を紹介します。
フランスの地方局 France 3 Provence-Alpes-Côte d’Azur のニュースです。
タイトルは、Les Fragonard : une longue histoire de famille et de parfum à Grasse(フラゴナール家:グラースの家族と香水の長い歴史)
1926年に生まれたフラゴナールが、100年たった今も創業者の子孫によって経営されていることを伝えています。
1分35秒。フランス語の字幕はありません。
フラゴナールの100年:動画の内容
ナレーションには、Fragonard avec un F comme famille(家族、famille の F のフラゴナール)という言葉が出てきます。
3姉妹が受け継ぐ香水メゾン
創業者は今の経営者の曽祖父にあたります。現在は、ひ孫にあたるアンヌ、フランソワーズ、アニエスのコスタ3姉妹が経営しています。
社内には、1960年代に描かれた両親の肖像画も飾られています。
家族経営がここまで続いた理由を、姉妹の1人が語っています。
業界の慣習を破ってきたブランド
グラースの香水づくりは、長い伝統のある産業です。その中でフラゴナールは、ときには業界の慣習を破ることもしてきました。
2018年には、グラースの香水の技術がユネスコの無形文化遺産に登録されました。フラゴナールの経営者たちも、この登録に関わっています。
看板の香りはオレンジの花
フラゴナールは「瓶に詰めた自然」だと姉妹は言います。自然な香りと、腕のいい調香師がいることが、このメゾンの強みです。
看板の香りはfleur d’oranger(オレンジの花)。100周年の記念ボトルにも、この香りが選ばれました。
100周年を祝って、グラースにあるフラゴナールの4つの施設で展覧会も開かれました。
重要フレーズ
動画の中から、学習のポイントになりそうなフレーズを5つ紹介します。
1. 家族がまとまっていた幸運(0:30〜)
Nous avons eu beaucoup de chance d’être une famille très unie et la chance au fur et à mesure des générations de toujours trouver quelqu’un qui s’intéresse à ce métier.
私たちはとても幸運でした。家族の仲がとてもよかったこと、そして世代を重ねるたびに、いつもこの仕事に興味を持つ人がいたことです。
avoir de la chance de + 不定詞で「〜して幸運だ」。後半では nous avons eu が省略され、et la chance de… と、もう1つの幸運を並べています。
au fur et à mesure deは「〜につれて、〜に応じて」。ここでは世代が替わるごとに、という意味になります。
2. フラゴナールを200%生きる(0:30の続き)
Je vis Fragonard à 100% ou à 200%. Fragonard remplit ma vie.
私はフラゴナールを100%、いえ200%生きています。フラゴナールが私の人生を満たしています。
vivre は自動詞のイメージが強いですが、ここでは他動詞で、フラゴナールを生きる、つまり仕事と人生が一体になっているという意味です。vivre sa passion(情熱を生きる=好きなことに打ち込んで生きる)という言い方もあります。
3. 慣習を破る(0:45〜)
Dans cette industrie si ancrée à Grasse, la marque a parfois cassé les codes, comme en proposant aux clients de visiter les ateliers de fabrication.
グラースにこれほど深く根づいた産業の中で、このブランドはときに慣習を破ってきました。たとえば、お客さんに製造のアトリエの見学を提案したことです。
ancré(e) は ancre(いかり)から来た言葉で、いかりを下ろしたように、しっかり根づいている様子を表します。
casser les codes は、直訳すると規則を壊す。業界の決まりごとや常識を破る、という意味で、新しいことをしたブランドや人を紹介するときによく出てきます。
en proposant はジェロンディフ(en + 現在分詞)で、どうやって慣習を破ったのか、その手段を表しています。
4. 変わり続けながら、変わらない(0:54〜)
Ses dirigeants ont aussi contribué à classer les savoir-faire du parfum au patrimoine immatériel de l’humanité, se renouvelant sans cesse, sans vraiment changer.
経営者たちは、香水の技術が人類の無形文化遺産に登録されることにも貢献しました。絶えず新しくなりながら、本質はほとんど変わらずに。
classer A au patrimoine は、Aを遺産に登録する。contribuer à + 不定詞で「〜することに貢献する」です。
se renouvelant は se renouveler(新しくなる)の現在分詞です。文の最後の se renouvelant sans cesse, sans vraiment changer は、絶えず新しくなりながらも、本質は変わらないという姿勢を表しています。se renouveler と changer を並べたこった表現です。
5. ブランドを象徴する香りを記念ボトルに(1:23〜)
À ce point emblématique que la marque a choisi cette fragrance pour le flacon du centenaire.
この香りはブランドを強く象徴していて、100周年記念のボトルにも選ばれたほどです。
直前の文は、le parfum emblématique de Fragonard c’est la fleur d’oranger(フラゴナールを象徴する香りは、オレンジの花です)。それを受けて、emblématique をもう一度くり返し、どのくらい象徴的なのかを続けています。
à ce point + 形容詞 + que …は「…するほど〜だ」。主語と動詞(C’est)が省かれた形で、ニュースのナレーションらしい言い方です。この構文はプチ文法でチェックします。
flacon は香水などの小瓶、centenaire は100周年です。
単語メモ
maison (老舗の)メゾン、会社。maison de parfum で香水メゾン
arrière-grand-père 曽祖父
fondateur / fondatrice 創業者
descendant(e) 子孫
arrière-petite-fille ひ孫(女性)
diriger 経営する、率いる
dirigeant(e) 経営者、指導者
uni(e) 結束した、仲のよい
au fur et à mesure de 〜につれて、〜に応じて
métier 仕事、職業
ancré(e) 根づいた、定着した
casser les codes 慣習を破る
atelier de fabrication 製造工房
contribuer à 〜に貢献する
patrimoine immatériel de l’humanité 人類の無形文化遺産
se renouveler 新しくなる、刷新される
sans cesse 絶えず
nez 鼻。香水の世界では調香師のこと
formule (香水の)処方
marque de fabrique 商標。転じて、トレードマーク、持ち味
emblématique 象徴的な
fleur d’oranger オレンジの花
fragrance 香り
flacon 小瓶、香水瓶
centenaire 100周年
プチ文法:「とても〜なので…」の言い方
5つ目の重要フレーズに出てきたà ce point 〜 que …は、程度がとても大きいので、その結果…になる、という言い方です。
同じ意味で、もっとよく使うのがsi 〜 que …とtellement 〜 que …です。
(C’est)à ce point emblématique que …
→ ブランドが記念ボトルに選んだほど、象徴的な香り
動画では、que のない si も出てきます。
Dans cette industrie si ancrée à Grasse
→ グラースにこれほど根づいた産業の中で
この si は「これほど、とても」と程度を強めているだけで、結果は続いていません。
自作の例文
Ce parfum est si doux que je le porte tous les jours.
この香水はとてもやさしい香りなので、毎日つけています。
Il faisait tellement chaud qu’on ne pouvait pas sortir.
あまりに暑かったので、外に出られなかった。
Elle était à ce point fatiguée qu’elle s’est endormie dans le train.
彼女はとても疲れていたので、電車で眠ってしまいました。
à ce point は、程度の大きさを強調する言い方です。si や tellement より少し硬い感じがします。
グラースの老舗・関連動画
グラースにある、もう1軒の家族経営の香水メゾンを紹介する動画も紹介します。
Luxe et Parfum : À la Découverte de la Capitale Mondiale du Parfum(ラグジュアリーと香水:世界の香水の都を訪ねて)
3分50秒。フランス語の字幕はありません。
取り上げているのは、1849年創業のモリナール(Molinard)です。グラースで最も古い家族経営の香水メゾンの1つで、5世代にわたって技術を受け継いできました。
・毎日、無料のガイドツアーがあり、香水の歴史や原料、製法を見学できます。
・昔は、たった1キロの精油をとるのに、3.5トン近い花が必要でした。
・1日に約1,000個の石けんを作っています。包装したあと、ダンボール箱の中で3週間ほど寝かせて固くしてから売り出します。
・動画では、調香師(nez)は世界に約500人、そのうち180人がフランスにいると説明しています。養成校として、グラースとヴェルサイユの2校を挙げています。
・見学の目玉は調香のアトリエで、専門家に教わりながら、自分だけの香りを作れます(予約制)。
フラゴナールの動画とあわせて見ると、グラースの香水メゾンが今は見学や体験で人を呼んでいることがわかります。
香水とグラース:関連記事
グラースの香水づくりの歴史は、以前こちらの記事で取り上げました。手袋の革のにおいを消すために香水を使ったのが始まりです。
香水の名前(1)人気香水ランキング:かわいいフランス語教えます~その43
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グラースの香水メゾン、フラゴナールの100周年を伝えるニュースを紹介しました。
フラゴナールという名前は、グラース生まれの18世紀の画家、ジャン=オノレ・フラゴナールにちなんでいます。ぶらんこに乗った女性の絵で有名な画家です。この絵はルノワールの「ぶらんこ」の記事にも出てきます。
看板の香りのオレンジの花は、南仏のお菓子にもよく使われます。ナヴェットもオレンジフラワーウォーターで香りをつけるお菓子でした。南仏の人にとって、なじみのある香りなのかもしれません。
100年続く会社を、今も創業者のひ孫たちが経営しているのはすごいですね。家族の中に、いつも継ぎたい人がいたというのは、本当に幸運だったのだと思います。
みなさんは、好きな香りはありますか?
それでは、次回の記事もお楽しみに。
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