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映画『かぐや姫の物語』~その3

スタジオ・ジブリの映画、『かぐや姫の物語』について書かれた記事を和訳しています。きょうはその3回め。

記事のタイトルは
Le magnifique « Conte de la princesse Kaguya », le nouveau Ghibli
素晴らしい『かぐや姫の物語』、ジブリの新作

この映画、フランスでは6月25日から公開中。

本日はこの映画の監督の高畑勲について書かれた箇所の半分を訳します。

Le magnifique « Conte de la princesse Kaguya », le nouveau Ghibli

素晴らしい『かぐや姫の物語』、ジブリの新作

Isao Takahata : un réalisateur, pas un dessinateur 高畑勲:監督であり、漫画家ではない

ご安心ください。前の『火垂るの墓』のように、ものすごく泣いてしまうことはありません。

けれども、ファンにとっては、3つの魅力があります。それはこの映画を、高畑監督のより成熟したすばらしい作品世界へいざなうものにしています。

「千と千尋の神隠し」や、「となりのトトロ」に顕著である教養主義の宮崎監督の作品に比べると、甘さや、幸福感はさほどありません。

ちなみに、宮崎は高畑の長年の友人です。

Notons d’abord l’absence totale de morale occidentale.

C’est… rafraîchissant.

Oubliez les méchants, les gentils, oubliez nos stéréotypes de récit en trois temps avec exposition de la scène, problème, résolution du problème.

Laissez-vous guider !

Le conte de la princesse Kaguya est un voyage poétique, onirique, pas une fable de La Fontaine.

まず、西洋の倫理観というものは完全に忘れましょう。この映画は…すがすがしいのです。

よくある悪人と善人の図式や、場面の説明、問題、問題の解決といった3つの構成も忘れてください。

映画の展開に身をゆだねましょう。

『かぐや姫の物語』は詩的で、夢のような物語であり、ラ・フォンテーヌの寓話とは違うのです。

次の特徴は、明らかにその絵です。

『火垂るの墓』とは似ていません。というのも、高畑は漫画家ではないからです。

彼は自分を監督としています。そして、演出家として真の仕事を見せてくれます。

この距離感があるからこそ、彼は映画の中で、さまざまなテクニックを展開することができているのです。

まぎれもなくCGによるアニメーション、色鉛筆の絵、水彩画のタッチなど。

こういった技巧的なニュアンスにより、移り変わる自然がよくわかり、これが『かぐや姫の物語』の魅力となっています。

元記事 → Le magnifique « Conte de la princesse Kaguya », le nouveau Ghibli

映画の概要については、初回の記事をどうぞ⇒『かぐや姫の物語』~その1

単語メモ

comme devant 以前のように

cultisme キュルティスム、教養主義(=gongorisme)
17世紀初頭スペインのゴンゴラに代表される文体、独特な語彙、語法、神話や歴史からの引用など、技巧と何回を特徴とする。

rafraîchissant さわやかな、すがすがしい

onirique 夢の

au sain de ~のただ中に、~に包まれた

aquarelle 水彩画

ここは、映画の評論で、やや難解。

いきなり抽象度の高い文章になっていますので、かなり意訳しています。

この映画の特徴を3つあげていて、それは高畑監督ならではのもの、としています。

高畑監督はアニメーターではないので、監督としての力量を見せているとのこと。

その特徴とは
1.自由な展開
教訓を押しつけるものではなく、詩情豊かな作品である。

2.絵柄
アニメーションの技巧をいろいろ使っているので、日本の自然がうまく描かれている。

3つめの特徴は次回訳すところに書いてあります。

この続きはこちらから⇒「かぐや姫の物語」スタジオジブリ~その4

記事の中で、宮崎監督を「cultisme キュルティスム、教養主義」の人として書いています。

こんな単語は初めて見ました。

ジブリの映画にとてもうといので、詳しくはわかりません。彼の作品は神話や歴史からの引用が多いのであろうか、と想像しています。

実は私、アニメ映画にほとんど興味がなかったのです。ですが、フランス語を学ぶ過程で、必然的に、アニメやバンデシネについても、調べることが多くなりました。

それほど、フランスでは日本のアニメやマンガが人気なのです。






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