ラファエル(Raphaël)がポム(Pomme)とデュエットしている、Le train du soir という歌を紹介します。
わりとシンプルな曲で、リフレインが多いし、単語もそんなに難しくありません。
時制も現在形と未来形しか出てこないので、とっつきやすいと思います。
Le train du soir・動画
3分15秒
PVは、1960年後半~70年代はじめあたりのレトロな映画ふうでいいですね。女優さんの髪型、『華麗なる賭け』(The Thomas Crown Affair)のェイ・ダナウェイふうです。
主演女優の役をやっている人は、フランスの女優のメラニー・ティエリー(Mélanie Thierry)です。
それでは訳詞に挑戦!
Le train du soir
☆Je n’sais pas c’que je ferai
Quand je te verrai
Je n’sais pas c’que je ferai
Mais je ne pleurerai pas
Je n’sais pas c’que je ferai
Quand je te verrai
Je n’sais pas c’que je ferai
Mais je ne pleurerai pas
Mais je ne pleurerai pas
(Raphaël)
Le train du soir file vers toi
File vers toi
Du vent dans les cheveux
Et le bruit des essieux
Les souvenirs qui sont en feu
Le train du soir file vers toi
Derrière les montagnes
Le dernier ferry, pour le paradis
La compagnie des soldats du corail
Qui boivent qui chantent et qui déraillent
Qui déraillent, qui déraillent
☆~☆ refrain
(Pomme)
Le train du soir file vers toi
Sans direction sans chauffeur
Derrière le moteur
J’entends battre ton cœur
Le dernier ferry, pour le paradis
La mer se retire cette nuit
☆~☆ refrain
Mais je ne pleurerai pas x 4
作詞:Raphaël Haroche(ラファエルの本名)
作曲:David Ivar
夕暮れの列車・訳詞
★どうするかわからない
きみを見たら
どうするかわからない
でも私は泣かない
どうするかわからない
きみを見たら
どうするかわからない
でも私は泣かない
でも私は泣かない★
(ラファエル)
夕暮れの列車がきみのもとへ走っていく
きみのもとへ
髪に吹く風
車軸の音
燃える記憶
夕暮れの列車がきみのもとへ走っていく
山の背後には
最後のフェリー、天国へ向かう
コレイユに乗った兵隊の連れ
飲む者、歌う者、脱線する者
脱線する者、脱線する者
★~★ 繰り返し
(ポム)
夕暮れの列車があなたの方へ走る
方角はない、運転手もいない
エンジンの後ろで
あなたの心臓の鼓動が聞こえる
最後のフェリー、天国に向かう
今夜、潮が引いていく
★~★ 繰り返し
でも、私は泣かない
単語メモ
filer 速く進む、急いで行く、走る
un essieu 車軸
corail コライユ(1975年に登場したフランス国鉄の新型旅客者) 英語の confort と rail からできた言葉です。 形容詞で、voitures corail のように使います。corail は、性数が変わっても形は変わりません。
voitures を省略して、prendre le corail コライユに乗る、という言い方もします。
サンゴ(珊瑚)という意味の un corail という単語もありますが、ここでは、列車のほうだと思います。
コライユが出てくるニュースクリップです。
Les voitures corail de retour a Strasbourg ! Intercités 100% éco vers Paris(ストラスブールにコライユの列車が戻ってきた。100%エコなパリ行きアンテルシテ)
Intercités(アンテルシテ)は、SNCF(フランス国鉄)による在来線特急列車の列車種別で、TGVが通じていない都市間の中長距離輸送をになう(Wiki情報)。
dérailler 脱線する、(言動が)常軌を逸する
se retirer (水・潮が)引く
この曲は、別れた恋人が列車で去っていくときの心境を歌ったものだと思います。この人は、これから駅に恋人の姿を見に行くみたいですね。
駅に向かって走っているときに、いろいろな情景が頭に浮かんでいるのでしょう。
男女のデュエットですが、ラファエルもポムも、同じシチュエーションを歌っているから、それぞれが、それぞれの別れを、「恋人が列車で去っていく」という情景に重ねて歌っていると思われます。
PVには列車は出てこないから、列車はあくまで、「別れ」の象徴なのでしょう。
ラファエルについて
ラファエルは1975年、パリの近郊で生まれたフランスの歌手(シンガーソングライター)。父はモロッコ系のユダヤ系ロシア人、母はアルゼンチン人。
デビューは2000年なので、もう20年のキャリアがある人です。
彼は童顔なので若く見えますが。
彼は演技もしますが、作家でもあり、2017年に、«Retourner à la mer»という小説で、ゴンクール賞(Prix Goncourt)を獲得しています。
ゴンクール賞は、フランスの文学賞の1つです。賞金はたった10ユーロらしいのですが、権威のある賞です。
この小説について、インタビューに答えているラファエルの動画(3分)です。
物静かな、はにかみやさんという感じですね。
Le train du soir は2020年111月に発売された、ラファエルの最新アルバム、Haute Fidélité に入っています。
ポムのプロフィールはすでに書いているので過去記事をごらんください。
Entre ses bras (腕の中で)セシル・コルベルとポム:歌と訳詞
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ラファエルとポムって、傾向が似ているかもしれませんね。2人ともあまり押しが強くない感じです。
でも、そういう人でも、ステージに出て歌っちゃうわけで、人間っておもしろいですね。
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