先週に引き続き、映画:「タイピスト!」Populaire(ポピュレール)という映画の予告編を使って勉強しました。
6月21日から始まるフランス映画祭2013で上映される1本です。邦題は『タイピスト』らしいです。
先週はローズという女性が、上司にタイピングの大会に出るように言われたところまでチェックしました。
大会に優勝すれば、事務所で雇ってくれるというのです。
「タイピスト!」予告篇
1分44秒
上司のルイ役のロマン・デュリス(Romain Duris)が、低い声で早くしゃべるから特に聞き取りが難しいですね。
続きには和訳を書いています。
きょうは51秒から最後までチェックします。
On se croirait dans Autant en emporte le vent.
Tu crois vraiment que je vais lui donner des cours de piano !
Tu lui plais, Louis.
Et elle te plaît.
Rose ne doit penser qu’au championnat ! Elle se rend pas compte du don qu’elle a. Je peux mettre le monde à ses pieds.
まるで『風と共に去りぬ』の世界みたいだわ。
あなた、私が彼女にピアノのレッスンをすると本当に思ってるの?
ルイ、あなた彼女が好きなのね。
そして、彼女もあなたのことが好きなんだわ。
ローズはこの大会のことだけを考えるべきなんだ。彼女は自分の才能に気づいていない。僕なら彼女を世界一にすることができる。
Vous croyez vraiment que vous êtes l’homme de la situation ?
Tu comptes l’appeler encore combien de fois avant de comprendre qu’il décrochera jamais ? N’importe quel homme qui passe à côté de toi est un imbécile.
Elle a l’impression que je me sers d’elle, à part que c’est pour elle que je fais tout ça.
Vous pensez vraiment que la vitesse dactylographique est un sport ?
きみは、本当に自分がこの場にふさわしい男だと思っているのか?
いい加減、彼に電話するのは、あきらめたらどうなんだ?(←彼は決して電話に出ないと気づく前に何度彼に電話をすることを考えるんだ?)
きみの真価に気づかない男はみんな馬鹿だよ。
彼女は僕が彼女を利用してると思っている。でもそれは、すべて彼女のためにしていることなんだ。
あなたは本当にスピードタイプライティングがスポーツだと思っているのですか?
映画の詳細は前回の記事で⇒映画:「タイピスト!」Populaire(ポピュレール)予告編のフランス語 その1
スクリプトはこちらを参照しました⇒bande annonce | Résultats de recherche | Je dis, tu dis, il dit, nous disons…
単語メモ
On croirait+名詞/que+直接法:まるで~のようだ
Autant en emporte le vent 風と共に去りぬ(Gone with the wind)
championnat 選手権、チャンピオンシップ
se rendre compte de+名詞/que+直接法 ~に気づく ※この成句は仏検の問題によく出てきます。
don 才能
avoir le monde à ses pieds ~を支配する
décrochera < décrocherer 電話をとる
imbécile ばか、愚か者
passer à côte de ~の真価に気づかない
avoir l’impression de+名詞/que+直接法 ~という気がする、思う
sers < servir
se servir de qc ~を使う、利用する
à part que ~ということを除けば
dactylographique タイプライティング
きょうチェックしたところはイディオムがたくさん出てきて訳すのが難しかったです。もしかしたらはずしているかもしれません。
タイプライティングコンテンストの優勝めざして二人でがんばっているうちに、お互いに好意を持ち始めたローズとルイ。なんといっても同居までしてるんですから。
そしてローズは晴れてチャンピオンになりますが、そのことでルイの手の届かない人になってしまった・・・という筋書きでしょうか?
まるで少女漫画みたいなストーリーです。音楽はなかなかいいですね。
Roseはフランス語では「ほーず」という発音になるので、あまりきれいな名前に聞こえません。
Autant en emporte le vent
«Autant en emporte le vent»(風と共に去りぬ)は1939年のビクター・フレミング監督のアメリカ映画、Gone with the wind のフランス語のタイトル。
『風と共に去りぬ』のスライドです↓
ルイの家がとても素敵なので、ローズが「風と共に去りぬ」の家みたい、と言いました。
ロマン・デュリスについて
主演のロマン・デュリスは1974年生まれ。学生だった19歳のころ、街中でキャスティング・ディレクターにスカウトされました。まあ、2枚目ですから。
はじめは俳優業に乗り気ではなかったそうですが、今はフランスを代表する若手(?)俳優の一人ですね。日本では『スパニッシュ・アパートメント』と続編の『ロシアン・ドールズ』のグザヴィエ役で知られています。
ロマン・デュリスの最新作は、L’Écume des jours(日々の泡)。原作はボリス・ヴィアンが1947年に書いた同名の小説です。écumeは泡。
オドレイ・トトゥと共演しています。
予告篇です。2分23秒
話の雰囲気は全然違いますが、やはり最近懐古趣味が流行っているのかもしれません。
★2013/07/09追記:この映画はフランス映画祭2013で観客賞(最高賞)を受賞し、日本で一般公開されることになりました。
個人的にロマン・デュリスが好きです。
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