3月17日はセントパトリックデー(聖パトリックの祝日)です。この日の歴史を説明している短いフランス語の動画を紹介します。後半には英語の動画もありますよ。
聖パトリックはアイルランドにキリスト教をひろめたカトリックの守護聖人です。
セントパトリックデー(はアイルランドの祝日ですが、世界中にいるアイルランド系の人々が大々的にお祝いをします。もっとも盛り上がるアメリカでは、宗教色は薄れ、緑色のものを身につけて楽しむお祭りの日です。
しかし、残念ながら今年は、新型コロナウィルスの影響で、ニューヨークでのパレードはキャンセルされましたし、ほかの地方でも同様の処置が行われると思います。
聖パトリックの祝日とは?
フランス語ネイティブ向けの動画ですが、発音はクリアです。
トランスクリプション
La saint-Patrick, fêtée le 17 mars, est le jour le plus important de l’année pour les irlandais du monde entier. Si officiellement l’Irlande n’a pas de fête nationale, la Saint Patrick en tient lieu.
Mais qui était ce fameux Saint-Patrick? Pourquoi sa fête est-elle si importante en Irlande ?
Saint Patrick, de son vrai nom Maewyn Succat, est né vers l’an 385 en Écosse dans une famille chrétienne. Enlevé à l’âge de 16 ans par des pirates, il est emmené en Irlande, terre à l’époque encore païenne, et y reste captif pendant 6 ans, jusqu’à ce que Dieu lui apparaisse en vision et lui ordonne de s’évader pour rejoindre des terres chrétienne.
En Angleterre puis en France, il va affiner son éducation chrétienne avant qu’une autre vision ne l’encourage à retourner en Irlande pour christianiser ces terres impies. C’est en 432, qu’avec la bénédiction du Pape Célestin 1e, il débarque en Irlande et défi les druides locaux pour imposer la foi chrétienne.
Selon les écrits, St Patrick aurait expliqué lors d’un sermon le concept de la trinité (Père, Fils, et St Esprit) en se servant d’un trèfle.
Et c’est pour ça que le trèfle est encore aujourd’hui le symbole de l’Irlande.
La mythe de Saint Patrick mélange comme souvent faits réels, folklore et légendes.
Ainsi par exemple, le mythe raconte que Saint Patrick aurait réussit à chasser tous les serpents d’Irlande en les faisant périr dans les flots. Cependant, nous savons qu’il n’y a jamais eu vraiment de serpents dangereux en Irlande.
Il s’agit ici d’une métaphore associant les reptiles aux druides dont les croyances païennes étaient considérées comme diaboliques ou alors d’une métaphore associant les serpents aux infidèles.
Lorsque meurt saint Patrick au alentours de 461, l’Irlande est devenue majoritairement chrétienne sans avoir compté un seul martyr, et les monastères y sont déjà très nombreux.
C’est plus de 1000 ans plus tard, en 1631 que le Pape Urbain VIII déclare le 17 mars jour de la fête de la Saint Patrick, et l’intègre au calendrier chrétien. Mais c’est bien plus tard que cette journée deviendra officiellement patriotique et populaire pour les irlandais et ce n’est qu’en 1903 que le 17 mars, est déclaré jour férié.
La première manifestation de la Saint Patrick ne s’est pourtant pas tenue sur le sol irlandais mais aux Etats-Unis à New York en 1762, quand les soldats irlandais qui se battaient au coté des anglais défilèrent dans la ville le 17 mars.
En Irlande, la première parade a eu lieu en 1931 et c’est depuis le milieu des années 90 seulement que le gouvernement irlandais utilise la Saint Patrick pour promouvoir la culture irlandaise à travers le monde car cette fête est célébrée par les irlandais du monde entier, expatriés ou descendants des nombreux émigrants, et sa popularité ne cesse de s’étendre, nombreux sont les « irlandais pour un jour » qui profitent du bon esprit de cette fête.
La plus grande parade du monde organisée pour la Saint Patrick a lieu à New York, ou en 2006, plus de 2 millions de curieux ont assisté à l’événement.
A Chicago, les eaux de la rivière sont colorées en vert pour l’occasion. Le Canada se met aussi à l’heure Irlandaise le 17 mars, et c’est à Montréal qu’a lieu la plus grande parade du Pays.
Et vous, que ferez-vous le 17 mars pour la Saint-Patrick ?
☆トランスクリプションははYouTubeの動画の下にあるのをほぼ引用しています。
セントパトリック・デー、和訳
聖パトリックの祝日とは?
3月17日のセントパトリックデーは世界中のアイルランド人にとってもっとも重要な日です。アイルランドでは公式の祝日ではありませんが、聖パトリックのお祝いは行われます。
この有名な聖パトリックとは誰なのでしょう? なぜこのお祝いがアイルランドで重要なのでしょうか?
聖パトリックはアイルランド生まれではない
聖パトリックは本名を、Maewyn Succet(フランス語読みではマイウエン・スケット、英語読みはメイウエン・サクセット?)といい、385年頃、スコットランドのキリスト教徒の家庭に生まれました。
彼は16歳のとき海賊に誘拐され、キリスト教の土地ではないアイルランドに連れていかれました。
ここで6年間囚われていましたが、あるとき、神が現れて、ここから逃げてキリスト教の土地に戻るよう彼にお告げをしました。
そこで彼はイギリスに行き、次にフランスに渡り、キリスト教の学びを深めました。するとまた、神のお告げがあり、アイルランドに戻り、この地にキリスト教を広めるように言われたのです。
三つ葉のクローバーを使って三位一体を説く
聖パトリックは、432年にローマ教皇のケレスティヌス1世に命じられ、キリスト教の教えを広めるためアイルランドに渡り、アイルランドのドルイド僧に立ち向かいました。
文献によると、聖パトリックは三つ葉のクローバーを使って三位一体(父と子と聖霊)のコンセプトを説きました。よって、三つ葉のクローバーは現在でもアイルランドの象徴となっています。
よくあるように、聖パトリックの伝説は事実と伝承がごちゃまぜになっています。たとえば、聖パトリックはアイルランドにいたすべての蛇を海に追いやり、退治したと言われています。
しかし、実際にはアイルランドには、もともと危険な蛇はいなかったのです。
蛇をドルイド僧になぞらえて、異教を信じることは、邪悪なことであると言いたかったか、蛇を異教徒になぞらえていたのかもしれません。
アイルランドでキリスト教を布教することに成功
聖パトリックが461年ごろ亡くなったとき、殉教者を1人も出すことなく、アイルランド人の大半はキリスト教徒になっており、すでに僧院もたくさんできていました。
ローマ教皇のウルバヌス8世が、3月17日を「聖パトリックの日」として、カトリックのカレンダーに入れることにしたのは、1000年以上もあとの1631年のことです。
ですが、この日が、アイルランドで公式に愛国の日として、アイルランド人がお祝いする国民の祝日になったのは、1903年の3月17日です。
世界中でお祝いされるセントパトリックデー
セントパトリックデーの初めてのパレードは、アイルランドではなくアメリカのニューヨークで1762年に行われました。アイルランド兵がイギリス兵と一緒にこの地に攻め込んだ3月17日のことです。
アイルランドでの初めてのパレードは1931年に行われました。
しかし、アイルランド政府が、この日を、世界にアイルランド文化をプロモートするために利用し、世界中のアイルランド系の人々、祖国を離れた人や大勢の移民の子孫がお祝いするようになったのは1990年代半ばのことです。
その後、セントパトリックデーのお祝いはどんどん広がっていきました。たくさんの人々が「1日だけのアイルランド人」となり、このお祝いを楽しんでいます。
世界でもっとも大きなセントパトリックデーのパレードはニューヨークで行われます。2006年には200万人以上の人が、この催しに参加しました。
シカゴでは、この日、川は緑色に染められます。カナダでも3月17日にお祝いします(直訳:アイルランドの時間に合わせる)。カナダでもっとも大きなパレードが行われるのはモントリオールです。
単語メモ
défier ~に立ち向かう
druide ドルイド僧 古代ケルト族の祭司
foi 信仰、神の教え
trèfle シャジクソウ、クローバー
mythe 神話、伝説
fait réel 現実のできごと、事実
folklore 民間伝承、民俗
légende 伝説、言い伝え
flots 波、波浪、海
diabolique 悪魔の、恐ろしい
infidèle (キリスト教から見て)異教徒
aux alentours de ~のあたりに
monastère 修道院、僧院
expatrié 国外追放者、祖国を離れた人、亡命者
聖パトリックの日を理解するための補足
ドルイド教
ドルイド教はガリア、ブリタニアに定着した古代ケルト人の宗教です。ドルイドは神官(祭司)で、聖樹崇拝をしていました。森や木々に神聖なものがやどると考えていたのです。
四葉のクローバーのような珍しい植物は崇拝されていたそうです。
ドルイド僧は、ケルト人社会ではとても影響力があったという話です。
そのような信仰があったアイルランドを1人でカソリックの国に変えてしまった聖パトリックはいったいどんなパワーを使ったのでしょうか。
アイルランドに蛇がいないのは本当で、蛇が出るとニュースになるそうです。
シャムロック(三つ葉のクローバー)
三つ葉のクローバーは、英語ではshamrock(シャムロック)でアイルランドの国花です。
セントパトリックデーの小道具にはよくシャムロックが使われています。
アメリカのアイルランド系移民
アメリカでセントパトリックデーが大体的にお祝いされるのは、アイルランド系移民が多いからです。
19世紀後半、イギリスの植民地であったアイルランドで人々はひじょうに貧しく、苦しい生活をしており、新天地を求めて、アメリカに渡りました。
カナダやオーストラリアに行ってもよかったのですが、そうした土地に行っても、イギリス系の人々のほうが身分が上なのはかわらないので、植民地から完全独立を果たしたアメリカに渡ったのです。
カナダやオーストラリアにもアイルランド系移民はいるので、やはりセントパトリックデーのお祝いが行われます。
セントパトリックデーの英語の説明
簡単な英語で、セントパトリックデーを説明をしている動画を紹介します。ESLの教材なのでわかりやすいし、よくまとまっています。長さは4分です。
Pratiksの動画には出てこなかったレプラコーン (Leprechaun)の話も出てきます。レプラコーンはアイルランドの森に住んでいる妖精です。
セントパトリックデーは英語圏のお祭りなので、英語のソースのほうが詳しく紹介しているし、数もたくさんあります。
こちらはABCニュースです。1分47秒。
パトリックという名前は、フランスではパトリス (Patrice)です。女性名はパトリシアです。
penのセントパトリックデーの思い出
私がセントパトリックデーのことを知ったのはカナダに来てからです。
カナダのコミュニティカレッジのクラスメートが、「pen、きょうは緑色を着る日だよ、着てる?」と言われたのです。
「は? この人、何を言っているのかしら?」と思いましたが、その日が3月17日でした。
セントパトリックデーに緑色のものを身につけると幸運が訪れると言われています。
娘が通った小学校では、毎年、3月17日には「ポテトランチ」というイベントが行われました。
父兄がボランティアでじゃがいもをオーブンで焼き、それをみんなで食べます。
確かじゃがいもだけだけだった思います。付け合せはピクルス。好みでじゃがいもに、ベーコンビッツ(焼いたベーコンを細かく切ったもの)やサワークリーム、シュレッドチーズなどをトッピングします。
デザートはアイスクリームです。
あらかじめお金を払っておけば、このランチに参加したい人は教室で子どもたちと一緒に食べることができました。
セントパトリックデーの日、学校に行くと、教室が荒らされていました(低学年の教室だけ)。レプラコーン(私はレプリカーンと言っているように聞こえますが)が夜のうちに荒らすのです。
そんなわけで、この日は、子どもたちにとっては楽しい1日となりますが、残念ながら、今年は、新型コロナウィルスの影響で、学校がしまっているため、レプラコーンが教室に来ることはありません。
レプラコーンは、アイルランドの森の中を、バイキングが隠した金貨を探しながら、さまよっている小人です。
よって、レプラコーンが来たあとは、金貨の形をしたチョコレート(直径4センチぐらいの丸いチョコレートで金色の紙に包まれている)が置いてありました。
一般家庭でも、「レプラコーンが来たよ、ほら金貨がある」と子どもに言います。一度、夫が金貨の形をしたチョコレート探しを幼い娘にやらせたことがあります。
娘はうれしそうに金貨を探していました。
実はこの金貨、値札がしっかり貼ってありました。私ならはがすところです。
娘は、「あれ? レプリカーン、金貨をスーパーで買ったのかな? 」と不思議そうな顔をしていました。値札が貼ってあるにもかかわらず、レプリカーンの存在を信じていたようです。娘が小学校1年ぐらいのときの話です。
そんな娘ももう21歳になりました。
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