チョコレート

フランスにまつわるあれこれ

チョコレートを運ぶ娘~リオタール~18世紀のチョコレート続き

マリー・アントワネットとチョコレートのかかわりについて書いています。今回は、「チョコレートを運ぶ娘」 « La Belle Chocolatière»(リオタール Jean-Étienne Liotard 1702-1789)という作品について詳しく紹介します。



チョコレートを運ぶ娘

チョコレートを運ぶ娘

こちらにやや大きい画像があります⇒リオタール 「チョコレートを運ぶ娘」 1744-45 |82.5×52.5cm |ドレスデン国立絵画館

現在、ドレスデン国立絵画館にあるこの絵は、スイスの画家、ジャン・エティエンヌ・リオタール(1702-1789)による油絵です。

この作品はリオタールの作品中、最も知られているものです。とてもリアルに描かれているし、何よりこの娘さんがかわいいですね。

彼女の緊張感が伝わってきます。手にしているのは、すべて貴重品ばかりですからね。

では、その貴重品をチェックします。

チョコレートと一緒に運んでいたもの

手元の画像

チョコレートを運ぶ娘

漆塗りのようなお盆
ボヘミアグラスのコップ
カップはマイセンの磁器・・・と思われます。

おもしろいのはカップが二段みたいになってるらしいところ(このあたりまだ調べがついていません)。そして、ソーサーに銀の持ち手がついています。

絵全体がとてもリアルですが、特にコップに写り込んだもの、指など、すごく精密に描いていますね。

当時のチョコレート飲料ですが、今のココアみたいなのを想像しては行けません。もっとどろどろの濃い飲み物だったので、とてもそれだけでは飲めなかったんでしょうね。

鼻血、出なかったんでしょうか?

前の記事でも書きましたが、18世紀は王侯貴族しかチョコレートを飲めなかったので、贅沢な器で飲んでいたようです。

前回の記事⇒マリー・アントワネットと18世紀のチョコレート

こちらは、当時のマイセンのチョコレートを飲むカップのセット。
中身はどろどろでも器にはよいものを使うのが当時の王室流。

18世紀 マイセン チョコレートセット

写真はhttp://www.chiswickauctions.co.uk/chiswick-auctions-review-of-antiques-fine-art-5th-march/ から拝借しました。(☆2020/06/10:リンク切れになるので、リンクをはずしました)

スピンアウトした作品

この絵はとても人気があり、いろんな作品のインスピレーションとなっています。

たとえば、これはマイセンのフィギアです。大きさがわからなかったのですが、ミニチュアじゃないかと思います。大きかったら、コップとかつけると思うので(勝手な想像です)。

チョコレートを運ぶ娘 マイセン

ほかにもいろいろあります。たくさんの絵になっていますが、ここでは雑貨を紹介します。

チョコレートを運ぶ娘 オマージュ



リオタールとは?

この絵を描いたリオタールですが、18世紀のスイスの巨匠と呼べると思います。細密画家の先駆者と言われてますが、今ひとつ知られてませんね。

彼は1702年スイス生まれ。

お父さんは宝飾まわりの金具とかなんかそういうのを作る職人さんでした。両親はもともとはフランス人。でも1685年に、ルイ14世がフォンテーヌブローの勅令というプロテスタントの礼拝の禁止や、カソリックに改宗しない牧師さんなどを国外追放したんです。そのせいでリオタールの両親もスイスに逃げてきました。

リオタールは1725年からパリで絵画を学び、その後1735年にローマへ。ここで法王など聖職者の肖像画を描きます。

三年後にコンスタンティノープルへ。ここで東洋的な服を着るようになり、「トルコの画家」というあだ名がつきます。

今度はウィーンへ。1745年にイタリアのアルガロッティ(712-1764)という著述家に『チョコレートを運ぶ娘』を売ります。1745年はポンパドール夫人が、ヴェルサイユに入った頃です。

いったん、パリに戻り、そしてロンドンへ、皇族の肖像画を描いたあと、オランダへ行き結婚(1756)。

またウィーン、パリ、イギリスなどに行って仕事をし、1776年に故郷に戻り、1789年にジュネーブで死去。

ほんとうは、もっとめまぐるしくいろんなところへ行ってるんですが、全部書いているとまたまた長くなるので、かなりはしょりました。

一見彼は放浪の画家で、こんな自画像を見ると、ボヘミアンな雰囲気があります。

リオタール 自画像
1770年 68歳

しかし、職を求めて放浪していたというより、いろんなところから、絵を描いてほしいとお声がかかったので、あちこち出向いていたのではないでしょうか?

技術的にとてもすぐれたものを持っており、当時の画家協会みたいなところからは絵がリアルすぎて、よく思われていなかったのですが、貴族、聖職者たちにたいそう人気があり、収入もたっぷりありました。

マリー・アントワネットの母である、オーストリアの君主、マリア・テレジアは彼をとても気に入って、娘のマリー・アントワネットの絵を描いてほしいと頼みました。

これは彼の描いた7歳のマリー・アントワネット

マリー・アントワネット リオタール
1762年

彼女、手に何持ってるんでしょうか?おもちゃ?7歳ですが、すごく大人っぽいですね。首に巻いているものも気になります。

☆参考リンク
リオタールの作品がたくさん見られます。⇒MAH | Collections en ligne · Les Musées d'art et d'histoire de la Ville de Genève 
肖像画が多いですが、レリーフなんかも作ったり、とても器用な人ですね。

18世紀のチョコレートの話、まだ続くかもしれません。






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