フレンチポップスの歌詞でフランス語を学習しています。今回は、バンジャマン・ビオレーの Ton Héritage (きみの遺産)の後編です。
前編ではライブで歌っている動画を紹介しましたので、今回は、CDの音源です。静止画です。
Ton Héritage (きみの遺産)
1分50秒のあたりから
Si tu oublies les prénoms
Les adresses et les âges
Mais presque jamais le son
D’une voix, un visage
Si tu aimes ce qui est bon
Si tu vois des mirages
Si tu préfères Paris
Quand vient l’orage
もしきみが、名字や
住所、年齢を忘れ
だけど、声色や、顔は
まず忘れないのなら
もしきみが、「良きもの」が好きなら
もしきみが鏡を見るなら
もしきみがパリを好きなら
嵐が来たときの
もしきみが苦味と
真っ白な冬が好きなら
もしきみが最後のグラスと
心乱されるミステリーが好きなら
もしきみが、大地を感じることと
火山の噴火が好きなら
もしきみが空白を恐れるなら
空にしなさい、僕の子どもよ
それはきみのせいじゃない
きみの遺産なんだ
もっとひどくなる
君が私の年になったら
それはきみのせいじゃない
きみの身体と血の中にある
一緒にやっていくしかない
あるいは、すべて捨てたほうがいいけれど
もしきみが先に旅立つのが好きなら
僕の子どもよ、僕の子どもよ
他の人が目覚める目に
彼がきみを置き去りにする前に
もしきみが眠りと
時の流れを恐れるなら
もしきみが朱色の秋と
驚愕と、赤い血が好きなら
もしきみが人混みを嫌いで
けれど、人びとのことはなんとかがまんできるなら
もしきみが考えが、すべてくずれおちるなら
20歳の夜に
そして、計画通りには
何も起きないのなら
もしきみが転がる石でしかないのなら
転がりなさい、僕の子どもよ
歌詞はこちらを参照しました⇒Paroles Ton Héritage – Benjamin Biolay
前編はこちら⇒「きみの遺産」(バンジャマン・ビオレー)歌と訳詞(前半)
単語メモ
troublant 困惑させる、気にかかる
jaillir 噴き出る、ほとばしる
laisser qn/qn en plan ~を置き去りにする、放棄する
se dérouler 出来事などが起きる
とても詩的な歌詞ですね。解釈は自由ですが、私は「君がこういうことが好きだったり、ああいうことを恐れるのはきみのせいではなく、祖先、あるいは親から受け継がれたものなんだ。だから、自然体で、そのままで生きればいいんだよ」というメッセージを私は受け取りました。
バンジャマン・ビオレーは21世紀のセルジュ・ゲンズブールと言われることがあります。この曲を聞くと、そんな気もしますね。
それでは次回の歌の記事をお楽しみに。
この記事へのコメントはありません。