2017年9月4日は、フランスではラントレ(la rentrée)でした。ラントレは、夏休みが終わって、新学年が始まる日です。特に、学校が始まる日のことをさしてよく使われます。
今年は、いくつか小中学校の教育制度に変更があります。その内容を伝える子供新聞記事を紹介しますね。
小中学校:今年はこんなふうに変わる
École et collège : ce qui va changer cette année
今朝、679万1700人の小学生と、334万100人の中学生と同じように、きみも、新学年が始まりましたね。たぶん、去年とくらべて違っているところに気づいたかもしれません。
たとえば、学校で歓迎の音楽を聞いたのではないですか?
これは強制ではないのですが、国民教育大臣のジャン=ミシェル・ブランケールは、そうすることを推奨しました。というのも、彼は、学校でもっと音楽を学んでほしいと考えているからです。
予算の増加 Plus d’argent pour l’école
大臣はおもに4つの措置を施し、今年の新学年から適用すると、先週の火曜日に発表しました。
同時に、大臣は、フランスの大統領は、教育により多くのお金をかける意向であるとも伝えました。内閣の予算は50億5千万にものぼります。
学校に4日行く、それとも4.5日? 4 jours d’école ou 4,5 ?
小学校に関係があるのは2つの措置です。
まず、スケジュールに関して。去年、生徒は、週4.5日、授業を受けました。この夏、コミューンによっては、このスケジュールを変更することができるようになりました。
もし、きみがペルピニャン、ダンケルク、ヴェルサイユに住んでいるなら、今朝驚いたことでしょう。昨年の4.5日に変わって、今年は1週間、たった4日学校に行くことになったはずです。
生徒の間の不平等の解消 Moins d’inégalités entre élèves
もう1つの措置は、恵まれない地域である、教育優先網で、CP(日本の小学校1年にあたる)のクラスができたことです。CPは2つに分けられました。つまり、一クラスの生徒の数が減りました。
生徒はよりよい環境で学ぶことができるし、先生はより多くの時間をそれぞれの生徒にさくことができます。
大臣によれば、これはフランス全域の生徒たちの間の不平等を減らす方策です。
語学を重視 Place aux langues
最後の2つは中学校に関係のある措置です。
まず、ラテン語とギリシャ語という2つの古典語に、より授業時間を充てることになりました。この2つの言語に熟達すればするほど、フランス語を学ぶのが容易になると明らかになったのです。
さらに、二ヶ国語の授業が復活しました。6年生以降は1つの言語に変わって、2つの現代語を学びます。この変更は、宿題があることを意味します。トゥーサンの休暇のあと、宿題を行うことになります。
元記事 → École et collège : ce qui va changer cette année
単語メモ
en vigueur (法令が)有効な
entrer en vigueur (法律が)効力を発揮する
ministère 内閣
milliard 10億 参考⇒10桁から13桁までの数字:フランス語の数字【第40回】
concerné par qc ~と関係がある
commune コミューン フランスの最小行政区
Perpignan ペルピニャン ルシヨン地方 Pyrénées-Orientales県の県庁所在地。スペイン国境に近いです。
Dunkerque ダンケルク フランドル地方、Nord県の都市。詳しくは⇒第二次世界大戦で起きた奇跡の救出作戦、「ダンケルクの戦い」とは?
Versailles ヴェルサイユ パリ地方、Yvelines県の県庁所在地
inégalité 不均衡、不平等
CP 準備級、小学校1年 フランスの学年はこちら⇒フランスの小学校:授業は長い、でも結果が伴わず・・
défavorisé 不利な、恵まれない
REP Réseau d’Éducation Prioritaire 教育優先網 記事にはREP+ とプラスマークがついているので、従来あったREPにさらに追加されたゾーンかもしれません。
place à ~の出番
langue vivante 現用語 vivant は 「生きている」ということ。誰も使わない昔の言語に対して、実際に使われている言語のことです。
les vacances de Toussaint 万聖節前後の休暇、2週間ぐらい 2017年は10月21日から11月6日まで。
トゥーサンとは? ⇒『諸聖人の祝日』(ラ・トゥーサン)の起源とは?
ラントレ関連ニュース
2017~2018年度の学年開始に関するニュースを2つ紹介します。
CPの生徒は、算数と国語(フランス語)のテストをすると言ってますね。
ラントレや学校関連記事もどうぞ
L52 フランスの学校の問題~映画「パリ20区、僕達のクラス」
学級崩壊したクラスに赴任した歴史の先生はどうしたか?:Les Heritiersの予告編のフランス語(前編)
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フランスの小中学校は全国一斉に始まるせいか、ラントレは大きな話題になります。rentrée は、Du Jour とも呼ばれ、数日前から、あとJまで何日、と心の中でカウントダウンする人も少なくありません。
フランス国民は教育に関心が高いようです。最近は、諸外国に比べて、学業不振なので、政府はそこをなんとかしたいと思っているのでしょうね。
そもそも休みが多すぎるから、短い間に効率よく学ぶしかないでしょうね。あとは家庭学習ですね。
フランス語はただでさえ難しいのに、これにギリシャ語とラテン語までやるなんて大変ですね。
確かに、ギリシャ語とラテン語の両方できたほうが、フランス語もできるようになるでしょうけど、余裕がない生徒はかえって苦しくなるだけではないでしょうか。
宿題のヘルプもある、とニュースで言ってましたが。
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