オオカミ

フランスにまつわるあれこれ

なぜ、フランスにはオオカミを嫌う人がいるのか?

フランスにおけるオオカミの問題を、子供むけに簡単なフランス語で説明している1 jour, 1 question の動画を紹介します。

タイトルは、Pourquoi certains sont contre les loups en France ? (なぜ、フランスでは、ある人たちがオオカミに反対しているのか?)

フランスでは、1930年ごろ、いったんオオカミが絶滅しましたが、1990年代に国外から流入して以来、増えています。

オオカミは羊を殺すので嫌われています。

オオカミ問題

2015年制作の動画なので、オオカミの数は、現在とは違うかもしれません。

1分42秒。

トランスクリプション

Qui a peur du Grand Méchant Loup ? Celui-là, c’est sûr, il n’existe que dans les contes…

Mais plus de 300 loups, des vrais, vivent en France !

Après avoir disparu, le loup est revenu dans les années 1990 et ne cesse d’agrandir son territoire.

Il n’est ni très grand, ni méchant, mais c’est un animal sauvage, du coup, sa présence pose problème à l’homme. Pas parce qu’il attaque les gens, en fait le loup est plutôt méfiant, et n’a pas très envie d’approcher les hommes.

Par contre, ces prédateurs raffolent des brebis et attaquent les troupeaux en pâture dans la montagne, dans les Alpes par exemple.

Environ 6000 brebis sont tuées chaque année par le loup. Ça représente moins de 1% du nombre total de brebis.

Mais cette perte fragilise les troupeaux, C’est pour cela que de nombreux éleveurs de brebis protestent.

Pour eux, la présence du loup en France est incompatible avec leur activité d’élevage.

C’est pourquoi, depuis cette année, la loi facilite l’abattage de loups dans les zones de protection des troupeaux.

Mais n’est-il pas possible pour les éleveurs de cohabiter avec le loup ?

Des spécialistes affirment que la cohabitation est possible.

Pour cela, il faut des troupeaux plus petits et mieux gardés.

Des bergers doivent constamment surveiller les troupeaux, et se faire aider de chiens « Patou », de supers gardiens.

Il faut aussi mettre les brebis à l’abri pour la nuit.

Le loup en France reste une espèce protégée.

Plutôt qu’être pour ou contre, il est nécessaire d’apprendre à vivre avec, en aidant les éleveurs, à s’en défendre.

☆トランスクリプションの引用元⇒Pourquoi certains sont contre les loups en France ? – Vidéo Questionner le monde | Lumni

和訳

大きくて悪いオオカミを誰が恐れるでしょうか?

もちろんこのオオカミは、童話の中にしかいません。

けれども、300匹以上のオオカミが、実際にフランスに生息しています。根絶したあと、1990年代にオオカミは戻ってきて、その後、どんどんテリトリーを広げています。

オオカミはさほど大きくないし、意地悪でもありません。でも、野生の動物です。

オオカミの存在は人間にとっては問題ではありません。人を襲ったりはしません。実は、オオカミはどちらかというと警戒心が強いので、人間には近づきたがりません。

その一方で、この捕食動物(オオカミのこと)は、雌羊に目がなく、アルプス山脈などの山の中の牧草地にいる羊の群れを襲います。

毎年、およそ6000匹の雌羊がオオカミに殺されています。これは、雌羊の合計の1%弱です。

しかし少しだけ雌羊が減ることに対して、たくさんの雌羊の飼育者が抗議しています。

彼らにとって、フランスにオオカミがいることは、畜産という活動と相容れないのです。

だから、今年から、法律により、羊の群れを保護する地域では、オオカミを殺してもいいことになりました。

でも、羊の飼育者が、オオカミと共存することは不可能なのでしょうか? 専門家は共存は可能だと言っています。

そうするために、群れをもっと小さくし、よりしっかり見張る必要があります。

羊飼いは、常に群れを見回らなければなりません。«Patou»(グレート・ピレニーズ)と呼ばれる優秀な監視役の犬の助けを借りながら。

夜は雌羊を安全な場所に移動させなければなりません。

オオカミは、フランスでは、保護されている種です。

オオカミに賛成や反対をするよりも、オオカミとともに暮らすことを学ぶ必要があります。それが、羊の飼育をする人を助け、オオカミを守ることにつながります。

単語メモ

Grand Méchant Loup   『赤ずきん』などに出てくる、悪いオオカミ

méfiant   警戒心が強い

prédateur   捕食者

raffoler de   ~に夢中になる、ほれ込む

troupeau   (家畜・野生動物の)群れ、羊の群れ

en pâture   牧草地、放牧地

une perte   失うこと

fragiliser   もろくする、弱くする

un abattage   撃ち殺すこと、屠殺

faciliter   容易にする

Patou   ル・シアン・ドゥ・モンターニュ・デ・ピレネー(Le chien de montagne des Pyrénées)、グレート・ピレニーズ、歴史を通じて、山岳地帯で、羊飼いと一緒に、羊を保護する役割を担ってきた犬。愛玩犬でもありますが。

関連動画

オオカミを話題にしている短いニュースクリップ。

タイトルは、France, unique pays en Europe où la présence du loup provoque des polémiques(フランス、ヨーロッパで、オオカミの存在が問題になっている唯一の国)

羊も、Patouと呼ばれる犬も出てきます。

3分

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確かに、オオカミに羊を殺されるとショックです。

それに、群れを小さくして、チェックを強化すると、生産者の仕事やコストが増えます。

それはわかります。

ですが、生態系を考えると、オオカミを殺すより、共存する道を選ぶべきだと思います。

生態系をこわすと、まわりまわって、人間が苦しい目にあいますから。

それでは、次のオオカミの記事をお楽しみに。






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