先ごろ惜しくも亡くなったフランス・ギャルの1970年代の代表曲を紹介します。
ミシェル・ベルジュが、フランス・ギャルのために書いたはじめての曲、La Déclaration d’amour(邦題は「愛の告白」)です。
déclaration は、宣言・声明・宣告、といった意味のほかに、愛の告白という意味もあります。
愛の告白:フランス・ギャル
テンポゆっくりめの、ラブバラードです。歌詞もセリフも難しくないので、フランス語学習に向いています。
なんとなく、ベロニク・サンソンに似てますね。あるいは、オリビア・ニュートンジョン風と言うべきか。1970年代っぽい雰囲気です。
それでは訳詞に挑戦。
最後のセリフが2パッセージ抜けているし、je t’aime が J’aime になっています。セリフの部分は書いておきます。
★1人のとき、夢を見ることができる
あなたの腕の中にいることを夢見ている
小さな声で、愛の告白をすることを
私の告白★
1人のとき、思い巡らすことができる
あなたが、私のすぐそばにいると
想像しているの、小さな声で
愛の告白をすることを
☆ほんのふた言、三言の愛の言葉
あなたに伝えるわ、私たちのことを
毎日、ふた言、三言
それだけ☆
こんなこと、絶対、話すことはできない
そうしたいのは山々だけど、勇気がないの
歌でするほうがいいわ
愛の告白を
愛の告白、私の告白
☆~☆ 繰り返し
★~★ 繰り返し
Je t’aime quand tu es près de moi
Je t’aime quand tu n’es pas là.
Je pense à toi.
Je t’aime quand tu souris
Une déclaration, ma déclaration
あなたを愛しているわ。私のすぐそばにいるとき
あなたを愛しているわ。ここにいなくても
あなたのことを考えている
あなたを愛しているわ。あなたが微笑むとき
愛の告白、私の告白
Je veux des souvenirs avec toi
Des images avec toi
Des voyages avec toi
Je me sens bien quand tu es là
Une déclaration, ma déclaration
あなたと思い出を作っていきたい
あなたと一緒のところや
あなたと一緒に行く旅行の
とてもうれしいの、あなたがそこにいてくれると
愛の告白、私の告白
Je t’aime quand tu es triste
Que tu ne dis rien
Je t’aime quand je te parle
Et que tu n’écoutes pas
Je me sens bien quand tu es là
Une déclaration, ma déclaration
あなたを愛しているわ。あなたが悲しくても
何も言わないとき
あなたを愛しているわ。あなたと話をしているとき
あなたが聞いていなくても
とてもうれしいの、あなたがそこにいてくれると
愛の告白、私の告白
単語メモ
faire une/sa déclaration à qn ~に愛を告白する
faire/dire des messes basses 内緒話をする、ひそひそささやく
oser + inf. 思い切って~する
aimer mieux inf. ~のほうがいい、むしろ~したい
プチ文法:単純未来形
面と向かって告白したいけど、できないから歌でする、というところに出てくる以下の2つの動詞は単純未来です。
Je ne pourrais jamais te dire çaé
… je n’oserai pas.
pourrai < pouvoir
oserai < oser
単純未来とは、未来に起こることを語る時制ですが、歌詞にでてくるように、主語がjeやnousのときは、話者のそうする/しない意志が含まれていることが多いです。
未来形の活用は、不定法にavoirの活用語尾をくっつけます。
pouvoirは、語幹が不規則な動詞の1つです。
☆単純未来形について⇒「まいにちフランス語」36:L58 単純未来その1
関連動画
La Déclaration d’amour のカバーバージョンを紹介します。
まず、ミシェル・ベルジェのピアノの伴奏で、フランス・ギャル、エディ・ミッチェル、そしてベルジェ3人で歌っている動画です。
2009年にバネッサ・パラディとMがカバーしています。フランス・ギャルの前で歌っているクリップ。
1970年代に、フランソワーズ・アルディもレコーディングしています。
あまり、アルディにあっているとは思いませんが、セリフ部分は雰囲気があります。途中で切れていますけど。
この曲は、1974年にシングル発売され、76年に出た France Gallというセルフタイトルのアルバムに収録されています。
ロリータアイドルから大人の歌手へ脱皮、という意味でセルフタイトルをつけたのだと思います。1974年、ギャルは26~27歳でした。
1973年にラジオで、ミシェル・ベルジェの曲を聞き、ギャルは「いいわね~」と思ったようです。
その後、彼にレコーディングに関する相談をし、曲を書いてもらうことにしました。2人は1976年に結婚し、1992年にベルジェが亡くなるまで、公私ともに、仲睦まじく暮らしていました。
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おしゃまな初恋:フランス・ギャル~歌と訳詞、フランス・ギャルの詳しいプロフィールつき
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今回はフランス・ギャルの70年代の曲を紹介しました。
日本では、1960年代、PHILIPS(フィリップス)から出ていたイエイエ時代(アイドル時代)曲のほうが有名だと思います。
が、その後も、フランス・ギャルは、Atlantic、Apache、WEAなどからレコードを出しています。
また機会を見つけて紹介しますね。
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