2023年の春、ルーブル美術館で音楽イベントが行われました。
フランスの、Feu! Chattertonというバンドがコンサートをしたのですが、コンサートより前に、バンドのメンバーに取材した2分のニュースクリップを紹介します。
タイトルは、Musique : quand le Louvre accueille le rock français(音楽:ルーブル美術館がフランスのロックを迎え入れるとき)
今年の5月15日に放送されたニュースです。
ルーブル美術館とロック
2分20秒。
☆記事はこちら⇒Musique : quand le Louvre accueille le rock français
ロックといっても、あんまりうるさくない叙情的な感じの音楽ですね。
トランスクリプション
Le verre de la mythique pyramide du Louvre n’a sans doute jamais autant vibré. Des nappes électros ont envahi les sous-sols du musée.
♪Mon cœur ne bat pas plus vite…
Feu! Chatterton y a installé ses claviers et ses guitares pour deux mois de création.
♪Mon sang est demeuré froid, mon cœur ne bat pas plus vite…
Cela fait 200 ans qu’il n’y a pas eu de résidence artistique au Louvre. Feu! Chatterton renoue avec la tradition. Dans le calme du musée, déambulation au milieu de plusieurs siècles d’histoire pour un groupe ultramoderne.
Feu! Chatterton, ce sont des ambiances surchauffées. En dix ans, le quintette parisien s’est fait un nom sur la scène rock française.
♪(Un grand vent nouveau) soufflait sur le pays très chaudement…
Pour leurs futures chansons, le groupe de dandies est venu chercher l’inspiration dans le plus grand musée du monde.
-On vient surtout ici s’abreuver de beauté évidemment, mais aussi d’ingéniosité, de détails, d’intelligence, enfin… d’émotion.
-C’est très inspirant parce que ça nous replace nous dans le fait que oui, on a tous notre petite vision du monde et notre petite manière de travailler le réel, parfois artisanalement et parfois, bon…
Il y aurait de quoi se sentir tout petit mais les musiciens ont pris leurs marques. Humblement ils flânent parmi les chefs-d’œuvre et parfois la magie opère.
-Nature morte à l’échiquier. On se pose, on choisit la pièce un peu comme ça. Ah ça, ici c’est bien. Ce tableau il a quelque chose… J’ai écrit ici un poème en quelques minutes. On parle pas, je lui lis. On redescend dans le studio et on commence à improviser la musique autour de ça pour voir ce que ça peut donner.
Comme des peintres, dessiner les contours d’un prochain album.
Un laboratoire musical de tous les possibles.
-Au début c’est assez expérimental, on cherche. Il s’est mis au synthé, il commence à chercher des accords… On sait pas, on improvise, tu vois…
♪Nulle vanité je recherche, le visage qui fut le mien…
Se nourrir d’art pour mieux retrouver la chaleur du public fin mai avec trois concerts au Louvre.
☆トランスクリプションの引用元⇒7 jours sur la planète – Enseigner le français langue étrangère (FLE) avec l'actualité – Fiches pédagogiques gratuites
ルーブル美術館とロック・和訳
神話的なルーブルのピラミッドのガラスがこんなに振動したことはたぶんないでしょう。
エレクトロの広がりが、美術館の地下を覆いました。
♪僕の心臓の鼓動はもう速くならない
フシャタートンは、ここにキーボードとギターを設置して、2ヶ月間創作活動をしました。
♪僕の血は冷えたままで、心臓はもう速く打たない
ルーブル美術館に芸術家が滞在してから200年たちます。フシャタートンがこの伝統を復活させました。
美術館の静けさの中で、超近代的なグループが、数世紀の歴史の中をそぞろ歩きます。
フシャタートンをとりまく状況は過熱しています。
10年間、5人のパリジャンは、フランスのロックシーンで話題になってきました。
♪(新しい大きな風が)とても暖かく、その国に吹いていた
これから作る曲のために、インスピレーションを求めて、このダンディなグループは、世界最大の美術館にやってきたのです。
-人がここに来るのは、美しさをたっぷり感じるためなのは明らかですが、創意工夫やディテール、知性、それに感情も得たいからですよね。
-とても触発されます。というのも、ここに来ることによって、私たちは、戻れるんですよね。みなが持っている、自分自身の小さな世界観と現実に働きかけるちょっとした方法に。それは、時には職人的に、時には…
それはほんのささいなことに感じるかもしれませんが、ミュージシャンたちは、自分たちの方向性(ブランド)を確認しました。彼らが謙虚な気持ちで、傑作の中を歩くと、時々、魔法が起こるのです。
-チェス盤の静物画。僕たちは、立ち止まって、こんなふうに作品を選びます。
ああ、これです。とてもいいですね。この絵には何かがあります。ここで詩を数分で書き上げたんです。
話はせず、読んであげます。スタジオに戻り、見たことについて即興で音楽を始め、それがどんなふうに展開していくか様子を見るんです。
画家のように、次のアルバムの輪郭を描きます。
あらゆる可能性のある音楽の実験室です。
-はじめは、とても実験的なものを探していたんです。シンセサイザーから始めて、ハーモニーを探しました。どうなるかわかりません。即興で作りますから。
♪僕が探しているのは虚栄心じゃない。私の僕だったものだ。
芸術を糧にした音楽は、5月末、ルーブル美術館で行われる3回のコンサートで、大衆に温かく迎え入れられるでしょう。
単語メモ
mythique 神話の、神話的な
nappe 広がり、層
demeurer (ある状態に)とどまる
ambiance 雰囲気、環境、状況
s’abreuver (家畜が)水を飲む、 abreuver 水を飲ます、潤す、浴びせる
replacer (もとの場所に)再び置く、戻す
le fait que + 直接法 ~ということ *接続法が続くときもあります。詳しくは⇒非人称表現など3つの表現モデル~仏作文力養成講座第4回 前半
opérer (作用を)及ぼす
Feu! Chattertonの曲
Feu! Chattertonの曲を1曲紹介します。ニュースクリップの中でも、少し出てきた Monde Nouveau という曲です。
なかなかいい曲ですね(単に私の好みに合っているだけとも言える)。
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Feu! Chattertonは、まず、2ヶ月ルーブル美術館で音楽を作って、その成果をコンサートで見せたのですね。
おもしろい試みです。
ルーブル美術館に客が行かなくなることはないと思いますが(ロックダウンがない限り)、今、なんでもデジタル化が進んでいるから、大手の美術館も、新しい試みや企画を打ち出していかないと生き残れないのかもしれません。
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